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バラは摘めるうちに摘め

高校の時に一度調べただけの言葉だが、いまでも胸の内の目立つところに置かれている言葉がある。それが「バラは摘めるうちに摘め」だ。

この言葉には楽しめる内に楽しんでおくべきという「ケセラセラ」的な精神と、一番のタイミングを逃さないようにせよ、という教訓が含まれている。

イギリスの詩人が残したこの言葉は、薔薇というキザなモチーフがいかにも現世的なものから離れている感じがして良い。

平々凡々な一人っ子の日本人的性格である私は、ショートケーキで言えば、苺は最後まで取っておく派だ。楽しみは後に取っておけば置くほどいいものだという感覚を持っている。先に苦労をしておいて、後で楽をする方がいいに決まっていると思い、夏休みの宿題は最初の3日で頑張るタイプだ。

しかし、この言葉に出会い、自分の癖として折り目のようについてしまった考え方にストップがかかるようになった。
学生時代であれば勉強を、今であれば仕事を、後で楽しく過ごすために頑張っている(つもり)なのだが、「後っていつ?今は楽しむことはダメなの?」と考えるようになった。
そして、楽しむべき時に最大限楽しんでおくことの重要性を感じ、実行できるようになっていたのだ。

しかし、ちょうど最近、行きつけにしているお店の常連さんからこの言葉に近いことを言われてしまった。金曜日に私が2時間くらいやれば終わる仕事を終わらせずに退勤して、ひとりで飲みに行ったときに、「週末ちょっと仕事やんなきゃなんですよねー」のようなことをポロっと言ったら、その方は「いやいや、絶対やらなきゃダメだったら、何としても今日中にやっているでしょ?最悪月曜日とかに頑張ればいいと思ったから現にやめたんだと思うんだよね。だとしたら、週末に頑張るなんてことはしないで、週末はゆっくり休んで、週明けこっそり早く仕事を始めるなり、月曜日の夜に頑張ったほうが精神的にかなり良いよ」と言われた。その方は私と職種は全く違うが、言っていることにはすごく納得した。

それと同時に、これも「バラは摘めるうちに摘め」だなと思った。私はバラを摘むタイミングを逃してしまうところだったのだ。

心配性の人や色々なことが気になり脳のリソースが取られてしまう人は、この言葉を思い出して、機を逃さずに楽しむことができるといいなと思う。

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