平昌オリンピックは中止になったのだと思っていた

平昌で行われた冬季五輪は感動の渦中幕を閉じた。

振り返れば日本のメダル数は39個と史上最多であったことやコーチに金をかけていい結果を得たという冷静で下衆な財務大臣のコメントに賛否があるのも非常にどうでもよかった。

ウィンタースポーツを楽しまない派閥はもちろん、シーズン券でスキー場に通うような大学生でさえ膾炙する姿は見たことがなかった。

不毛を愛す堕大学生の宴会の卓上にも仮想通貨や天才中学生棋士の話はあれど冬季五輪の"と"の字も持ち出す者はいなかった。
本当にオリンピックは開催されたのだろうか、と開催の季節になってもずっと思っていた。

オリンピックが終わるとメディアはその功労者を英雄として奉りたがる。
ミドルの殿方もこぞって"そだねー"などど言い出しいよいよ1億総kawaii時代の到来か?と思った。なんとも恐ろしい。

確かに女子カーリング日本代表の活躍はめざましかった。当時北海道にいたので、特に道内のマスコミ4媒体はかなり大きく扱っていたのを目にした。
僕も予選リーグを首の皮一枚で勝ち上がり、宿敵の韓国の"メガネ先輩"と死闘を繰り広げる頃にはカーリングが見たくて仕方がなくなり、イギリスの最後の一投に声をあげるまでになっていた。

実に華麗な掌返しだ。
今まで見向きもしていなかった選手も、メダルをかけた瞬間に英雄になり、コンテンツとして消費される対象となっている。

可哀想だな、と思いつつも
また2年後には東京五輪があり、そこでまた英雄が生まれ、消費されてゆく。このサイクルを絶えず産み続けるのがオリンピックなのだな、と感じた。




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