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雑記)発光帯

脈絡も目的も宛先もない散文を、気まぐれに書き散らしてみる思いつき企画です。

2023年10月1日、日曜日。天気は曇り。

ハナレグミのライブを日比谷公園野外音楽堂で見た。「Faraway so close」と銘打たれた、アコギ一本の弾き語りで全国を巡り続けるツアーである。

席は前方のど真ん中で、申し分のない配置。にわか雨の予報が出ていたものの、開演と同時に晴れ間が顔を出す。徐々に暮れていく空、秋の涼しげな風に揺れる木々の葉音と、心地よい鈴虫の音色。これ以上ない最高の環境で、美しいメロディと歌声に酔いしれた。

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12時から、表参道のウェディング衣装スタジオを訪れ、新郎の結婚式衣装を決める。先週、新婦の衣装がバッチリ決まったので、ドレスを念頭におきながらタキシードを試着していく。
最終的に、「これぞ!」という組み合わせにたどり着くことができ、大満足な衣装の予約・購入を終える。
心残りがあるとすれば、手のひらの上で踊るように当初の見積もりを遥かに上回っていった予算くらいのものだが、それもまたご愛嬌。「せっかくだしね」は魔法の言葉。

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ライブは弾き語りのワンマンだが、開演前からステージには4脚の椅子と譜面台が配置されている。「これはカルテットが来るのでは?」「もしかしたらあの人ではないか?」という予感は見事的中し、ライブ中盤で徳澤青弦カルテットが呼び込まれる。
ハナレグミの素晴らしい演奏は、弦楽四重奏が加わることでさらなる高みへと駆け上がっていく。『サヨナラCOLOR』や『光と影』をこの編成で聴けたことは、この上ない喜びだった。

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衣装決めとライブの間の時間は、青山ブックセンターで大ファンの2人の対談を見た。臨床心理士の東畑開人さんと、哲学者の永井玲衣さんという組み合わせ。
『居るのはつらいよ』『野の医者は笑う』といった書籍で人文界に衝撃を与えた東畑さんと、車座を作って普遍的なテーマで話し合いを深める哲学対話に取り組み、『水中の哲学者たち』を出版された永井さん。
『ふつうの相談』という東畑さんの最新作の出版を記念して、「相談と対話」をテーマに自由奔放にトークを繰り広げる90分。

これがまた、もう最高に面白かった。臨床心理学と哲学という異なるジャンルに身を置きながらも、市井の人々の等身大の問いや悩みと向き合うという点においては、ある種同じ地平の上にいるお二人。対話と相談の違いについて思索を深める時間そのものが、対話なのか相談なのか曖昧な、なんとも不思議で幸せな時間だった。

飛び出したお話が本当に面白かったので、内容についてはまたの機会にnoteにまとめてみたい。Designshipに顔を出せなかったのは、心底心残りだったが、こちらもまた得難い時間だった。

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ライブが終わり、少し歳の離れた友達と家路につく。
「本当にそのアーティストが大好きで、喜びをどこまでも分かち合える人と行くライブが最高だよね」なんて言いながら、「生きるために歌い、歌うために生きるアーティストに、心を鷲掴みにされる」という話で共鳴する。

「小林賢太郎と、細美武士と、野田洋次郎と、ハナレグミ、この全員と仕事したことのある人は徳澤青弦くらいだと思うんです。来世はチェロ弾きになります。」という戯言に付き合ってもらう。

会うのはすごく久しぶりだったけど、得がたい夜を共に過ごせた幸福を噛み締めながら友達と別れ、はしごでザーサイだんだんめんを食べた。
「結婚式まで今日から本気でダイエット」と思っているので、パイコーじゃなくてザーサイにした。スープを全部飲むのも我慢した。ご飯はつけたので、二勝一敗。悔いはない。

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昨日今日と、めいっぱいインプットをしたら、アウトプット欲がものすごく高まった。(その結果として、こんなnoteを書いている。)
新しい刺激や情報に触れると、見える景色や頭の回り方が一気に変わる。8〜9月は、連日イベントだらけで、超楽しい日々だったけど、「インプット」は偏っていた気がする。10月からの3ヶ月間は、とにかくアウトプットの量を劇的に上げたいので、インプットの幅と質にこだわってみようと思う。

2023年、最後の最後まで満喫していくぞ。楽しみ。

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