【Dataiku】Haiker's Round Table#1でお話したこと


はじめに


皆さんこんにちは。
私は住友ゴムという会社でデータ活用促進をしています。

これまでTableauの導入から現場での活用促進を進めたり、AIの開発などいわゆるDXの推進をしています。DX人材育成も全社に進めています。
そうした取り組みの中で、よりAI活用を加速させていきたい!という想いでDataikuを導入することにしました。

そんな中で、DataikuのコミュニティであるData Haikerコミュニティでとあるきっかけから、Round Tableという座談会にてお話をする機会をいただきました!
https://note.com/rika_olga_f/n/na7f42a03b811

Dataiku Haiker Round Table

どんな内容をお話したのか、自分の記録もかねて書いてみたいと思います。

Data Haikerとは?

Dataiku(https://www.dataiku.com/ja/)を使っているユーザーの方々のコミュニティです。情報交換やイベント紹介、勉強会などが開催されています。
参加されたい方は、上記のRikaさんNoteにSlackリンクありますので是非!

Round Tableでお話した内容

当日は主に以下の点をふまえてご説明しました。

  1. デジタルイノベーションの推進:生産現場から始まり、全社規模での推進へ。その旅路と学び。

  2. ツールの選定と活用:TableauからSnowflake、そしてAI領域での挑戦。多様なデータツールをどのように選定し、どのように活用してきたか。

  3. Dataiku導入の背景とメリット「予測・予知・予兆」を求めて:過去に使用していたツールの限界と、Dataikuに求めた解決策。

  4. 製造業におけるデータ活用:データが必ずしもきれいではない製造現場で、どのようにDataikuを使いこなし、ETLからAIまでのフローを構築しているか。

  5. 組織としての挑戦:全社でのDataikuの導入と展開、データ推進チームの構成とその動き。

1.デジタルイノベーションの推進

改めて会社紹介をしたうえで、まず全体的な活動についてのお話を。
(住友ゴムというメーカーです:https://www.srigroup.co.jp/)

中期経営計画とその中でのDXの位置づけ

住友ゴムの中計骨子

共通してずっと目指している姿「データドリブン文化の醸成」

目指す姿「データドリブン文化醸成とデータ360°

2.ツールの選定と活用

当社ではTableauを導入し、その後Snowflake・そしてDataikuと環境を構築してきました。この流れはある程度見通しをもったうえで、また実際に推進をしていく中で出てきた課題を潰していこうと取り組みしていった結果です。

進めていく中でいつも意識しているのが「BIからAIへの流れ」です。
下図を社内の講習でも良く使いますが、Haikerの皆さんはさすがに良くご存じでした。

「4 Stages Of Data Analytics Maturity: Challenging Gartner's Model」より

まずBI(データから情報にする。見える化)をやってからのAI。この順番で進めていくことが重要で、何でもすぐ「AI使えば」良い結果が出るわけではないというのがデータ活用におけるポイントだと思ってます。そうした考えからまずTableauの活用を進めていきました。
Tableauの導入推進に関しては、過去に講演した内容を記事にしていただいてますので、良ければこちらも参照ください

現場での活用を進めていただく中で、AIで価値を生み出していける可能性は高まってきました。これまでもAIのツールを導入したりPythonでのプログラム開発を進めたりはしています。ただ、より全社での活用を進めていくためには共通したAI開発環境が必要だという想いを持つようになりました。


3.Dataiku導入の背景とメリット

色々と検討をしていくなかで、すでに一部門で導入していた”Dataiku”が一番良いなという結果になり今年より全社導入に向けて進めています。
導入を決めた大きな理由は「一気通貫」にデータ活用の流れを進めることが出来る、という点です。

Dataikuがカバーする領域

製造業でのデータ活用において良く課題となるのが、データ準備のプロセスです。使える形になっていないデータも多くあるなかで、いきなり分析!は出来なくて準備するところにかなり手間がかかります。
なのでそのあたりも含めて、ある程度簡単に操作出来て使っていけることが非常に重要な要件でした。Dataikuはそこにマッチした感じです。

その際に色々調べてたのですが、Google検索数を見ていたら
・日本ではDataRobotの方が検索数多い
・グローバルではDataikuの方が検索数多い
という結果がありました。
地域によっても傾向が違ってたりして、こういうのも面白いデータですね。

4.製造業におけるデータ活用

ここからは製造現場における実際のデータ活用についてです。先にもお話したように、当社ではまず製造(工場)でのDataiku活用をはじめました。
そもそもデータ収集の部分に課題があったので、製造IoTプラットフォームと呼ぶ共通基盤を導入・現場からのデータ収集を進めています。

工場における取組について、少し古い記事ですがこちらでお話しています。

集めたデータを分析する時にも、BI×AIの観点で取り組みをしています。設備から取れているデータをリアルタイムに表示させたり、カメラ映像から作業時間を自動計測してTableauで可視化したりすることで現場の改善に役立つものを提供しようと取り組みしています。
Dataikuを使うことで、安定して処理が行えるのでデータ分析した結果をIoTプラットフォームを経由して設備へフィードバックするデータパイプラインの構築をして、これまで人手をかけていた作業を無くし効率化するという活動もしています。

5.組織としての挑戦

そうした製造現場での取り組みを経て、現在は全社でのAI活用推進をしています。推進するときに大事にしているのが「コミュニティ」です。
Data Haikerの盛り上がりからも分かるように、コミュニティの力は非常に重要です。社内でも、コミュニケーションを活性化してイノベーションを促進していくために、皆の”壁”を越えていけるように、社内イベントを色々仕掛けています。

乗り越える”壁”

また「人材育成」も非常に重要です。全員が共通認識を持ったうえで同じ景色を見ながら進んでいけるようにリテラシー教育を行うとともに、推進する側の人材を増やしていくことが大事だと考えてます。そのために2022年より全社のDX人材育成プログラムを導入し、研修を進めています。

社内のDX人材構成図

そうした人材育成の活動などを通して社内の人との繋がりを強化していって
連携して進めていけるように、社内のAIコミュニティを昨年末より立ち上げました。Dataikuの活用もこのコミュニティが中心となって取り組みしていこうと考えています。

社内コミュニティ「AI-TechNova」


終わりに

こんな感じの内容をお話しました。当日お話したものからかなり抜粋した感じになってますが、ご覧いただいた型に少しでも参考になる情報があれば嬉しいです。我々もまだまだこれからですが、データドリブン文化の醸成に向けて取り組みを進めていきたいなと思います。

今後の方向性として、「Data Product」を構築していくことを大事にしたいなと思っています。それをしっかりマネジメントしていくData Product Managementの考え方を取り入れていきたいと思って進めています。
(このあたりもまた思考の整理かねて書けたらな・・・)


もし製造業でのデータ活用を進めてみたい!と思われる方はぜひご連絡ください。

情報交換も大歓迎です。
普段はX(Twitter)を使っています。
https://twitter.com/haroido

それでは!

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

109,949件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?