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『野球と暴力』を読んで。20200720

こんばんは!コダカです。

今日は『野球と暴力』著・元永知宏氏の感想を書きたいと思います。

感想はシンドイの一言。
読み切るまで時間を要しました。


超メジャースポーツである野球が、なぜ超閉鎖的なのか?
“監督服従”型の野球から、“選手自発”型の野球へ
体罰による“統制”から、個々に向き合った“指導”へ
「勝者が歴史をつくる」なら、「暴力のないチーム」がこれからの勝者だ!(引用:イースト・プレスHPより)

目を背けたくなるような部活動のいじめとしごきの話が何ページも渡って続きます。

怒ったり殴ったりすることで実力以上のものが出せるならオリンピックの陸上や水泳のスタート前にコーチがしているはずというくだりを読んで、笑いそうになってしまいましたが、いやいやその通りと、野球の部活動の特異性を認識しました。

また、監督が選手と同じユニフォームを着てベンチ入りして、その権威を持った大人がサインを出すスポーツって他にあまり思い浮かばないという話も、軍隊のヒエラルキーや同一性のそれと同じではないかと。

「おかしいことをおかしいと認識していないところが、一番の問題じゃないですか?」(宗教学者・島田裕巳氏)と文中の言葉がしっくりきます。

中学校で野球部に所属した僕でもおかしいな?理不尽だな?と思うことが山ほどありました。

同学年みんな一緒に殴られたり蹴られたりしていたので、そういうものなんだろう思っていたのですが、しかしこの本を通じて、昔指導をしてくれたコーチの方にもどこかしら威厳を保ちたいとかコミュニケーションの欠如があったかもしれないと改めて気がつきました。

〈本書に出てくる主な取材対象者〉
渡辺俊介(元・千葉ロッテマリーンズ) / 田中聡(元・阪神タイガース) / 佐々木順一朗(元・仙台育英、現・学法石川監督) / 上林弘樹(北照監督) / 船屋隆広(札幌大谷監督) / 中矢太(済美監督) / 中矢信行(元・愛媛県高野連審判長) / 三谷志郎(今治西、早稲田大学OB) / 喜入友浩(東大OB、TBSアナウンサー) / 島田裕巳(宗教学者)(引用:イースト・プレスHPより)

この本の素晴らしいのが現在進行形で改善している指導者の例が書かれているところです。

佐々木順一朗監督(元・仙台育英、現・学法石川)の真正面から選手の自主性に任せる指導法にはすごいなと思いましたし、中高一貫校を生かして実質的な練習時間が短くても無駄ないじめを抑え最大限能力を引き出す船屋隆広監督(札幌大谷)の手腕には驚きました。

救いです。

まだまだ古い風習に囚われる閉鎖的な学校や部活動に、こういう指導者たちのやりかたが本流となればいいのになと思いました。



なんとか最後まで読んで、思ったことをいくつか。

指導者の方のコメントを読んで、数人ですがしつけや根性論を持ち出して殴らなければ何をしてもいいと考えているのではないかと受け取れました。

また副題の「殴らないで強豪校になるために」も正直良くわかりませんでした。
学校の名をあげるために学生たちは野球をやるわけでもあるまいし。
文中ではそのような流れではなかった気が。

最後に「勝者が歴史を作る」と書かれていますが、東大や公立高が勝って、元々強豪校でもない中途半端な位置で暴力を振るっている学校の指導者や全年代のチームにそれはどのように作用するのかなと。具体的にそれを知りたかったです。

踏み込んだチャレンジングなテーマだと思いますので続編にも期待です。


今日も最後までお読みいただきありがとうございました。



参考サイト

野球と暴力 殴らないで強豪校になるために 元永知宏

https://www.amazon.co.jp/dp/B085XV64J5/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_MmyfFbC49JNPY


イースト・プレス 野球と暴力 殴らないで強豪校になるために 元永知宏
https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781618609


つたない文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。 もっと上手に書けるよう精進します。