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オンライン聴覚検査を作ってみた!

2023年度の東京医療センター人工内耳センターのHP更新に伴い、東京医療センターオンライン聴覚検査を作ってみました!

オンライン聴覚検査のサイト

次のような、利用目的を想定しています。
① 気軽に聞こえをチェックしてほしい。
② ご自身の聞こえの記録として利用してほしい。
補聴器フィッティング人工内耳マッピングの確認として利用してほしい。

① 気軽に聞こえをチェックしてほしい。

 音楽を聞いたり、人と会話したり、警告音を聞き取るなど、私たちの日常生活は、音にあふれています。しかし、年齢とともに自然に聴力は衰えてしまいますし、さらには突発性難聴などの突然の聴力低下もあります。2017年7月、国際アルツハイマー病会議(AAIC)において、ランセット国際委員会が「難聴」は「高血圧」「肥満」「糖尿病」などとともに認知症の危険因子の一つに挙げられました。さらに2020年には、「予防可能な40%の12の要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子である」という指摘がなされ、難聴と認知症の関連が注目されています。難聴の早期発見は重要であり、それには定期的な聴覚検査が欠かせません。
しかし、病院や専門のクリニックに足を運ぶのは時間的にも身体的にも負担になります。JapanTrack2022調査報告によると、聞こえにくいと感じている人の割合は18歳以上で11.6%で、過去5年に聴力検査を受けたことがあるのは、約半数(51%)に留まっていると報告されています。

そこで注目したいのが、オンラインで可能な聴覚検査です。これは、皆さんがご自宅にいながらにして、簡単に自身の聴覚をチェックすることができるサービスです。パソコンやスマートフォンを使い、専用のアプリやウェブサイトにアクセスするだけで、いつでもどこでも検査を受けることが可能です。世界保健機関(WHO)でも自分の聴覚を診断できるスマートフォン(スマホ)など向け無料アプリ「hearWHO」を開発しています。

WHOが作成したhearWHOアプリ

東京医療センターのオンライン聴覚検査の特徴は、音感と日本語の語音チェックができることです。
気軽に聞こえのチェックをしたい方は、【メールアドレスの登録をせずに簡易検査のみを実施する方はこちら>>】で、音感チェックと語音チェックの簡易パターンのみをお試しいただけます。なるべく静かな環境で実施し、イヤホンまたはヘッドホンを装着し、ご自身にとって適切な音量となるように調整してください。難聴者様個々で聞きやすい音量が違いますので、最も聞き取りやすい音量で検査を受けてください。
テレビの音は聞こえるんだけど、何を言っているのかわからない」という方もいらっしゃると思います。ご家庭のテレビや、学校の教室のスピーカーを用いてオンライン聴覚検査を行うことで、その環境での日本語音声の聞き取りをチェックすることもできます。
オンライン聴覚検査により、聴力に関する健康管理が一層手軽に、そして効率的になることを願っています。

② ご自身の聞こえの記録として活用してほしい。

聞こえは年齢とともに、変化します。日々変動する難聴をお持ちの方もいらっしゃいます。外来診療で行った聴力検査の結果は印刷してお渡ししています。ご自身の聴力検査のデータを大変綺麗に保存して管理を行なっている方もいらっしゃいますが、昔のデータや他院で行ったデータがわからなくなってしまう場合もあります。東京医療センターのオンライン聴覚検査では、メールアドレスを登録するメンバー用サイトで、過去の検査記録を保存確認できるようにしています。
ぜひ「聞こえの記録」としてご活用していただきたいと思っています。ご登録いただけますと、音感チェックと語音チェックの全パターンをご利用いただけます。語音チェックは騒音下での検査も選択できます。

オンライン聴覚検査の入り口

オンライン聴覚検査メンバー用サイトの手順

  1. 次のウェブサイトにアクセスします。
    https://nancho-db.com/pitch_check/

  2. 初めての方はこちらから【メールアドレスを登録する】

  3. すでに登録されている方はメールアドレスを記載して送信すると、メンバー用サイトのリンクをご登録のメールアドレスにお送りします。

  4. メールアドレスに届いたリンクをクリックしてメンバー用サイトに入れます。


メンバー用サイト

音感チェック

オンライン音感チェックでは、メロディーリズムメモリーから構成されています。
メロディーリズムのセッションでは、比較する2つの連続したオーディオサンプルが聞こえます。 この2つのメロディーは非常に短い無音で区切られています。この2つのオーディオサンプルが同じに聴こえるか、違って聴こえるかを判断してください。この2つのオーディオサンプルが同じだと思うなら「同じ」のバブルにマークを付けます。 この2つのオーディオサンプルが異なると判断した場合は、「違う」のバブルにマークを付けます。オーディオサンプルが聞けるのは1回だけです。
最後のメモリーのセッションでは、1つのオーディオサンプルが聞こえます。その中には、前のメロディーとリズムセッションで聞いたことがあるものと、聞いていない新たなものがあります。すでに聴いたことのあるオーディオサンプルか、まったく新しいオーディオサンプルかを判断してください。聞いたことのあるメロディーだと感じたら「あった」、そうでなければ「なかった」と答えてください。 オーディオサンプルが聞けるのは1回だけです。

練習問題1(これらの2つのメロディーは異なります。)

語音チェック

語音チェックは、ノイズを(なし、弱、中、強)から選べます。
オンライン語音明瞭度検査では、聞き取れた単音節を、全角ひらがな1文字で記入してください。音源は1度しか聞くことができません。

語音チェック

③補聴器フィッティングや人工内耳マッピングの確認として利用してほしい。

補聴器または人工内耳を装用されている方は、音源がダイレクト入力となる設定で行ってください。オンラインでの補聴器フィッティングや人工内耳マッピングも始まっていますが、まだ十分に普及している状況ではありません。その原因に、適切なオンラインでの聴覚検査、補聴器や人工内耳の適合検査が確立されてないためではないかと考えています。病院で行う聴覚検査結果とオンラインで行う聴覚検査結果とを比較する臨床試験も行なっています。ぜひ、臨床研究にご参加いただけますと嬉しいです。

臨床研究に参加いただける方へ

継続的にご利用いただくことで、難聴者様一人ひとりの聴覚状況の変化をデータとして捉え、個々の補聴器フィッティングや人工内耳マッピングに役立てることも目指しています。
最後に、オンライン聴覚検査は、医師やオーディオロジストによる診断を置き換えるものではありません。検査結果によって聴力に問題があると感じた場合、または自分の聴力に不安を感じていた場合は、医療機関にご相談ください。

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