またコムドットかい。ところで「コムドットって何?」 ——冠番組とボクらの時代を観て——


『(テレビの力は)間違いなくあります』

コムドット・やまとの発言である。

今朝(5月7日)放送の「ボクらの時代」の対談メンバーは、放送作家・鈴木おさむ、EXIT・兼近大樹、そしてコムドット・やまとの3人だった。
立場の異なる3人が、テレビとYouTubeの構造・文化の違いをひたすら談義していてとても興味深かった。先述したのは、3人がテレビの力について語り合っている中でのやまとの発言である。エンタメに興味ある方は是非。

『若い世代からの支持をガッとあつめて、次何しようってなったときに、上の層からの支持が欲しいってなったときに、いちばん効果的なのはテレビに出演することじゃないかなと考えて』

私自身は、コムドットのファンではない。アンチまではいかないものの、炎上しているのを見たり、本屋に積まれている革命児のエッセイ本を見るたびに「またコムドットかい…」と眉をしかめていた側の人間だ。
ただ、ここ数週間でコムドットへの印象が変わってきたので、個人的な所感を書いてみる。

■コムドットって何?


コムドットは、現在フジテレビにて「コムドットって何?」という冠番組を持っている。「誰?」じゃなく「何?」なのが良いタイトルだなあと思う。

私はこんな記事を書いていながら、まだ(まだなの?)YouTubeのチャンネル登録はしていない。でも、つい先日コムドットについて考え始めたとき、よくよくメンバーであるやまとのTwitterを読んでいると、ブランディング力、信念を周知する力、強いワードセンスには感心するしかなく、好きとか嫌いとかではなく、ヒットコンテンツとして、その運用をしている人たちとしてとても興味が出てきた。コンテンツをビジネスとして理解している感じ。ビジネスとしての魅力がある。

ということで、まず、今年春からレギュラー化した「コムドットって何?」をFODで観た。20分程度の番組で内容もYouTubeチックな企画と編集でラフな印象。我が強くて生意気で鼻につくと思っていたコムドットってこんな爽やかな青年たちだったんだ、というのを知った。

■深夜の冠番組>ゴールデンのひな壇番組

若い子がよく言う“テレビは面白くない”には、“テレビはおじさん・おばさんが観るものだからダサい”みたいな感覚が含まれていると思っていて、令和のYouTubeを風靡するコムドットが、国民を掴むという目標(その先にも目標があるのでしょうが)のための手段としてテレビを利用するところに、テレビの持つ媒体としての利用価値をわかってくれているというか、“テレビはダサい”と思っていなさそうなところが嬉しいというか。まあ、私が嬉しくても意味ないんですけれど。

もう少し想像すると、コムドットが冠番組を通して取り込みたい層=メインリスナーの親世代が「なんかよくわからないけど息子・娘が熱心に観ているYouTuberってこの子たちか」と興味を持ってくれれば、それはテレビの持つ最強の価値だと私が信じてやまない“家族団らん”のきっかけになり得るかもしれないと思うとワクワクする。ゴールデンのひな壇番組に出演するだけでは容姿とトークと芸人との絡みだけの判断になってしまいがちなところに、“地元のノリを全国へ”を掲げてYouTubeに近い普段の姿をなるべく見せようとしている「コムドットって何?」は、もしかしたらゴールデンのひな壇番組に出る以上にストレートで意味があることかもしれない。

フジテレビが初めて「コムドットって何?」を立ち上げた時、私は芸人の番組が観たかったし、そもそもコムドットのことを煙たがっていたので、コムドットがテレビ?えー?せっかくの枠がー!と思ってしまっていた。
しかしながら、ここにきてちょっと色々観てみて今更ながら思ったのは、冠番組を持つというチャレンジができるYouTuberは確かにコムドットしかいないのかもしれない、ということ。知名度、人気、キャッチーさ、ビジュアル、バイタリティ、コンテンツを創ってきた経験、テレビへの価値観、期待を背負える器の大きさ。どうか番組がヒットして欲しい。フジテレビとコムドット、お互いの風穴となってほしいと素直に願う。

■ブランディングに巻き込まれてみる

今朝のボクらの時代にて、鈴木おさむさんに結婚願望について訊かれ、『アイドル的要素を持っているのは自分でわかってるんですけど、なんか僕たちが見せているのは“人生”なので、結婚することもあるよなって思うんで』と当たり前のように答えるやまとを、よく知らないながらも“人生を見せる”ことを常に主軸に置いていて筋が通った人だしブランディングがやっぱり上手いなと純粋に感じた。

私は彼らのYouTubeすらもまだ観ていない状態ではあるけれども、色々書きながらどんどん興味が出てきた。コムドットを異常に嫌う人とかヒットコンテンツとして認めない人とか、まあ人気者だから批判が出るのはしょうがないとは思うのだけれども、あなた方たぶんもうコムドットのブランディングに巻き込まれてますよと思うし、テレビに進出してくれていなかったらいまだに私自身も遠ざけていたコンテンツだと思うのに、1回受け入れちゃったら、なんかもう楽しくなってきたので流石にチャンネル登録しようかなと思うこの頃。冒頭で「ファンではない」と書いたものの、すっかりファンなのかもしれない。

コムドットって本当に何?


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