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ケース問題を解く際の思考プロセス(5ステップ)

※当記事は約5分で読めます【約2,100文字】

1. 当記事の目的

ケース問題については、

①    ケース問題との向き合い方

②    ケース問題の基本体系

こちらにて説明してきました。

練習の際に役立つフレームワークなど細かい知識は置いておくと、ケース問題を解くにあたって必要な知識の全体像は、当記事の「ケース問題を解く際の思考プロセス(5ステップ)」を理解することで完結となります。

それでは早速見ていきましょう。

2. ケース問題を解く前に知っておくべきこと

ケース問題とは、コンサルティングファームの業務プロセスにおけるミニチュアケーススタディとなります。そのため、その背景を知っておくことで、ケース問題の理解を深めることに繋がり、問題とも向き合いやすくなります。

①~④までのフローがケース問題での対象範囲となり、戦略コンサルなどで請け負う業務範囲でもあります。

3. ケース問題を解く際の思考プロセス(5ステップ)

特定のプロセスに沿って進めていくことで、容易にケース問題を解くことが出来るようになります。それが、以下の5ステップになります。

<ケース問題を解く際の5ステップ>
(1)前提確認(To-Beの明確化)
前提確認という方向性の判断も含めて評価対象とするために、ケース問題として出されるテーマは、基本的に様々な条件を設定する必要があるような抽象的なお題の提示が多いです。
したがって、以下の3点における確認が『前提確認』の目的となります。
①    言葉の定義
②    当事者及び趣旨(ゴール)の確認【誰が何をどのようにしたいか】
③    論点の確認(範囲、時間軸、定量的指標)

(2)現状分析(As-Isの明確化)
適切なフレームワークなどを使って構造化・可視化。

(3)ボトルネックおよび改善対象の明確化(Fit-Gap分析)

(4)改善内容の立案

(5)改善内容の評価
※実現可能性および定量的評価が重要

現場では、クライアントの要望についても抽象的である場面が多く、現状から適切な未来の姿をコンサルタントが提示することも少なくありません。
そのため、As-IsとTo-Beを一緒に考えるのが普通ですが、ケーススタディにおいては、便宜上To-BeとAs-Isをステップで分けています。その他は先ほどの業務プロセスと同様です。

つまり、ケース問題とは、実際のコンサルティングファームの業務プロセスにおけるミニチュアケーススタディ(同様の思考プロセスをとる)であると言えます。

5ステップについて、ケース問題の『英語を話せるようにするには』を例に具体的に見ていきたいと思います。

4. 5ステップを使った具体的な解答思考プロセス

<テーマ>
『英語を話せるようにするには』

(1)   前提確認(To-Beの明確化)

①    言葉の定義
話せるようにする⇒Speakingの能力を実生活において通用するレベルにすると言い換えることができる。
②当事者及び趣旨(ゴール)の確認【誰が何をどのようにしたいか】
⇒特定の個人ではなく一般的な話
③論点の確認(範囲、時間軸、定量的指標)
〇範囲
Speakingの能力を身に付けるための方法を構造化整理する。
〇時間軸
明確な期限などなし
〇定量的指標
明確な(定量的)ゴール指定が無いため保留

また、ケース問題のどの基本体系で考えるのかを確認します。

⇒今回は、「個人」で解くことを確認。

(2)現状分析(As-Isの明確化)

今回は、何かの現状では無いため、事実の確認として構造化します。

(3)ボトルネックおよび改善対象の明確化(Fit-Gap分析)

この時点で、現状の優劣(ボトルネック)は無いため、各分岐先のアプローチ対象を確認します。

(4-a)改善内容の立案(インプットについて)

①オンライン × 有料
・オンライン英会話の利用
②オンライン × 無料
・外国の知人とWeb通話で話す
③オフライン × 有料
・英会話教室の利用
・参考書などの勉強(発声方法、単語の習得など)
④オフライン × 無料
・テレビやラジオなどを通したシャドーイング
・英会話ができる友人との会話
・無料のコミュニティへの参加

(4-b)改善内容の立案(アウトプットについて)

①アウトプット × オン時
・外資系企業など外国人とのコミュニケーションが多い環境に勤める【国内】
・海外転勤など外国へ行く機会を作る【国外】
・留学する【国外】
②アウトプット × オフ時
・外国の友人と過ごす【国内】
・海外旅行に行く【国外】

(5)改善内容の評価

※実現可能性および定量的評価が重要

①実現可能性

どれも具体的に実現可能性のある方法

②    時間軸や定量的指標など、ゴール設定についてお題になかったため、改善策の評価は無し

⇒今回は、(4-a)(4-b)改善内容の立案が着地イメージとなり、MECEの概念を抑えた構造化が出来るかどうかがポイントとなります。

5. まとめ

冒頭でも話しましたが、ケース問題については、「基本体系」と「解答における思考プロセスの5ステップ」を理解しておくことで、解答のステップで迷うことが無くなります。

ケース問題については、構造化が肝となってきますので、その切り口が即座に思い浮かぶように、ビジネスフレームワークに対する理解が重要となってきます。

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