新卒人事に赤裸々に聞くシリーズ「質問はメールで聞いてもいい。休暇のことも、なんなら不合格理由も。」あじゅまるさん(11/n)
あじゅまるさんプロフィール
メーカーの人事。新卒の採用も担当。自動車メーカーの営業から転職した経験を持つ。
あじゅまるさんnote:あじゅまる|note
休暇制度の利用実態の確認は「%」と「実績数」まできちんと把握しておくこと
『そうですね。で、特に制度関連は「こういう制度あります!」って%表記と実績は別物って捉えるのが良いと思います。
国が必ず設けてくださいっていうものでない制度で、例えば「アニバーサリー休暇あります(誕生日休暇や記念日休暇など)」みたいなことだったら、その制度を導入している企業は意外と少なかったりするので、「こういう制度ありますか?」って聞き方は有効かもしれないです。
ですが、普通に「うちは産休・育休あります!」とか言われたら「いや、それなかったらアウトだろ…。」みたいな話になってくるんで、取得率の実績でまず確認していくのが大切です。
たまに制度はあるけど実績はないって超絶ブラックなパターンもあって、「産休・育休」は制度として導入してるけど、実態として取得実績は全くなくて結婚した時点や妊娠が分かった時点で退職を迫られるケースもあります。
その場合は完全に違法なんで裁判すれば勝てるんですが、「裁判をするまで揉めた会社で働きたいですか?」って話になるので、基本的には泣き寝入りで退職した人も見てきました。
なので僕は学生に「ホームページよく見ろ!」って強めに言うんですけど、福利厚生などが紹介されているページに制度が記載されていると思うので、実績数と率:%が書いてあるか確かめてほしいんです。だいたい載ってるはずなんで。
実績数が載っていればうれしいですが、「制度あります」だけで、%表記がない場合はかなり怪しむべきで、実績数が書いてなかったらちょっと怪しいって感じですね。』
ーあ、パーセンテージが書いてあるからオッケーじゃないんですね。
『そうなんですよ。実績数、パーセントの両方が載ってるんだったら安心です。その母数がわからない中で「50%です」とか言われても当てにはならないっていう。』
ーあー、確かにそこまでチェックして初めて実態が分かるんですね。
『そうなんですよ。なので、質問の時とかにも「ホームページ見た」といえばいいと思うんですよね。「御社のホームページに『○○の取得率が何%です』って書いてあったんですけど、実数としてどのぐらい利用されてる人がいらっしゃるんですか?」って聞いたら「社員数が500人いて、確か○○制度を取得しているのは150人ぐらいだから30%かな」っていう回答がもらえたらいいですね。
さらに「その制度を利用できる人は単身赴任者のみなので、全社員500人で計算すると30%だけど、単身赴任者の数170人なので、本来の取得率は88%ですね」ぐらい具体的な理由を回答してもらえたら最高だと思います。
でも「うちの会社9人で3人かな」とか言われたら、「私その3人に入れるかな?」みたいなことになるわけじゃないですか。』
就活生から企業に質問できる適切なタイミング
ー確かにちょっとモヤっとしますよね。たしかにそういう話を聞けるのは、基本的には座談会とか説明会の時かなと思います。OB訪問とかでもある程度時間が経って話が深くなってきたら聞けるみたいな感じですか?
『座談会やOB訪問みたいな場でもいいですし、その企業の何かしらのイベントに参加した関係性なら、メールで質問とかでもいいと思うんですよね。
「この前はOB訪問に参加させてもらってありがとうございました。貴社のことが気になってて、ホームページで見てて。この辺って実際はどうですか?」とかってメール投げてもいいと思うんですよね。』
ーメールってしていいんですね。
『全然いいと思いますよ。』
ーOB訪問で来た人はその社員にメールを送ればいいと思うんですけど、説明会に参加しただけとかでもメール送っていいんですかね?
『あ、全然いいですよ。』
ーあ、そうなんですね。メールで聞けるんだったら、結構いろいろ幅が広がるな。
『なので、「貴社のエントリーシートを出させていただくにあたって、ちょっと○○について確認しておきたいんですけど~」とか。』
ーやっていいんだ、そういうのって。
『全然いいと思います。』
実際就活生は人事に質問メールは来るのか
ー実際就活生から質問のメールって来るんですか?
『あまりメールで質問が来ることはないんですけど、「やっていいよ」と僕らが就活生に言ってたら意外とメールや企業SNSのメッセージなんかで質問してきてくれますね。』
ーあ、そうなんですね。
『はい、これは企業がそういったスタンスを広げているかどうかだと思うんですけど、就活生は普通にやればいいと思うっていう感じですね。
軽く質問を投げかけてみて、その対応してくれるか、してくれないかで、企業のことも見えてきますよね。手厚いか雑かで、入社後に自分をフォローしてくれるのかなとかって部分の手厚さ・雑さが一緒に垣間見えるっていう部分でもあるかもしれませんね。』
ーやってみれば色々いい事あるねっていう感じですね。
選考の不合格理由もメールしてみよう
『そうですね。
それで言うとですけど、例えば不合格になった時に、「なんで私見送りなんですか?」っていうのを改めてもう1回投げかけてみたら意外と返ってくるとかありますよ。』
ーそういうのっていろんな会社が「選考結果の理由に関しては一切質問を受け付けません」って書いてあったりするじゃないですか。
『たしかに一律一斉で「お答えできません」ってテンプレートは送ってると思います。全員に手厚くする余裕はないと思うんで、企業側視点では工数削減としてテンプレ返信はマストですね。
企業としては「そう書いておけば意見してくる人はいないだろう」と思ってるんですよ。けど、それでもやってくる人って何かしらなんか熱量があるのかもしれないじゃないですか。
これ企業によると思うんですけど、「僕らは見送りにしたけど、何か送ってきたぞ。もう1回やってみるか(会ってみるか)」って思ったりするんですよね。』
ーそういうのってあるんですね。
次回へ続く。