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青年海外協力隊には行った方がいいのか?「正解がない」に落ち着かざるを得ない?

国際協力におけるキャリアを積むために青年海外協力隊は行った方がいいのかはっきりとしたことは言えません。国際協力業界にいる人のキャリアは今でこそ本当に十人十色で、最近は沢山の人が口を揃えていうことかもしれませんが、正解はないと思っています。私は協力隊員ではないので、協力隊に行かないと駄目とうわけではありません。一方で、私が在籍するNGOでは協力隊経験者が多くおり、みなさん最前線で活躍されている方ばかりです。

私は、協力隊はキャリアを積むのに良い手段なのかという話題で、社会人経験を積めないからオススメはできず、NGOや国際機関に就職したいのであれば社会人経験を積む方が良いという話を昔聞いたことがありました。しかし、私が知る限り、協力隊員の方で、一般企業で働いた経験がある方しかいません。学校卒業後、海外協力隊のみ経験し国際協力一直線の人はほとんどいないのではないでしょうか。そう考えると、海外協力隊をやっておくのは良いことと言えると思います。なぜなら、途上国で2年間も担当分野で活動する経験を積むことができるからです。その間得られるものは、知識、人脈、行動力、フィールドでの実践から得られる成功と失敗の経験など、今後NGOや国際機関で働きたい人にとっては役に立つことが多いでしょう。なので、一般企業で働く経験も積み協力隊をやることは有効だと思います。

では「社会人」でしか得られないものは何なのでしょうか。正直、一般企業でしか得られない一般的なスキルは思い浮かびませんでした。しかし、確実に身になるものはその一般企業がいる分野に関する知識・スキルでしょう。船会社で働けば、船の世界について学べます。食品メーカーであれば、食品業界に詳しくなるでしょう。建築会社であれば建築に関することに詳しくなるでしょう。看護師として働けば医療、保健なんかに詳しくなるでしょう。ざっくりとしたカテゴリーですが、業界にいるかいないかで一定レベルの専門知識は、職人でなくとも深まるものです。なので、社会人経験を国際協力キャリアに最大限に活かしたいのであれば、これが直接的に関係するキャリアにつなげることでしょう。

しかし、直接的に関係しなければ無駄な時間になってしまうわけでもないはずです。ただ、どう役になつのかは総じて論じることはできないと思います。例えば、一見関係なさそうな職である船乗りをやってから、途上国の開発業界に身を置きたいとします。ここで船乗りの経験がどう役に立つのか、紐付けて説得をするのは本人の考え方や目の付け所次第です。

また、経験の質の違いという観点では、一般企業での経験は勝るかもしれません。なぜなら、常に教えてくれる人がいるからです。これは特に日本企業に言えることかもしれません。間違ったことや失敗をするとそれを見た先輩、上司が指導をする強い文化が一般企業にはあります。それに対し、協力隊は単身でフィールドに送り込まれるので、ある意味自由で、やりたいことを思いっきりやることができると思いますが、組織の中で自分を制御し導いてくれるメンター(というと綺麗に聞こえてしまうかもしれませんが)的な人がいません。そういう意味では、前者は見識をより深めることができスキルを磨くことがしやすい環境になるわけです。つまり、一般企業に身を置けば船の専門家になれても、協力隊に行って途上国開発の専門家になれるかは疑問だということです。もちろん、専門家の基準をどこにおくかによって、2年やそこらで船の専門家にはなれないといえますが、この場合は全く船の世界を知らない人と、実際に船に乗って2年間仕事をした人を比較すれば経験・スキル・知識量の差は圧倒的にできるという意味です。

と、ここまで書きましたが、協力隊で同じことは言えないのでしょうか。確かに、協力隊員として派遣されるのと、日本の一般企業という組織の中で働くのとは違うことが多そうです。しかし、本当に得られる経験・スキル・知識量は劣るのか、協力隊員ではない私には言い切ることができません。そもそも協力隊で得られる経験・スキル・知識を一般企業で得られる「専門性」というベクトルで比較することが適切なのかも疑問が残ります。結局、実践的な話をすると、スティーブ・ジョブズのスピーチの「線と線は繋がる」精神ではありませんが、とりあえず自分を信じて進んでみるのがいいという話になり、「正解はない」という結論に落ち着かざるを得なくなってしまうかなと思います。

読者様。ここまで読んでくださりありがとうございました!意見・考えがあれば、ぜひ知りたいです。


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