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英語を身につけたければ、多角度から継続的に。

最近、日本人の友人と英語の勉強の仕方について話すことが増えました。私が今の仕事をするようになってから英語を話す人、と認識されやすくなったからかもしれません。

私が本格的に英語を勉強し始めたのは、大学に入ってからです。英語の授業があり、英語以外喋ることが授業中、禁止されていました。将来的に英語を使って仕事をしたいという思いははっきりしていたので、一所懸命頑張っていました。しかし、帰国子女でない私は英語を話すことが全く得意ではなく、英検2級か準2級ほど(どっちだったか忘れてしまいました)の実力しかなかったので、しょっちゅう授業では悔しい思いをすることがありました。目的意識があったので、悔しい思いをバネにすることができたのはよかったなと思います。

英語の授業は週に2コマだけだったと思います。それだけでは足りないと感じた私は、より英語を話す環境を求めるようになりました。ちょうど友達に外国人がたくさん集まるチャーチが横浜で毎週あると教えてもらいました。キリスト教徒である必要はなく、誰でもウェルカムなコミュニティということで、友達は行ったことがあり、楽しかったらしいので、行くことにしました。それ以降、毎週遊びに行ったわけではありませんでしたが、時間ができては足を運ぶようになり、そこでできた友達と会話を楽しんだり食事をするようになりました。カジュアルな日常会話レベルの英語力がそこで鍛えられました。

さらに大学中に英語力を伸ばす契機となったのが留学準備です。具体的にいうとTOELF対策です。私がいた大学には協定留学制度があり、それに選ばれるためにはTOEFLの点数を一定以上取る必要がありました。そのために、大学で行われていたTOEFL講座を受け、本格的に対策をするようになりました。講座の先生は英語力の伸ばし方を熟知されていた方で、ここでも英語力が伸びたように思います。ここではより「アカデミック寄り」の英語を初めて学びました。ここで付け加えておきたいのがアカデミック英語とは違う、ということです。別稿でも記しましたが、アカデミック英語はさまざまなルールや規則、構造に従って、議論を組み立て、結論づける英語圏の学問の世界で使わなければならない英語力と言えると思います。(専門家でないので私の偏見で定義づけしています。)一方で、TOEFL英語は、「大学生としてやっていける英語力があるか」を試される試験といえると思います。どういうことかというと、試験内容は宇宙、地理、歴史、生物などについての専門用語がたくさん出てくるリーディング問題を回答したり、学生が課題について教授に相談する録音を聴いてから設問に答えるリスニング問題があったり、大学の方針についての学生の会話を聴いた後、それを自分なりの意見を交えて話すスピーキング問題などがあります。そういう意味でTOEFL英語は一種の実用的な英語力を伸ばすのに役立ったと思います。

この講座の先生は必須の英語の授業の担当でもあり他にも英語の勉強の仕方を教わりました。その一つが同じ音声を何度も何度も聞き返すことです。先生が教えてくださった音声は3つありました。紹介します。

一つ目がSteve Jobsの有名な「Stay foolish, stay hungry」スピーチです。

2つ目がRandy Pauschという大学の教授がしたLast Lectureと呼ばれる大学での講義です。

3つ目はスピーチではなく、Everybody's Free To Wear Sunscreenという曲です。これらは全てやる気を出してくれるような内容になっており聴くとポジティブになれます。Last speechはとても長く当時の私の英語レベルでは一番難易度が高かったので、試聴回数は少なかったですが、1つ目と3つ目は通学中にWALKMANで毎日聴いていたのを覚えています。ただただ受動的に英語を聞き流すだけではそこまで効率的に英語が身につきはしないかもしれません。しかし、気分を上げてくれたり、楽しめる英語のコンテンツは英語をとても身近なものにしてくれます。

他にも先生は、シャドーリーディングを教えてくれました。これは、英語の動画、映画、ドラマを英語のサブタイトル付きで観、台詞が発声される0.5秒くらい遅れたタイミングで自分も同じように台詞を音読する、というものです。日本語と英語の発声は、使う筋肉が違うので、ネイティブスピーカーの音を耳で聴いた瞬間に口から出すことで発音を真似し、身体で覚えたり、英語の滑らかなリズム感に慣れさせます。一人でいる時しかなかなかできませんが、喜怒哀楽も真似するので、生きている英語に触れている感じがして楽しいです。

他にも、私は、アメリカからの学生と友達になったのですが、とても有難い時間でした。私がいた大学は上記の通り協定留学制度があり、毎年交換留学生としてアメリカのカリフォルニア州立大学から学生が10名ほど来ていました。彼らのお世話役として大学はバディ制度を持っていて、私は他の日本人学生の友達と一緒にバディとして活動しました。活動といっても、一緒にどこかに出かけたり、遊び相手になることが主で特に負担もなく今でも連絡を取り合ったりするくらい仲が良くなったのでとても楽しかったです。こうして英語を話す友達と遊ぶことはただの日常会話が上達するだけでなく、日本の文化、場所、言語などを説明する機会がたくさんあり、日本人同士ではなかなか説明することがない話題を、英語で外国人に分かりやすく説明しなければならない場面がたくさんあり、学びが多かったです。英語学習だけの問題だけでなく、異文化交流の観点からもとても有意義な時間となりました。

次に英語が上達した大きな機会となったのが、協定留学でした。大学3年生から4年生にかけてカリフォルニア州立大学のサンタクルーズ校というところで1学年分大学生をしました。いうまでもなくそこでの生活は全て英語、話そうが、読もうが、聞こうが、見ようが、何もかも英語しかない世界です。環境が変わることの力をとても感じました。しかし、気をつけないといけないのが留学中の過ごし方です。いくらアメリカといえども日本語や日本人と触れ合うことは不可能ではありません。他の日本人留学生がいる場合は仲間意識が芽生えやすくとても居心地がいいため結局日本語ばかり話しているかもしれません。ジャパニーズソサエティなるものもあるでしょう。そこの部員になる日本人留学生もたくさんいます。気分転換で日本のアニメやドラマ、日本人ユーチューバーの動画を見たくなるかもしれません。ニュースは日本語で読んでいるかもしれません。あなたのスマホは日本語設定のままかもしれません。私はどっぷり浸かりたかったので、徹底的に日本人であることを忘れるような生活を心がけるようにしていました。授業について行くのも現地学生の数倍大変なので、言語に関しては1秒1秒を大事にして少しでも英語を自分のものにする工夫をしました。どっぷり浸かることによって得られる英語力、これは現地でしか得られません。

ここまでくると英語の能力は大学一年生の頃と比べて格段に向上しました。それからというもの、新卒で入った会社から英語を活かすことができたり、イギリスの大学院では、アメリカ留学の経験のおかげで小慣れていたので、有意義な時間を過ごすことができました。こうやって磨いてきた英語能力は、現在の仕事でも大いに役立っています。

私がやってきた英語の身につけ方をざっくりと綴りました。英語能力を向上させたい人のヒントに少しでもなれば幸いです。今すぐ真似できることとそうでないことがあると思いますが、英語能力を身につける上で大事なのは、教材1つで攻めるのではなく、いくつものツールを持って多角度に、かつ継続的に触れ続けることだと思います。そうしていくうちに新しい世界への扉が少しづつ開かれていくイメージです。読んでいただき有難うございました。

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