【Mr.Bike復刻】みやもと春九堂通信 vol.07

 インターネットライフに欠かせないものとして「検索エンジン」というものがある。誰もが一度は使ったことがあると思うが、調べたい物事に関連するキーワードを入力し、検索ボタンを押すと、広大なインターネットの世界から、そのキーワードを含んだ文章やサイトへのリンクが表示されるというシロモノだ。

 また、サイト運営側では、どこのどんなサイトやページから自サイトへアクセスしているのかを調べられる「アクセス解析」というシステムを導入する事が出来る。

 そして、このシステムによって、どこの検索サイトから、またどんなキーワードの検索結果から自サイトへアクセスされたのかということを調べることが出来るのだ。

 さて、話は変わって先日の事。友人の女性が変質者に遭遇したという話を聞いた。白昼の電車内での事。友人の正面座席にスポーツ新聞をバーンと広げて座った中年男性のバーンと広げた両足の間に、興奮状態のスッポンがポロリンチョというか仁王立ちというか、首を伸ばして彼女を威嚇していたというのだ。いわゆる露出系の変態である。

 友人は気分が悪くなり、大至急車両から退避しつつ駅員に報せたとの事だが、なんとも呆れるやら、同じ男性として恥ずかしいやらである。

 ぼくは女性相手のあらゆる性犯罪や暴力行為を許せない人間だ。生物としての単純な身体能力において女性は男性に比べて弱い。その力を持ってして女性に乱暴をはたらくなど言語道断。しかも性犯罪者の再犯率は極めて高いのが特徴というから始末に負えない。性犯罪で逮捕された連中は一生塀から出さないか、二度と性的暴力を行わないように去勢してしまえとさえ思う。

 今回の件は汚いモノを見せられただけで、友人自身は無事だったものの、その場に居合わせたら、僕は何をしでかすか自分でもわからない。とりあえずタマの三つや四つは潰すだろう(そんなにない)。

 以前も友人とそんな話をしていたのだが、いくらなんでも去勢は人道的にダメだろうと言う友人に対して、ぼくは

「去勢がダメなら、局部を額に移植でもすればいいのだ。そうすれば一発でそいつが性犯罪者だとわかるし、興奮状態になったのもすぐわかる。なーに、臓器移植より性器移植の方が漢字の総画数も少ないし、我が国の科学力を持ってすれば不可能ではなかろう!」

 などと、底抜けにバカなことを言ったりした。

 もちろん「画数が少ないからといって出来るもんじゃないだろう」と情け容赦ないツッコミを受けたのだが、その会話をコント仕立てにして自サイトで公開したところ、意外にも好評を博し、読者から様々なメールを受け取ったのだから世の中わからない。

 さて、ここで話は検索エンジンとアクセス解析に戻る。ぼくのサイトにもアクセス解析は導入されており、検索エンジンからのキーワードを週毎に集計している。

 ぼくのサイトは雑多な文章が大量に掲載されている為、様々なキーワードの検索結果から訪問してくる人々がいるのだが、それでも最も多いのは『じーらぼ』という自サイトの名称をキーワードにした検索結果からの訪問者だ。

 しかし毎週一度は必ず“あるキーワード”の検索結果から訪れる人々がいる。
 そのキーワードとは『額にちんちん移植』。いや、硬派なバイク雑誌の誌面に、とんでもない文字列を並べてしまったが、本当に本当なのだ。

 ぼく自身も複数の検索エンジンで調べてみたのだが、確かに検索結果に出る。しかも、ぼくのサイトだけが。

 つまりオンリーワンでナンバーワンなのである。英語なら定冠詞のTHEが付いてしまう。いわば“THE 額にちんちん移植サイト”だ。いや、そんな称号はいらない。心底いらない。実に勘弁して欲しい。

 検索結果に表示されるのは、例の友人との会話を元にしたコントなのだが、まさかこんなことになるとは。今になって激しく後悔している次第だ。

 ちなみに、額への性器移植が成功したというニュースは、今のところ聞いたことがない。

 何処の誰かも知らないが、件の情報を検索した人達は、求める情報に辿り着けたのだろうかと、遠くを見つめて物思う、そんな春の夜だった。

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