【Mr.Bike復刻】みやもと春九堂通信 vol.03

 皆さま、あけましておめでとうございます。本年もますますデブデブしく精進してまいりますので、よろしく御贔屓に。といっても、これを書いているのは、師走真っ盛りなんですけどね。


 さて、話は変わって、突然だが、ぼくは怒っている。ものすごく怒っているのだ。

 皆さんはSPAMメールというものを御存知だろうか。やら「無差別広告メール」ともいい「見知らぬ相手から、無差別に送りつけられる広告メール」のことだ。内容は出会い系サイトなどのアダルト広告で、携帯電話にも多数着信するようになったことから、社会問題にまで発展した。

 一応「件名に『未承諾広告』と書くこと」という法律があり、その語句を含むメールを受信拒否するなどの対策が出来るのだが、そんな法律を律儀に守っている業者など、ほとんどいないのが現実だ。

「未承認」などの類義語に変えてあるのは、まだかわいい方で、「宛先ミスでしたら申し訳ありません」などと確信犯的に会員向け風のメールを送りつけてくる業者もいる。

 そして僕のパソコンには、多い日には百通以上の迷惑メールが届く。自サイトでメールアドレスを公開しているからだろう。というわけで、ぼくは、こうした迷惑メールを徹底的に排除すべく、迷惑メールに含まれる語句を思いつく限り登録して、自動的に削除するように設定している。

 エロ・裏DVD・出会い・素人・人妻・女子高生・淫乱…列挙するだけでも思わずエキサイト…ではなく、頭痛がしてくるようなラインナップだ。いや本当に興奮とかしてないって。信じようよ。信じる心は大切ですよ。うん。

 それはさておき、こうして大概の迷惑メールは自動的に削除されるようになったのだが、業者も考えるもので、最近では「こないだの金返せよ」「今日暇すか?」「返事…待ってます」など、友達からの私信のような件名で送りつけてくるようになったのだ。

 これでは当然フィルターにはひっかからないし、ついついメールを開いてしまう。するとそこには件名にからめた文面で、出会い系サイトやらアダルトサイトやらへのリンクが記載されているのだ。

 さらに「こちら(女性)が金を出すので、身体だけの付き合いをして欲しい」なんていう過激なモノまである。具体的な金額まで書いてあったりと生々しいのだが、当然これも広告。返信しようものなら「ここ(出会い系サイト)で具体的な話をしましょう」なんて返事が来る。こういう新手の勧誘方法もあるのだ。

 ぼくの激怒の対象は、もちろんこうした迷惑メールの存在自体もだが、こうした「広告メールがばらまかれる=需要がある」という現実に対しても怒りを禁じ得ないのだ。

 しかも年末が近づいている現在、こうした勧誘・広告メールには「イヴを一緒に」とか「一緒に新年を」とか「性夜」だとか「姫はじめ」だとか、この師走の時期の下半身やスケベ心を直撃するような文句が羅列される傾向が見て取れる。先日など「寂しいクリスマスはイヤ……」なんていう件名の広告メールが届き、開いてみると「寂しい人はココに集合!」と出会い系サイトにリンクされていた。実に大きなお世話である。

「広告メールごときにそんな事いわれる筋合いなぞないわ! クリスマスを一人きりで過ごしてなにが悪い! お前らそんなに女と過ごしたいのか! ぼくも過ごしたい! どいつもこいつも頭ん中ソレばっかりか!」と、一部本音を交えつつ怒鳴りつけたくもなるというものではないか。

 そんなわけで、ぼくは今、猛烈に怒っている。これは決して、寂しさの裏返しや、八つ当たりなどではない。違法な広告メールを送りつけ、あまつさえ不当な手段でそれを読ませようとする迷惑メール業者に対する、実に社会的な義憤である。……ほ、ほんとだよ? ウソじゃないよ?

 ちなみに、こうして宣伝されている出会い系サイトというヤツの大半は、バイトのサクラ達がメールを書いている。むさくるしい男性バイトが「○○さんに会いたいナ…」なんて書いていることも多い。やらずぼったくりなのだ。

 世の中都合のいい出会いなんか、そう簡単にはないのだ。皆さんも十分ご注意を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?