ウォーリーは隠れたいねん。

「あれ、隠れ場所あらへんわ・・・」

ウォーリーは隠れたいねん。

でも、どこにも人影がないねん。

通勤時間帯満員のはず小田急線にも。渋谷のスクランブル交差点にも。新宿の歌舞伎町にも。

緊急事態宣言のさなか、ウォーリーは失職したねんな。

「ウォーリーをさがせ!」一筋45年。

あと2年で定年間近やねん。

人混みに隠れるのだけが唯一の取り柄やねん。

人がいないことには続けられない仕事やねん。

誰が悪いわけでもないねん。だからこそ、鬱憤は積もるばかりやねん。

「コロナに対する怨念が、ここにおんねん。」

これが言いたかっただけですねん。

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