『言葉にすれば「悩み」が消える言語化の魔力』 



今回は、樺沢 紫苑先生の著書『言葉にすれば「悩み」が消える言語化の魔力』を紹介します。

本書は、私たちが日々抱えている悩みを減らしてくれる一冊。


この記事では、本書の中から悩みの解決に役立つ内容をピックアップし、以下の順で紹介していきます。

■悩みについての前提知識

■ノウハウ①:悩みは少しずつ解消する

■ノウハウ②:悩みがあることには2つのメリットがある

■ノウハウ③:悩みが激減する3つの言葉



悩みについての前提知識


まず初めに、悩みについての前提知識を紹介します。

本書では、悩みを抱えている人といない人の違いは、「悩みを自分で解決できるか否かである」と紹介されています。


これは、著者が調査した以下の2つのデータから分かったもの。

・現代人の4分の3は、悩みを抱えている(4分の1は悩みを抱えていない)

・「あなたは自分の悩みを解決できますか」という質問で、解決できないが77.4%(約4分の3)、解決できるが22.6%(約4分の1)であった


上のデータから、悩みを抱えていない人(4分の1)は、自分だけで悩みを解決できる人(22.6%)だということが分かります。

つまり、悩みを抱えないためには、その悩みの解決方法を知っておく必要があるのです。


これを踏まえ、以下では悩みを解決するための具体的なノウハウを3つ紹介していきます。



ノウハウ①:悩みは少しずつ解消する


最初のノウハウは、「悩みは少しずつ解消する」です。

悩みを抱えた際に、根本的に原因を解決しようとすることがあると思います。

しかし、悩みの根本的な原因はいくら考えても解決できず、解決しようとするのは無駄であると著者は言います。


この状況で、取るべき具体的な行動が、悩みを少しずつ解消すること。

つまり、自分に今できる対策をコツコツ進めていくのです。


例えば、「職場で上司との人間関係が上手くいかない」という悩みがあったとします。

そのような時、「自分が退職する」というように、根本的な原因を解決しようとするのではなく、以下のような対策をコツコツと進めてみましょう。

・報告、連絡、相談を増やし、上司とのコミュニケーションを改善する

・上司以外の部下や同僚と仲良くする

・仕事以外で楽しい経験を増やす


このように、悩みを根本から解決しようとするのではなく、自分のできる範囲からコツコツと解消していくように意識することが大切です。



ノウハウ②:悩みがあることには2つのメリットがある


続いてのノウハウは、「悩みがあることには2つのメリットがある」です。

悩みは、ネガティブなものとして捉えてしまいがちですが、実は悩むことによるメリットもあり、具体的には以下の2つです。

①悩みは人生のスパイス

②心の筋力トレーニングになる


①悩みは人生のスパイス

悩みがあることのメリット1つ目は、「悩みは人生のスパイス」ということです。

もし仮に、私たちの悩みが全くなくなったらと考えてみてください。

それはそれで、味気ない人生になりますよね。


例えば、以下のような状況は、仕事で悩みを抱えているからこそ起こりうるものだと思います。

・仕事終わりのビールが美味しい

・休日は開放感がある


そのため、悩みは「人生にメリハリをつけてくれるスパイス」と考えると、悩みとの付き合い方も変わってくるはずです。


②心の筋力トレーニングになる

悩みがあることのメリット2つ目は、「心の筋力トレーニングになる」ことです。

筋肉を鍛えるためには、キツさや辛さを伴いますよね。

これと同じように、悩みによるキツさや辛さを経験するほど、自分の心は鍛えられます。


悩みは確かに辛いもの。

しかし、その辛さを一度経験することにより、以後に同じような辛いことがあっても、耐えたり、乗り越えたりすることができるのです。


これを知っておくだけでも、悩みに対してネガティブにならずに済むはずです。



ノウハウ③:悩みが激減する3つの言葉


最後のノウハウとして、悩みが激減する言葉を紹介します。

具体的には、以下の3つです。

①なんとかなるさ

②できる

③やれることをやれる範囲でやっていく


①なんとかなるさ

1つ目は、「何とかなるさ」です。

例えば、大事な仕事の締切が迫っているときって焦りますよね。

このような場面で、「なんとかなるさ」を口に出すと、落ち着きを取り戻すことができます。


これは、精神論ではなく、しっかりとした科学的な根拠もあります。

人は危険を察知すると、脳の扁桃体という部分が興奮し、危険だと警告します。

先ほどの「仕事が間に合わない状態」は、まさに危険な状態であり、扁桃体が興奮状態にあります。


この扁桃体の興奮状態を抑制するのが、脳の前頭前野という部分。

より具体的には、前頭前野から扁桃体に言語情報(なんとかなるさ)が流れることで、興奮状態を抑えることができるのです。


日常で悩みにつながりそうな焦りなどを感じたときは、「なんとかなるさ」と言葉に出すことを心がけましょう。


②できる

2つ目は、「できる」です。

例え直感では無理だと思っていても、「できる」と口に出すことは大切です。

なぜなら、私たちの脳は、一度でも「無理」と言葉にすると、もうそれ以上努力自体しなくなる仕組みだから。


そのため、何かに取り組む際は、「できる」と口にしてみましょう。


「できる」と口にすると同時に、うまくいった自分をイメージすることも効果的。

これを行うことで、脳にドーパミンという物質が分泌されます。

ドーパミンは、注意力・集中力・記憶力などをアップさせてくれるものです。


「できる」は、脳をマイナス思考からプラス思考に変化させる貴重な言葉です。


③やれることをやれる範囲でやっていく

3つ目は、「やれることをやれる範囲でやっていく」です。


私たちは、自分でやれる範囲が限られているのにも関わらず、高すぎる目標を掲げてしまうことがあります。

しかし、これは百害あって一利なし。


まずは、今の自分にやれる範囲を把握しましょう。

そして、把握した「やれること」に集中して取り組むことが大切です。



まとめ


最後に記事の内容をおさらいします。

この記事では、著書『言葉にすれば「悩み」が消える言語化の魔力』の中から、悩みの解決に役立つ内容をピックアップし、以下のとおり紹介しました。


■悩みについての前提知識

→悩みを抱えないためには、その悩みの解決方法を知っておく必要がある


■ノウハウ①:悩みは少しずつ解消する

→悩みを根本から解決しようとするのではなく、自分のできる範囲でコツコツと解消していくことが大切


■ノウハウ②:悩みがあることには2つのメリットがある

→悩むことにはメリットもあり、具体的には以下の2つである

①悩みは人生のスパイス

②心の筋力トレーニングになる


■ノウハウ③:悩みが激減する3つの言葉

→悩みが激減する言葉は、以下の3つである

①なんとかなるさ

②できる

③やれることをやれる範囲でやっていく


以上、悩みを抱えた際に、今回紹介した内容をぜひ実践してみてください。

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