マガジンのカバー画像

映画の時間

19
映画を観て導火線に火が付いた! 時に大きく話題が逸れてしまうことも……。
運営しているクリエイター

記事一覧

アートとタイパについて考えさせられたモノクロのハンガリー映画『ヴェルクマイスター…

今年の目標『月イチの劇場映画』達成のため(というわけでもないけれど)、復活したミニシアタ…

谷 俊彦
13日前
52

再開したミニシアターで観たドキュメンタリーは《病気だけでなく、社会まで診ている》…

今池のミニシアター・名古屋シネマテークが閉館されるという昨年夏、駆け込みで何度か行きまし…

谷 俊彦
1か月前
63

林海象のモノクロサイレント映画『夢みるように眠りたい』;情報が限られるほど想像の…

長く生きていると、自分の成果でもなんでもなく、たまたまその時その場所にいただけなのに、自…

谷 俊彦
2か月前
44

『原作者』のひとり言

改めて経緯をたどることはしませんが、『原作者』と『原作改変』をめぐって悲しいできごとがあ…

谷 俊彦
3か月前
133

《本性》を描く映画『プーチンより愛を込めて』が今年の個人的ベスト映画

今年はあまり新作映画を観ていないのですが、個人的ベスト映画といえばこれです: 『プーチン…

谷 俊彦
4か月前
61

映画「The Long Goodbye」を観て想い出す、日本のTVドラマ「探偵物語」と「傷だらけの…

レイモンド・チャンドラーの小説「ロング・グッドバイ」は村上春樹訳が出版されているらしい。…

谷 俊彦
10か月前
54

映画「少年と犬」はこれからの世界ではなく、既に…(ネタバレ最小限)

来月閉館予定の今池・シネマテークに出かける個人企画の第二弾です。第一弾は先週: 1975年公開のアメリカSF映画ですが、下記予告編冒頭に「緊急初公開」とあるのはどうやら、東西両陣営が持てる核兵器を撃ち合いわずか5日間で終わったという第4次世界大戦後の世界(西暦2024年という舞台設定)が、某独裁者が脅しをかけている現在とリンクしている、ということのようです。 ちなみに、第3次世界大戦は、1950年から1983年まで33年間ダラダラ続いたという。 ネタバレは最小限にとどめ

今振り返る価値があるかものドキュメンタリー映画「プーチンより愛を込めて」(ネタバ…

おそらく15年ぶりぐらいに、今池の名古屋シネマテークに行ってきました。来月には閉館になると…

谷 俊彦
11か月前
71

名古屋シネマテークで見たソクーロフ「太陽」(ネタバレほぼ無し)

ミニシアター愛を語るカニナさんの記事から、まもなく《名古屋シネマテーク》が閉館することを…

谷 俊彦
11か月前
39

《マクロな戦争》から《ミクロな ── ヒトとヒトの戦争》を抽出した傑作「Saving Pri…

邦題は「プライベート・ライアン」(何のこっちゃ)。 Uボートと同じく、「マクロな戦争」を描…

谷 俊彦
1年前
41

ミクロとマクロを重畳する名画「タイタニック」

「シン・タイタニック」の時代に今さら「タイタニック」かよ、と石を投げないでください。 昔…

谷 俊彦
1年前
53

「日常」に近い情景を描きながら「非・日常」に連れていってくれる、そして、《もう、…

2020年に亡くなった大林宣彦監督は、故郷を舞台にした尾道三部作(転校生、時をかける少女、さ…

谷 俊彦
1年前
51

とにかく凄まじい映画「愛を乞うひと」

これも、かなり以前の映画で恐縮ですが、人生でもっとも衝撃的だった作品のひとつです。 98年…

谷 俊彦
1年前
61

金と愛は、そんなにはっきり分離できるものではない;古くて古くない映画「Indecent Proposal」

これは1993年のロバート・レッドフォード主演映画(邦題:幸福の条件)を数年後に観て、社内の映画同好会ニュースレターに書いた記事です。 ネタバレがありますので、ご注意ください。 それにしても邦題がダサい。ダサい上に内容に合わない。 「Indecent」を「卑猥な」「いかがわしい」などと訳しにくいのはわかるが、ならば、 「悩ましき提案」ぐらいにすれば良かったのでは? ********** 金のない若い夫婦ダイアナ(デミ・ムーア)とデビッド(ウッディ・ハレルソン)が一発勝負を