見出し画像

御嶽山と木曽駒を仰ぐ;御嶽信仰、木曽川水源、中乗りさんなど

先週、恵那山&木曽谷にまつわる話題を書きました:

その際に悔やまれたのは、雪をいただいた御嶽山おんたけさんを撮り損ねたことです。
『嶽』を旧字体で書いたのは、『御嶽神社』がこちらを使っているため。

そこで(というわけでもないのですが)今週またまた恵那に行ってきました。
この日は雲一つない上天気で、風もなく、高原を歩くのにはこれ以上望めないほどの秋日和でした。

御嶽山です(遠目ですが)

御嶽は山岳信仰で知られ、長野県大滝村の御嶽おんたけ神社が本山となっています。
(全国にある御嶽みたけ神社とはまったく異なります)

御嶽山の特殊性は、標高3,067 mの高さだけでなく、独立峰であることで、この点、富士山と共通しています。

地図を見ると、立山連峰・乗鞍連峰から成る飛騨山脈からは少し離れた南に位置し、木曽山脈からは木曽谷を隔てた西側に位置していることがわかります。

飛騨山脈(北アルプス)から南に、木曽山脈(中央アルプス)から西に離れています(Google Mapsより)

なお、上の地図の左下、名古屋市の東に『御岳山』というのがありますが、これは標高なんと131 mという、日進市にある『岩崎御岳山』で、木曾の御嶽山から分霊した信仰の山で、御嶽神社もあります。
富士信仰が盛んになった江戸時代中期に、江戸各地に『富士塚』が作られ『富士講』が設けられたように、尾張と武蔵では御嶽山信仰が盛んであり、数多くの講ができたようです。

御嶽山は活火山で、2014年9月27日の噴火では、登山者らが火口付近で58名亡くなりました(行方不明は5人)。
なお、富士山も活火山で、大噴火の可能性があります。

この日は木曽山脈で人気の山、木曽駒ケ岳(たぶん)も見えました:

木曽駒ケ岳(たぶん)

木曽駒ケ岳はこの写真から見ると向こう側(伊那谷側)の駒ケ根からロープウェイで途中の『千畳敷カール』まで上がることができます。そこから、ではありますが、私も3回ほど登りました。

しかし、真冬に『千畳敷カール』まで上がった時にはシビレましたね……。

木曽谷を流れる木曽川は、流域の人たち、特に人口の多い名古屋市民にとって重要な水源です。名古屋の水道水は美味しいことで知られており、学生時代、東京から実家に帰ると、その味の差にいつも驚き、また、感謝したものです。

また、木曽谷は尾張藩にとって重要な木材資源の宝庫でした。木曽の『御用林』により、尾張藩の財政は豊かだったそうです。
長野県のソウルソングとも謂われる(?)『木曽節』の中に『御嶽さん』と並んで登場する『なかのりさん』は、材木を筏に組んで木曽川を尾張方面に下り運搬する人たち(特に、真ん中に乗る『中乗りさん』)を指す、という説が有力なようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?