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スキンヘッズが河原で抗争?

夏の間はとにかく暑くて河原の散歩コースにも出られず、山歩きからも遠ざかって、もっぱら室内施設で体を動かしていました。

だいぶ涼しくなったので、かつ、歩かないため基礎代謝量が低下しているのが体組成計でわかるので、涼しくなったこの10月中旬、かなり久しぶりに河原に出ました。

土手を渡ると、若い男性警官がひとり、太めの女性がひとり、こちらに背を向けて河原に設けられた自動車練習場の方向を見下ろしていました。

その方角には、20人ほどの男性が集まっていました。半数近くがスキンヘッドで、うち5,6人は鉄パイプのようなものを持っています。
なぜか、和服姿の女性がひとり。

……何が起こっている?

(ちょっとちょっと警察の人、こんな遠巻きに見てるだけでいいんですか?)
── しかし、この警官、『若見え』だけじゃなくって、なんだかひ弱そう。
(……だから、こんな遠くから見てるだけで、応援を待っているのかな……)
念のために女性に尋ねた。
「あれ、何ですか?」
すると、
「映画の撮影です」
── お、なるほど。
「ヤクザ映画ですか?」
「……まあ」
その間、警官はニヤニヤしている。
「あれ? この人、ホントの警官じゃないの?」
「違います」
この返答も女性からで、警官は質問に反応しない。
(出番を待ってるのかな……しかし、わざと弱っちい印象の役者を使うストーリーなんだろうか……)

そうこうするうちに10数人どうしが一触即発のにらみ合い状態になりました。

(おっとっと……本来の目的を果たさねば)
といつものコースを歩いて戻ってくると、どうやら休憩時間に入ったらしい撮影クルー。

先ほどの女性が、今度は警官役2人と一緒にいましたが、そこに別の女性がやって来て話し始めた ── 日本語ではない。
最初の女性に、
「なんていうタイトルの映画ですか?」
教えてくれたが、ネタばれになると申し訳ないのでここには書きません。
「中国の映画なんです」
「へえ……それなのに日本で撮影しているんですね」
「ええ、日本に来ている中国人留学生、という設定で……」
「……なるほど」

そういえば、半年ぐらい前のNHK『所さん!事件ですよ』で過酷な中国での受験戦争を逃れた若者が、日本の大学に大量に押し寄せており、それが『ガチ中華』ブームを呼んでいる、と報道していた。

留学生の数が増えれば、そうした若者を描いた映画のニーズも生じるのでしょう。

……それにしても、あの《抗争》はどういう設定なんだろうか? スキンヘッズは日本人ということ? それとも……?
想像がどんどん膨らんでいきます。
うーん……その映画が完成したら、観たくなってきた。

帰り道に想い出したのが、10年ほど前に香港の映画会社から私の原作小説を映画化したいという話。手付金もいくらかいただいたけれど、直後に起こった『雨傘運動』などが関係しているのだろう、結局実現しなかった。

……その映画も(実現していたら)観たかったな……。

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