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社会人になって一番聴いている音楽、平松愛理。

 僕は今まで他人と「音楽の趣味が合う」という経験をあまりしてきませんでした。小さい頃はYMOやミスチルや椎名林檎を中心に聴かされ、それ以降も時のトレンドとは一線を画した曲ばかりを好むようになり、「現代の若い男性」のベーシックな音楽趣味とは決して言えない遍歴を辿ってきました。社会人になってもそれは変わらず、今最も多く聴いている音楽が平松愛理です。

「部屋とYシャツと私」との出逢い

 平松愛理との最初の出逢いは中3の頃でした。当時の僕はRAG FAIRにハマっており、曲は勿論、彼らが行う音楽を利用した面白おかしいコントがとても好きでした。その過程で2004年にフジテレビ系列で放送されていた「おまたせ!!ラグ定食」という番組を知り、DVDを買って視聴していました。番組内で多くのコントが行われている中、そのうちの一つに「部屋とYシャツと私」を題材にしたものがありました。新婚の夫婦が、歌い出しの「お願いがあるのよ〜」から会話を始め、コントが展開されていきます。それが平松愛理の曲とのファーストコンタクトで、原曲を聴き始めました。「怖い歌」という評価が一定の割合を占めているこの曲ですが、僕は単純に「夫のために尽くす可愛らしいお嫁さんの歌」だという認識でいます。確かに「毒入りスープ」に代表されるような、少し不気味だったり愛し方が屈折しているように感じる歌詞もありますが。そこから僕は平松愛理というアーティストの存在を知りました。

社会人になって

 とはいえ、それからすぐに他の曲にのめり込むという事はありませんでした。本格的に曲を聴き始めたのは大学を卒業し、社会人になってからです。2019年に社会人2年目を迎え、仕事の酸いも甘いも経験して忙しい時期でした。その年の秋に自分のApple Musicを整理しようとライブラリを見ていたのですが、大学時代に何となく保存していた「部屋とYシャツと私」を見つけました。元々1990年代前半の音楽はとても好きだった為、それ以外の平松愛理の曲をいくつか聴いてみようと思いました。

 始めに聴いたのは「戻れない道」でした。心を落ち着かせることのできるイントロと、サビがF#augでハッとさせられ、Am7→ConDの進行でとても落ち着いて締められているのが印象的で、すぐに好きな曲の一つになりました。それからは他のアルバムも沢山漁り、日中は明るい曲、帰りが遅くなった夜はバラードやゆったりした曲を聴くようになりました。前者は一夜一代に夢見頃・Bye Bye Boyish・帰り道でチャオ・あなたに出逢えてよかった・一緒に遊ぼう・最後のフラッシュ・あくびがしたい・おしえて神様・君らしく等です。夜、疲れた体と共に聴いたのはModerato Heart・想い出のOld number・チュピタンサスの木・Crescent Moonshine・ごきげんよう・カラ元気・雨の日曜日・南町からなどです。仕事の都合上、昼間の明るい時間帯に帰宅することがあるため、そういった時にアップテンポの、あるゆるものへ向けた「喜び」を表現する曲を耳にしていました。一方で、夜、ビルや車の明かりを横目に聴くスローな曲も僕の心身に深く染み込みました。こういった音楽のサイクルは今も続いています。

 ほとんどの曲は僕の生まれる前に発表されたもので、何かの思い出と結びつくような懐かしさはありません。ただ、典型的な90年代特有のサウンドとメロディーは僕の音楽趣味にバチンとはまり、どことなく母性を感じる歌声と直情的な歌詞がスパイスになり、多くの曲に魅力を与えています。現在は彼女自身のTwitterも勿論フォローしていて、今後の活躍も陰ながら期待している所です。

 

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