上永 春倫

ありふれた社会人。 雑多に語ります。よろしくお願いします。 路線バス事務員を経て現在は…

上永 春倫

ありふれた社会人。 雑多に語ります。よろしくお願いします。 路線バス事務員を経て現在は中小企業の人事をやってます。 音楽/特撮/スポーツ/歴史/鉄道/旅行 note since 2020.8.25

最近の記事

1995年生まれは本当に「悪魔の世代」なのか?

 最近は殊更「Z世代」という言葉を見聞きします。今の若者を指す世代のくくり方ですが、かつてこれほどまでに「世代の名前」が使われて、他の世代と比較されたり特徴を説明されたり馬鹿にされたりしたことがあったでしょうか?特定の世代に名前を付けて区別する考え方は、団塊の世代・バブル世代・氷河期世代というように昔からありましたが、「Z世代」はテレビの番組名にも使われたりして見聞きする機会は圧倒的に多いと感じます。確かに彼らは物心がついた時からインターネットに触れ、中高生時代の主な情報源が

    • 社会人7年目から見る新卒

       今年も新卒の学生達が社会人になる季節がやって来ました。Twitterでは毎年のように、嘘か誠か分からない「ヤバい新卒」や「モンスター新人」の話が流れてきて、ネットニュース等でも働き手としての「若者の特徴」を紹介する記事がよく現れます。  思えば僕も大学を卒業して社会人になって、この4月で7年目を迎えます。社会人になって最初の1週間は恐らく人生で最も長い1週間でした(ちなみに4/1は日曜で休みでした)。怠惰な学生生活を続けていたので、朝早くに起き、日中働き、夜に帰る。気軽に

      • 路線バス車内で多かった忘れ物・珍しい忘れ物

         私は3年ほど路線バス会社の事務員として働きましたが、事務員の仕事の1つとして「乗客の忘れ物の処理」があります。バスはその日指定された運行をしますが、乗客は降りる時に忘れ物をする場合があります。運転士は随時車内をチェックをし、忘れ物があればそれを回収して、休憩時や退勤時に車庫に戻ったら営業所に預けます。事務員は1日で回収された忘れ物を紙の帳簿やExcelでリスト化し記録、物は保管されます。物自体にも回収されたバスの号車数、日付、時間帯、路線を記入した札を付けておきます。遺失物

        • バスの運行中に事故があったらどうなるのか ~路線バスの運行障害~

           地域住民の生活を支える路線バス。日本全国にその路線網が張り巡らされていますが、全てが定刻通り、トラブル無しで運行されている訳ではありません。一年中、多くの場所で走っている路線バスの中には、平常運転を妨げる様々な「運行障害」があるのです。 1. 予備の運転士という存在  運行障害には種類がいくつかありますが、それらの処理を語るのに欠かせない存在なのが、予備の運転士です。運転士はその名の通りバスの運転を仕事としていますが、緊急対応のために「待機」を仕事にする運転士がいます。

        1995年生まれは本当に「悪魔の世代」なのか?

          元路線バス事務員が教えるバス運転士の勤務体系

           「2024年問題」がメディアを中心に叫ばれて暫く経ちます。これを扱うニュースは必ずと言っていいほど、路線バスの減便や廃止、運転士の待遇向上等の話題に終始します。要するに、バス運転士の労働時間・拘束時間・休息時間に関する規制が改正され、運転士確保が難しくなって現状の運行形態の維持が厳しくなるという話です。この規制は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(いわゆる改善基準告示)と呼ばれ、バスやタクシーやトラックのドライバーの労働時間等の規制を定めた基準です。この問題をよ

          元路線バス事務員が教えるバス運転士の勤務体系

          カタールW杯はコロナ禍の現状を世界に伝えた

           2022年11月20日、2022 FIFAワールドカップがカタールで開幕しました。連日熱戦が繰り広げられており、視聴者数はオリンピックをも凌ぐと云われる通り、「世界共通の話題」として機能し、その人気ぶりは健在です。4年に1度のサッカーの祭典ですが、最近の世界的イベントには必ず憑いて回るものがあります。2020年から世界中で流行した新型コロナウイルスです。今秋に開催したカタールW杯は、コロナウイルスに対してどのように対応したのでしょうか。  コロナが世界的に蔓延したのは20

          カタールW杯はコロナ禍の現状を世界に伝えた

          26歳が綴る、2010年代のスマホ普及に関しての思い出

           スマートフォン、スマホが普及して早くも10年以上が経過しました。もはやスマホはインフラと言ってもいいくらいに人々の生活に定着し、必要不可欠な存在となっています。たった10年ほどでこれだけ拡散した訳ですが、逆に言えばそれ以前はスマホの認知度、普及の度合いはそれほど高くなかったことになります。1995年生まれとしてスマホの普及していく過程を非常にリアルに体感した僕が、自分の思い出を交えながら当時を様子を振り返ってみたいと思います。 iPhoneの登場 2007年6月29日、A

          26歳が綴る、2010年代のスマホ普及に関しての思い出

          社会人になって一番聴いている音楽、平松愛理。

           僕は今まで他人と「音楽の趣味が合う」という経験をあまりしてきませんでした。小さい頃はYMOやミスチルや椎名林檎を中心に聴かされ、それ以降も時のトレンドとは一線を画した曲ばかりを好むようになり、「現代の若い男性」のベーシックな音楽趣味とは決して言えない遍歴を辿ってきました。社会人になってもそれは変わらず、今最も多く聴いている音楽が平松愛理です。 「部屋とYシャツと私」との出逢い 平松愛理との最初の出逢いは中3の頃でした。当時の僕はRAG FAIRにハマっており、曲は勿論、彼

          社会人になって一番聴いている音楽、平松愛理。

          「結婚はまだ?」とか訊かれたり

            僕は今年で27歳になります。とある会社で正社員として働いており、気が付けば社会全体のカテゴリーで言えば立派な「大人」になりました。それと同時に周囲から「結婚」についてあれこれ質問されることが多くなりました。結婚だとか恋愛といった話題は自分にとっては複雑な物理の公式を眺めているような、とても難解な感覚に陥ってしまうのです。 大人になるまでの恋愛観 思えば自分は恋愛といったものに無縁な人生を過ごしてきました。初恋は幼稚園の同級生でしたが特に何もせず、小学生の頃も好きな女の子

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          勝手に研究 ASMR作品の歴史

           「ASMR」という言葉が世間一般に普及し出して久しくなりました。ASMR(Autonomous Sensory Meridian Responce)とは、音やそれに伴う視覚情報によって生じる反応や感覚のことを言い、動画投稿サイトに多数見受けられる、立体的な音響によって提供する耳をかく音や咀嚼音、その他物音などがそれに当たります。「ASMR」という言葉が使用され出したのは2015年頃からになりますが、それ以前から類似した動画や音声はインターネット上に見受けられ、その短くも興味

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          『新しい日常』という言葉の恐怖

           宣言が布告されると、ガスマスクが支給され、サイレンが鳴ったらかぶるようにと言われました。私はガスマスクをかぶり、赤ん坊用に支給されていた古い箱の中に娘のシルビアを入れて空気を入れ始めました。近所の人達はどうすればいいのかと思案顔でした。みんなガスマスクを付けたままでした。それは本当に異様な光景でした。 第二次世界大戦中のロンドン市民の手記より  新型コロナウイルスが世界中で猛威を奮い始めて早2年弱が経過した。日本国内では依然と比べて感染者数は減少し、緊急事態宣言も解除さ

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          『ウルトラセブン』で見る1960年代の鉄道

           『ウルトラセブン』は1967年から円谷プロ制作により1年間放送された特撮ヒーロー番組で、初代から数えてウルトラシリーズの第2作目にあたります。特撮ヒーローの中では国内でも知名度は高く、人生の中で何らかの形で『セブン』に触れた方は多いことでしょう。以前の記事で僕は『セブン』の魅力として「時代感の無さ」を指摘しましたが、同時に「時折見られる昭和の日本の情景」が織り込まれていることが素晴らしいと感じていることもこの記事でお話ししました。今回はその懐古的情景について「鉄道」という視

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          2021年 東京オリンピック訪問記

           東京都心へ足を運んだのはいつ以来だろうか。僕は今、横浜市内の自宅から電車を乗り継いで、湘南新宿ラインで東京へ向かっている。慣れ親しんだ横浜駅を出て多摩川を渡り、遠くに見える高層ビル群を横目に僕は東京都へ入った。西大井駅を過ぎると、閑静な住宅街から「都会の喧騒」の権化のような小綺麗なビルと駅舎が見えてくる。そんな品川駅を出発すると、オフィスと飲食店ばかりの似たような景色が流れていき、年齢も性別も出身地もバラバラな、数多の人々が歩いている。僕が大学時代に何度も見た、楽しくて汚く

          2021年 東京オリンピック訪問記

          杉本苑子「あすへの祈念」を2021年に読む

           二十年前のやはり十月、同じ競技場に私はいた。女子学生のひとりであった。出征してゆく学徒兵たちを秋雨のグラウンドに立って見送ったのである。場内のもようはまったく変わったが、トラックの大きさは変わらない。位置も二十年前と同じだという。オリンピック開会式の進行とダブって、出陣学徒壮行会の日の記憶が、いやおうなくよみがえってくるのを、私は押えることができなかった。天皇、皇后がご臨席になったロイヤルボックスのあたりには、東条英機首相が立って、敵米英を撃滅せよと、学徒兵たちを激励した。

          杉本苑子「あすへの祈念」を2021年に読む

          父の死を改めて振り返る

           2021年7月1日。この日は僕にとって、本当に僕だけにとって特別な日となりました。それを説明するにはあと2つの年月日を示さなくてはなりません。1つは1995年10月17日、僕の誕生日。もう1つは2008年8月23日、父の命日です。僕が中学1年の時の夏の終わりに、病気を患っていた父は長い闘病生活の末、横浜市内の病院で帰らぬ人となりました。始めにお書きした日付以降、僕の人生において、生まれてから父と過ごした日々よりも、父がいない日々の方が長くなったのです。その日を境に身体的、精

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          センター世界史98点だった僕が考える世界史勉強法

           「受験勉強」と聞いて良い気分がする人はあまりいません。いつの時代もどの教科においても「苦手な科目」「嫌いな科目」が存在するものです。その中でもよく「苦手」科目として声が上がるのが世界史です。今回は世界史に対して悩める受験生に向けて、僕が考え、実践していた世界史の成績が上がる勉強法を教えていきたいと思います。  ちなみにタイトルにあるセンター試験は現在は大学共通テストに置き換わっていますがご容赦下さい。本当は満点を取りたかったです。 1. 流れを覚える 始めに言うと、歴史の

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