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体験談 〜前十字靭帯(ACL)損傷〜

はじめまして。駿です。

記事を開いてくださる方は、友人でしょうか、それとも前十字靭帯(ACL)を損傷した仲間?でしょうか。ろくに本も読まない男が綴る稚拙な文章ですが、お付き合いください。

ACL損傷


2022年8月6日。
それはハンドボールの試合中で起きました。
コロナ禍で次々と試合が中止となった中、やっとの思いで漕ぎつけた舞台。
チーム作りに、自分の更なるスキルアップに没頭した2年半。
チームの勝利の場に立ち会いたい。同じコートで喜びを分かち合いたい。
そんな僕には、「開始10分負傷交代」というなんとも情けない結果が待っていました。

切り返しの際に膝が内側に入り、

「パキッ」

自分の中ではっきりと音が聞こえました。あ、これはまずいぞ。咄嗟にジャンプして味方にパスを出しながら、そう感じました。
会場にいた方々に運んでいただきながら、前十字靭帯損傷、半月板損傷、その他思いつく限りの疾患を考えました。

会場付近の救急外来に受診した際には大事には至ってないかも、と言われましたが、整形外科にてLachmanテスト陽性。前十字靭帯損傷の理学所見です(前十字靭帯損傷について、詳しくは下の埋め込みリンク参照)
わかりやすいように左右で比較していただきました。右ではコツッ、コツッと音が響くのに対し、左は何も響きません。


頭が真っ白になりました。

と書きたいところなのですが、全然真っ白ではありませんでした。いろんな事が全て中途半端にうごめいて、黒いモヤの上にたった一つ、「ACL」というワードが見やすく、乗っかっていました。

前十字靭帯損傷、全治9ヶ月。手術時に半月板損傷が著明であれば、もう少し長引くだろう。そう告げられた受傷2日後でした。

損傷時の感情

ACL断裂した方の多くが抱くであろう感情を考えてみてください。

「ちくしょう」
「なんで自分が」
「なんで今」
「あの接触さえなければ」
「あの場面でもっとこうしていれば」

といった感じでしょうか。皆さんにも是非、怪我したことを想定して考えていただきたいです。

少し想像できたでしょうか。
これを踏まえた上で、僕の感情を書きます。

「これがACLか」
「たしかに怪我しやすい状態だったのかもしれないな」
「オペいつやるのかな」
「来年試合出られるかな」

いかがでしょうか。
今思い返せば、今の自分に対する素直な感情が、そこにはありませんでした。しかもその時は、そのことに気づいてすらいませんでした。
先生とお話しした際にも、「やってしまいました、、」と口では言いながら、心ここにあらず。状況を飲み込もうと、聞き取った文字を頭に入れて、それっぽい言葉で返答するだけでした。

1本の電話

部員に報告し、ありがたいことに同期、後輩、マネージャー、多くの大切な人たちから、心配と激励の言葉をかけてもらいました。みんな本当にありがとう。

皆が心配してくれました。でも、そんな状況に至ってもまだ尚、自覚が乏しい自分がいました。

そんな時、ある友人から「少し話そう」とLINEが来ました。
彼は自分の学生生活で一番自分とスポーツの話が合う、いわば戦友のようなものです。
電話をかけて十数分、二人で酒を飲んで盛り上がる時の非じゃないくらいに、感情的になっている友人。自分の方がよっぽど冷静でした。

「やっぱ俺、あんまりまだ受け止めきれてないのかな」

と率直に思ったことを伝えると、

「正直、前十字切った本人とは思えない」

と返答がありました。

ハッとしました。ようやくここで気づいたのです。いかに自分が今回の怪我を受け止めきれていないか、”自分”と向き合えていないか。
高校の時、試合に負けた時に大泣きしたこの自分が、映画で感情移入すると涙が堪えきれないこの自分が、全治9ヶ月の怪我を負ったのに涙1つ流さないことの不自然さたるや。
このことに気づくまで、負傷してから3日が既に経過していました。

自分のことは自分が一番知っている、というのは当然かもしれませんが、自分が崩れかけた時に助けてくれる、気づいてくれるのが、自分を大切に思ってくれる人であり、自分が大切にすべき人なのだと思います。いい友を持ったと心の底から思います。今度飯奢るわ、って思ったけどまじで出費きつそうだから勘弁してください。

”自分”と向き合えない自分

時間はかかりましたが、ようやく、”自分”と向き合えない自分に気づくことができました。
気づいてから今日まで、どうしたら自分のことを理解できるか、この怪我を受け止めた時、自分はどうなるのか。沢山考えました。

この問いに対する答えは出ませんでした。ただわかったことは、どこかで感情を出す場を設けないと、自分の考えは一向にまとまらないこと、そして、まとめないといつか感情が爆発して自分がどうかなってしまいそうなことでした。

元々自分の感情を表出するのは得意ではありません。公式戦以外ではアグレッシブな一面はなかなか出ませんし、意見も最後は人に合わせるのが好きです。みんなが楽しんでいる、喜んでいるのを見るのがとにかく好きです。

でも、今回の怪我は自分自身の問題です。周りを見る余裕を持つためにも、自分自身の感情を整理して、解決しなければいけません。そこで今回ふと思い立って、感情整理の場として、noteを作成してみることにしました。

note作成にあたって

さて、そんなこんなで書き始めたnoteですが、気づいたら2000文字を突破していました。小学校の400文字作文の宿題でなかなか文章が書けず、悪戦苦闘していたのを懐かしく思います。

今後、このnoteには、自分の受傷してからの経過を書き記していけたらと思います。

受傷(今回のnote)→術前リハビリ→手術→術後リハビリ

といった流れになるでしょうか。
自分が実際に思ったことや感じたこと、感情整理のためにも活用していきたいと思います。
少しでも今回の受傷が今後の自分の成長の糧に、そして同じ怪我で不安を抱える人の支えになれば、嬉しいです。そのために発信を、自分なりに、頑張りすぎずに頑張っていきたいと思います。



先に言っておきますが、


僕は競技復帰します。


この足で、仲間のいるコートにもう一度戻りたい。

宣言しちゃったよ。はあ。
再断裂のリスク、いろいろ先生からも伺いましたが、逃げたくない。今はこれだけです。

やるか、やるか。

今思っている以上に険しい道のりだと思います。やってみないとわからない。でも逃げない。ACLを切って良かった、なんて言ったら気持ち悪がられるかもしれないけど、振り返った時にそう思えたら最高だと思いませんか。

そんなこんなで今回は自分の感情メインで長々と文章を書いてきましたが、次からは実際自分がやったこと、成果などを書いていけたらと思います。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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