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【他社戦略】独自資源は「みんな」で作るから独自となる!

水曜日なので今日のブログは【他社戦略】!

強みを支える独自資源
私のブログではよく書いているけど、これってどう作って行けばいいのだろう?

研究開発をして、他社がマネできないような技術を持つ!それも一つだろう。だけど、こういうやり方もあるんだよ。っと今日はそんなご紹介。

すかいらーくレストランツのしゃぶしゃぶ店「しゃぶ葉」で、新だしメニュー「博多豚骨だし」が人気だ。1月24日までの期間限定だったが3月13日までの延長が決定。ファンとのメニュー開発により、顧客のロイヤル化が期待できそうだ。
~中略~
昨年6月、ロイヤル顧客プラットフォーム「coorum(コーラム)」を手掛けるAsobica(アソビカ、東京・品川)と組み、ファンコミュニティー「しゃぶしゃ部」を開設。X(旧ツイッター)で入部を呼びかけた。希望者には店への熱い思いを記してもらうなどしたところ約70人が集まった。部員の平均来店数は年20回と一般ユーザーの20倍。いわゆるロイヤル顧客だ。

早速「新だし開発プロジェクト」を立ち上げ、食べてみたいだし、他の店で食べて良かっただしを募集したところ82の案が出た。コミュニティー内での投票の結果、上位に選ばれたのが博多豚骨だしだ。本社で開発を進め、部員には試食会に参加してもらった。改良を重ねて誕生したのが今回の商品だ。部員から出た食べ方のアレンジなども公開。注文は伝票100人あたり25食と、前のフェアメニュー(6食)を大きく上回り最強のだしになった。

ファンとのコミュニケーションを通じて、来店前に注文するメニューを決めている人が多いことも分かった。せっかく行くなら無駄なく楽しみたいという消費者心理が検索行動に走らせるようだ。

日経MJ 2024/2/7 P3

「しゃぶしゃぶ部」ってこれは面白い!ロイヤル顧客として値段などで優遇するのではなく、「自分の身内」になってもらうかのようなやり方だね。

「しゃぶしゃぶ部」に入っている人はしゃぶ葉が好きなのはもちろん、メニューの開発に関わって、お店に貢献している。いや~そんな関係性を持てるとお店も嬉しいよね!

【今回の注目ポイント】
「お客様」との関係性を独自資源としている点


<注目した背景>
※何度も読んだって人は読み飛ばしてね
今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」から。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明する。

戦略BASiCSの解説

この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論。この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深い。ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけ。詳しくは是非佐藤義典先生の本を読んでみてね。

「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多あるが、まとめると5つのパターンに分類され、それを再構築した経営戦略理論。その5つを一貫性具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論。その5つは以下の通り

attlefield (戦場・競合)
sset (独自資源)
trength (強み)
i
ustomer (顧客)
Sellingmessage (メッセージ)

頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」。それぞれを簡単に説明すると、
 :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし
 :競合が真似できない強みを支える独自な資源を構築し
S :資源を強み(買ってもらえる理由)にし、
 :自社の強みを選んでくれるお客様に対し
Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう
とこのような考え方で構築される理論。

「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のこと。だけど、これを自社で考えると難しい。この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要。

例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたら?『安さ』といっても、高品質なもの。ユニクロと比べて安いか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないよね。

一貫性を5つ全てでとるというのは、非常に難しい。この一貫性だけど、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなる

※3つの差別化軸
佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかない
商品軸:(競合より)高品質・新技術
密着軸:(競合より)個別ニーズに対応
手軽軸:(競合より)早い、安い、便利
強みはこの3つのパターンしかないので、これを考えることで一貫性がとりやすくなる。

例えば、先ほどの縫製技術の話だったら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じ(具体性はないが…)。

これは①商品軸の例。このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていくことで、BASiCSの一貫性がとれるようになる。

簡単ではないが、できればとても強い経営戦略となる。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけ!是非この「戦略BASiCS」考えてみよう!!


戦略BASiCSの1つA(独自資源)これは作ることができれば
強み(選ばれる理由)を長続きさせる
いわば儲けられる状況を長続きさせることができるものだ。

そう聞くと誰もが「ウチも作りたい!」とそう思うだろう。
でも他社がマネできない技術なんてそう簡単に作れるものでもない。

では諦めなければいけないのか?そんな必要はない。
しゃぶ葉のように「しゃぶしゃぶ部」を作るという手もあるのだ。

これは言ってみればお客様との関係性を強固にするという方法。関係性なんて独自資源になるのか?と思われるかもしれないが、このしゃぶ葉さんの記事のように、何度も来店してくれるだけでなく、「みんなが食べたくなるだし」の開発まで協力してくれる。

お金を使ってくれるだけではない関係性がそこにはできているのだ。

独自資源というのは他社が簡単にマネできないもので、強みを支えるものならなんでもいい。関係性でもいいのだ。

私達もこういった「関係性」の独自資源を作れるのではないだろうか?関係性についてあらためて考えていこう!

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2110


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎

まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!

ご質問等ある方はコチラまで!



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