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【他社戦略】独自資源は強みだけではなく、次の独自資源も生む!次も考えた戦略をとろう!

水曜日なので今日のブログは【他社戦略】!

独自資源。それは会社の選ばれる理由を持続させる理由。他社がマネできない理由。強みを支えるもの、あると利益が長続きできるものと考えられるが、それだけではない。

独自資源が次の独自資源を生む。
そんなケースもあるのだ。このパン屋さんのように。
今回はそんなケースを見てみよう。

愛知県内でパン店を展開する「パンのトラ」は2023年5月、「24時間に売れたカレーパンの最多個数」でギネス記録を達成した。1万5455個という記録は、規格に賛同するファンが集まらなければ成立しない。1号店のオープンから10年余り。地域に根付いた裏側には、徹底した顧客体験価値(CX)の改善があった。
~中略~
記録の達成には多くのユーザーに”自分事”として足を運んでもらう必要がある。こうした関係性をどう築いてきたのか。その裏側には徹底したCXの改善があった。
~中略~
顧客のCXを下げる要因になりやすいのが会計時間だ。一般的な店では店員が会計処理をしつつ、パンの袋詰めも行うために時間がかかる。これに対して、パンのトラは12年、レジに画像認識AI(人工知能)を活用したシステムを導入した。トレーをスキャン代の上に置き、上部から撮影。画像からAIがパンの種類と値段を一括識別し、決済できるサービスだ。顧客が会計を済ませる間に、店員はパンの袋詰めに専念できる。

2024/2/23 日経MJ P3

カレーパンの販売個数ギネス記録!これはすごいね!
ギネス記録ということは1番だ。1番と聞くと認知される確率が高まる。認知されれば来店される可能性も高まる。

顧客との関係性を築き、次にそれをギネス記録に結びつける!つながりがイイネ!

【今回の注目ポイント】
独自資源が次の別の独自資源を作り出している点


<注目した背景>
※何度も読んだって人は読み飛ばしてね
今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」から。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明する。

戦略BASiCSの解説

この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論。この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深い。ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけ。詳しくは是非佐藤義典先生の本を読んでみてね。

「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多あるが、まとめると5つのパターンに分類され、それを再構築した経営戦略理論。その5つを一貫性具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論。その5つは以下の通り

attlefield (戦場・競合)
sset (独自資源)
trength (強み)
i
ustomer (顧客)
Sellingmessage (メッセージ)

頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」。それぞれを簡単に説明すると、
 :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし
 :競合が真似できない強みを支える独自な資源を構築し
S :資源を強み(買ってもらえる理由)にし、
 :自社の強みを選んでくれるお客様に対し
Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう
とこのような考え方で構築される理論。

「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のこと。だけど、これを自社で考えると難しい。この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要。

例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたら?『安さ』といっても、高品質なもの。ユニクロと比べて安いか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないよね。

一貫性を5つ全てでとるというのは、非常に難しい。この一貫性だけど、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなる

※3つの差別化軸
佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかない
商品軸:(競合より)高品質・新技術
密着軸:(競合より)個別ニーズに対応
手軽軸:(競合より)早い、安い、便利
強みはこの3つのパターンしかないので、これを考えることで一貫性がとりやすくなる。

例えば、先ほどの縫製技術の話だったら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じ(具体性はないが…)。

これは①商品軸の例。このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていくことで、BASiCSの一貫性がとれるようになる。

簡単ではないが、できればとても強い経営戦略となる。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけ!是非この「戦略BASiCS」考えてみよう!!


ギネス記録という大記録を作るためには、パン屋さんが頑張るだけでは足りない。そのパン屋さんを応援してくれる人が沢山いないと成り立たない。

応援してくれる人というのはファンだろう。ファンの人は普段からもこのパン屋さんで沢山買い物をしていくれているだろう。つまりそれだけ選ばれている

選ばれるためには?もちろん味も大事だが、味以外の点も大事にしているところがあるのだろう。それがCX(顧客体験価値)だ。

顧客体験価値を高めるためのシステム(レジシステムなど)が、このパン屋さんが選ばれる理由(=強み)の源泉。独自資源。

その独自資源を使って、得たお客様との関係性という独自資源。それが次はギネス記録を作るということで、また新しい独自資源になっている。

世の中にはライバル企業はごまんといる。その企業と差別化し、選ばれる理由(強み)を作るために独自資源を得ようとするが、それは一度得たからといって終わりではない。

儲け続けるため
次の独自資源、次の独自資源、と創り続ける必要がある。

独自資源が次の独自資源を生む。このサイクルができたら強い会社に慣れるのは分かるだろう。

今あるからと言って満足しない。それを次にどうつなげるか。そういう視点ももって経営しよう。

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2124


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎

まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!

ご質問等ある方はコチラまで!



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