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イラストレーションの使用料についてみんなで考えた

先日Twitterにこんな投稿をしました。

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https://twitter.com/satakeshunsuke/status/1184468012117585923

こちらの問いについて、正解を出したいということではなく、人によって考え方や受け止め方がいろいろありそうだったので、それを知りたいと思い投げかけたものです。

たくさんの方からご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。リプ、引用RT含めてすべて拝読しました。

販促用(ノベルティ)」「販売用(商品)」どちらの使用料を高くすべきか、はたまた同じにするのか。結果、思っていたよりも意見が割れました。ここにいくつかご紹介したいと思います。


販促用(ノベルティ)の方が高いのでは 派のご意見

クライアントが得る利益が圧倒的に販促なので販促の価格が上ですかね
クライアントには、希少価値があるのではとギャラも販売物より高額に提案してほしい
コンテンツビジネスの世界だとノベリティーか商品化で%違いますが基本使用料発生する感じですね!商品化の方が%低いのが一般的
無料配布の方が高くなるケースもある (大規模企画、有名アーティスト関連など)。
差をつける派です。交渉したら差がついてしまう、という感じです。感覚的には、ノベルティの方が価値が高い感じがしています。増し刷りの場合の価格などもその時想定して決めておきます。
芸能の考え方に置き換えると、ノベルティ利用の場合、絵がより多く人目に触れる可能性がある=より消費される(イラストの価値に特別感がなくなる)ので、販売用よりも高く設定しますね。ノベルティの範囲にもよるけど。


販売用(商品)の方が高いのでは 派のご意見

ノベルティは販促が目的。宣伝ツールです。販売は利益が目的。なので販売目的の方が使用料高いのが道理でしょうね。
販売用はロイヤリティーもらうか、金額上乗せしてもらいます!
めっちゃ売れそうなTシャツなら売れた分のパーセンテージをいただくように交渉しちゃうかも!
ノベルティに関してはデザインをあまり見せず大量配布でしょうが、販売に関してはデザインをいいなーと思ってエンドユーザーが買う、それを考慮してクライアントは依頼する訳ですから色を付けていいと思いますね。
ノベルティ<販売 です。ノベルティ→純粋にコストはクライアント手出し・大抵が一過性のイベント用。販売→いつまで販売するか不明 ※人気があれば長期販売の可能性・儲けのバックがある
今回の例だと、販売用のは使用料(ノベルティ用と同金額)+一枚売れるごとに10%頂く。とかですかね。
企業と非営利団体では価格設定を変えています。営利目的の作品ではまず期間を設けた上で独占販売し、期限後、著作権譲渡を続行する場合は利益に応じて値上げして、価格を徐々に調整すると思います
前者は「広告物」なので『広告デザイン費』、後者は「商品」なので『プロダクトデザイン費』として考えます。作業は結果として同じかもしれませんが、「これ売るんだよな...」という思考のレイヤーが常に乗っかるので、差はつけてもいいかな?派です。
差をつける派です。直接的に自分のイラストで先方が利益を得ているので販売に応じたロイヤリティをいただくか料金に差をつけると思います。使用料という視点から見ると先方が得る利益にイラストの使用料が比例した方が健全な気がします


報酬額に差はつけない 派のご意見

この条件で、つけるかつけないかなら、「つけない」でしょうか。かかったスキルや手間が異なるわけではないので..
販売用だろうが販促用だろうがそれはクライアントの都合なので差はつけなくていいと思います。デザイナー側には関係ない話だと思うので…
完成品が同一なら等価派です。たとえば○個は限定ノベルティで広告として出すので○○円で、○個は販売するので○○円で、も発生し得るしその場合安い方多くしといて実際は逆で使うとかできちゃう。訴求する先は「購入者のお客様」だけど販売する先はあくまでも購入者なので、同一商品なら等価かなと
私は差をつけるべきではないと思います。八百屋さんが野菜をカレーにするのか肉じゃがにするのかで値段を変えないのと同じではないでしょうか。
発注側の意見です。「販売用はその分の上乗せをして対応すべき、だが使用料は差をつけない方がよい」です。発注者という生き物は、「これ無料配布でうちには儲けがない企画なんだから、安くやれるでしょ」という無茶を押し付けがちだからです。
自分だと、ノベルティだとグロスの総額計算、販売目的は契約料+ロイヤリティで計算すると思います。で、1000枚だとそれがちょうど同額になるよう調整するかも。結果的には同額だけど計算式が違うとはなると思います。
費用が販売用と変わらないからこそ、ノベルティとして意味があるんだと思います。
ノベリティと販売に関わらずイラストレーションを用いて何かを行う事に違いはなく無料配布だとしても広告としてのチカラは発揮すると考えられるし販売だと利益が得られる!もし非営利目的に使うにしても結果として広告としての利益を得られると考えられるので同じにするべきだと思う
ノベルティ配布するのは発注者都合で、イラスト自体の価値は変わってないし。販売用と同じ値段を取るべきなのではないかなー
同じ絵を描いてるから差はつけない
販売するものは使用料(ロイヤリティ)をもらう
・ノベルティは全体の売上の2%程度の予算で作るから多めに請求する


条件、状況次第。そのほかにも気になるご意見

私はお金もらえないときは名前を絶対入れてもらったり、自分の成果物として宣伝させてもらって、広告宣伝費として考えてます
無料配布の範囲が肝かなと思います。例えば社内イベントで1日しか着ない、一般の方の目に入らない物になると少し値段が下がる事があります。逆にたとえ無料配布でも、ノベルティならば宣伝なので一般的に広めるための物ですので販売と同価値とみなします。
会社員歴が長い人だと「労働時間=お金」になってるので、同じ労働で対価が異なることに違和感を感じ、用途から計算するのは経営者の思考かなと思いました。
使用料ならつけるべきで、制作料ならつけないべきで、もし少し安く設定したなら、別案件発注とかの提案をしてもらえたら好きって感じ(できればクライアントから言って欲しい)
☑︎ 一回限りのノベルティか、その後企業やブランドのロゴとして用いられるものなのか
☑︎ 自身が著作者の権利を持ち、ノベルティ使用についてだけライセンスするのか
☑︎︎ このノベルティだけのために書き下ろしたのか、元から描いていたイラストなのか
☑︎ クライアントが営利企業か公的な団体等
そのほか、クリエイターの方とクライアントとの人的な関係にもよるかもしれませんね。販売か配布は、もちろん重要な意味を持つと思いますが、主体が企業なら、配布の場合も、営利目的であることには変わりません。なので、違わない、ともいえますね!


いや〜割れた。割れに割れました。もちろん今回の問いの内容や条件だけでは決められない部分もあるかと思いますが、人によってこれだけ考え方に違いがあるというのがわかって、大変興味深かったです。


で、お前はどやねん

ぼくの意見も言わないとフェアじゃないので申しますと、「販売用(商品)」の方が高くなるのでは、と思っている派です。

理由としては絵が直接的に売上に寄与する存在であるということ、クライアントはそれによって利益を得ることができるから。と考えました。

が、今回こうして皆さまからのご意見を聞いて、自分の中の基準がグラグラ揺れています。

クライアントの立場で考えると、ノベルティは広告費、商品は製造費として扱うことになった場合、広告費の方がまとまった予算出そうだよな… とか。

正直どっちかわからなくなってしまいました


今回のことで学んだこと

受注側(描く側)でもこれだけ意見が割れるのですから、もちろん発注側でも同じように意見は分かれると思います。

つまり、自分が当たり前だとか常識だと思っている考えや基準というものは、人にとっては必ずしもそうではないということがよくわかりました。これはお仕事をしていく上で常に意識していきたいところです。

そしていろんな視点から物事を捉えるための知識は、今回のようにたくさんの人の考えにふれることでしか得られないものだということも。

そして何より、自分の考えをちゃんと言葉で説明できることが大切だと学びました。それができないことには説得も交渉もできませんからね。


ほんとうに勉強になりました。どうもありがとうございます。また、なにか思いつきましたらふわっと質問させてください。



さいごに、今回の話題をぼくを含めたイラストレーターユニット「なりゆきサーカス」のメンバーともオンラインで話をしました。上とはまた違う意見も出ていますので、よろしければお聞きくださいませ。(音声だけですので片手間にどうぞ)

冒頭で名乗るのを忘れてましたが、1歳児を抱いて喋ってるのがぼくです👶

オンラインラジオ「なりゆき会議」
(毎週火曜日 12:00〜12:30 リアルタイムで放送中です)
http://nariyuki-circus.com/home/?p=12740


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