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全部やる

ある程度のキャリアを積んだら、自分にしか出来ない仕事を選んで優先した方が良いという話をよく耳にします。

ぼくの同世代の仲間でも、やりたい仕事や単価の大きい仕事に絞って請ける(それ以外はやむなく断る)段階にある人が少なからずいて、みんな先を見据えて働き方を考える時期なのだなと実感しています。

これについては個々の戦略なのでもちろん良いも悪いもないです。という事を大前提に、ぼくの場合はどうかというお話を。


基本的には全部やる

基本姿勢としては来るもの拒まずです。たとえ忙しくとも、短納期、低予算、細かい仕事であってもそれだけの理由ですぐに断る事はほぼないです。

こんなことを言うと誤解も招きそうなので補足をしておきますが、なんでもOK!というわけではないです。もちろん条件や都合が合わないと思えば交渉はします。交渉もせずにいきなり断ることはない、ということです。

気持ちとしては、「全部やる」というスタイル。

ただし、明らかに自分が請けないほうがよいと思う案件はお断りしています。ぼくの場合は似顔絵や風景画、ライブペインティングなど、不得意でお役に立てそうにない場合、その旨を説明してお断りすることがありますのであしからずです。


代わりが利く仕事こそ力の見せどころ

「これは私じゃないとできない仕事か?」という基準で選ぶ考え方も大切ですが、そんな代わりが利く仕事こそ、やり方によっては人との差を見つけてもらいやすく、それが評価に繋がることもあります。最初から切り捨ててしまうのは勿体ないかもしれません。(いらないならください😊)

誰が描いても同じようにしかならないであろう絵の依頼であっても、評価の対象は何も個性やクオリティだけではありません。スピード、リテイクの少なさ、気配り、アフターフォローなど、むしろそうした部分のほうが大切だったりします。どこで自分の強みを出せるか、案件によって使い分けます。


低予算の仕事も請けちゃうの?

これも誤解なきように説明しますと、安請け合いをするということではなくて、予算に合わせた対応ができるようにする、ということです。つまり、こちらの対応に 松・竹・梅 のメニューを用意するのです。

10万円の予算があるA社への対応、5万円の予算があるB社への対応、そこにわかりやすく差をつけ、この予算であればできる作業はここまでです。とか、使用期間はこれだけになります。とか、こちらの都合にスケジュールを合わせてもらうとか、そんな交渉をします。

※アウトプットの質を下げるということではなく、効率化や時短テクニックを駆使して差をつけます。(このあたりのお話はまた別の機会に。)

非情と思われるかもしれませんが予算がないB社に対して必要以上のサービスはしません、そこがブレるとよりよい評価をしてくれたA社が馬鹿を見ることになります。それだけはあってはいけないなと思っています。


自分が選ぶより前に、そもそも選ばれているということ

忘れてはいけないのが、仕事の依頼はそもそもクライアントから選ばれてやってくるということ。何らかの理由があって数多くのイラストレーターの中から選ばれ声がかかっているのだと思えば、それに応えたいなというのがぼくの気持ちです。(※足元をみてくる人がもしいたとしたら、それは論外ですが…)

自分の都合で断った仕事に2度目はない、そう言っても過言ではないです。断れば代わりの誰かがその仕事をする。そんなものです。放っておいても、キャリアを積み重ねていけば細かい仕事は頼まれにくくなります。

自分にしかできない仕事」というは来た仕事を選ぶということではなくて、「自分ならではのやり方でいかにして依頼に応えられるかどうか」ということではないかと。

そんなふうに考えるとどんな依頼でも、楽しく取り組めそうな気がします。

そう、全部やる。やるのだ。




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