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専門家に聞いた「本当の休み方」~小さなストレスこそ怖い~

皆さんは、休めていますか?

休み方は、学校でも、社会でも教えてくれません。
今回は、しっかり休むコツをご紹介します。休日はとっているはずなのに「疲れが抜けない」「仕事のことをモヤモヤ考えてしまう」という方に役に立つと思います。

こんにちは、高橋ピクトです。健康書など、実用書の編集をしています。
かくいう私もうまく休めず、オンとオフの区別がつかなくなってしまったことがあります。長期にわたって体調を崩し、お医者さんから「休みなさい」と言われてしまいました。

では、どんなふうに休めばよいのでしょうか?
下に紹介する「ストレスケアの本」を制作していた時に、著者の下園壮太先生にお聞きしたことをまとめます。

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『元自衛隊メンタル教官が教える 心を守るストレスケア』


下園先生は、心理カウンセラーで陸上自衛隊初の心理教官として多くのカウンセリングを経験した方です。今は30年の現場経験を生かして、一般の方に「ストレスケアの方法」や「休み方」を伝えるべく執筆や講演活動を行っています。

小さいストレスこそ、放っておいてはいけない

この本の取材で、私が最も驚いたのが、小さなストレスの恐怖でした。

先生によると「ストレスは徐々に感じることは少なく、溜りに溜まったときに突然襲ってきます。小さなストレスが続いていると思ったら、いつの間にか危険水域に達している――それが、現代人のストレスの溜まり方です」ということでした。

また、「じつはストレスというのは、大きなもののほうが回復しやすいという少し不思議な特徴がある」そうです。ストレスも疲労も大きいもののほうが自覚しやすく、早い段階で休もうとするからで、大きなストレスは一過性のものとして終わることが多いそうです。

確かに、私が不調になったときも、大きなストレスはなく、小さな「気になること」が多い時期でした。忙しいという意識はなかったのですが、ある日突然に不調が現れ、とても驚いたことを覚えています。

下の図、左の大きな丸が「大きなストレス」によるカラダへの影響、右の小さな丸の連続が「小さなストレス」によるもの。小さなストレスを放ってはいけないことがわかると思います。

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ダラダラ生活がストレス状態から復活させる

では、この小さなストレス状態を回復させるにはどうしたらいいのでしょうか?

下園先生は、「人はどうしてもこの状況を何とかしたいと思ってしまいます。足し算の発想です。でも、疲れを溜めている今、必要なのは引き算の発想、何もしないことです」
「生産的なこと、積極的なことは何もせず、ダラダラ過ごす。このダラダラと過ごすことでしか、体と脳を休ませることはできないのです。とにかく”食っちゃ寝”生活を三日間、できれば1週間は続けてみましょう」
と教えてくれました。

私は、思わず聞いてしまいました。そんなことしていたら、家族や周りから「怠けてる!」と言われませんか?と。

「だれが何と言おうと、だれに責められようと、申し訳なく思う必要はありません。休養はスマホの充電だと思ってください。みなさんはスマホが切れそうになるとあわてて充電しますよね」と答えてくださいました。

自分の仕事や疲れ、休み方について、家族や会社の人と話し合うことが上手に休む秘訣なのかもしれません。

ちなみに寝るときは、細切れでもいいから8時間以上の睡眠をとるのがよいそうです。二度寝や三度寝、四度寝でもOKだといわれると、気が楽になりますね。

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休んでいるときに、何をすればいいんだろう?

寝るのはわかりましたが、起きているときは何をするのがよいのでしょうか。ストレス解消!とばかりに、旅行や運動などをやりたくなる人もいるかもしれません。でも、休養は充電。「エネルギーを消耗することはしない」ということです。

休養中におすすめなのは、料理やガーデニング、軽い運動など、「ある程度集中できて、嫌なことを考えなくてもいいが、そのこと自体にあまりエネルギーを使わない趣味」
意外だったのは、スマホゲームなどもオススメだということでした。
「ゲームのよいところは、その人に合ったものを選べることです。瞬発力で勝負できるものや、ゆっくりとキャラクターを育てるものなど、最近のゲームにはさまざまなタイプがあります。そのため、自分の性格やライフスタイルに合ったものを選べば、どんな人でも無理なく楽しめます」

ゲームはのめり込みそうで、怖いと思う人もいますが、ある程度のめり込めるからこそ、嫌なことを忘れられるそうです。課金に関しても、「この程度ならOK」と思えて、収入と釣り合う範囲であれば問題ないとおっしゃっていました。

休養中の趣味は、人によるでしょうから、試しながら自分に合ったものを選ぶのがよいと思います。私の場合は、夢中になれるゲームや、平和な映画、アニメを見ているときにリラックスできました(ホラー映画や怪談が好きなのですが、このときはダメでした)。

ウォーキングというか、散歩もリフレッシュになりました。逆に一番つらいときは読書ができませんでしたが、そんなときはとにかく「食っちゃ寝」しました。

疲れている自覚がある方はもちろん、休んでいない方は、ぜひ、これを機にダラダラしてみてください。
「そういえば、休んでいないかも。でも、まだ大丈夫(というか休めないし)」とういう方が一番危ないかもしれません。私もそうでしたから。

#休日のすごし方  #休み方改革 #編集者

図 高橋明香(おかっぱ製作所)
イラスト 日江井香

文 高橋ピクト
生活実用書の編集者。『新しい腸の教科書』『コリと痛みの地図帳』などの健康書を中心に担当。「生活は冒険」がモットーで、楽しく生活することが趣味。ペンネームは街中のピクトグラムが好きなので。

Twitter @rytk84

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