シュッパン前夜 編集部

出版社、プロダクションの編集者が集まり、【シュッパン前夜】は立ち上がりました。これまで…

シュッパン前夜 編集部

出版社、プロダクションの編集者が集まり、【シュッパン前夜】は立ち上がりました。これまで自分たちが見てきた本づくりの舞台裏や、こだわり、編集以外にも書籍制作に関係する陰の天才たちにスポットを当て、つくり手だからこそわかる「本の深み・読者とは違った見方での面白さ」を紹介していきます。

マガジン

  • 「ネバギブ編集ゴファン」マガジン

    実用書の編集者である私(ネバギブ編集ゴファン)は、【出版業界の新人に知っておいてほしい事柄】を中心に記事を作成しています。それらをまとめたマガジンです。 私(ネバギブ編集ゴファン)は、ビジネス実用書を中心に、健康書、スポーツ実用書、語学書、料理本などを担当。編集方針は「初心者に徹底的にわかりやすく」。ペンネームは、本の質を上げるため、最後まであきらめないでベストを尽くす「ネバーギブアップ編集」と、大好きなテニス選手である「ゴファン選手」を合わせたものです。

  • 月刊 編プロのケーハク

    シュッパン前夜メンバー、編プロのケーハクの記事まとめ。出版界のあるある、新人ライター&編集者向けのスキル解説、出版界の問題や課題について。

  • 編集者アワジマンスリーマガジン

    編集者が編集とは何かを求めてさまよい続けます

  • フリー編集者・元塚B

    塚Bの中央公論新社時代、そしてフリー編集者の元塚Bの記事です。

  • 月刊 高橋ピクト

    シュッパン前夜のメンバー、高橋ピクトの記事まとめ。実用書づくりの現場や人間関係をお伝えします。悲喜こもごもありますが、チームワークで乗り越えます。

最近の記事

  • 固定された記事

今宵、編(へん)な人たちと、本の深みへ。 『シュッパン前夜』立ち上げのご挨拶

あるとき、ふと思ったんです。 「このままだと、10年後も同じことをしながら、ぼやいているだけだな」と。 出版不況が叫ばれて早10数年。たしかに、出版各社においては時々大ヒットこそ出るものの、業界を全体的に見ればいい話は聞きません。 複数の出版社とつながりを持つ編プロに所属する私からすると、こんな状況なのに、出版各社が小競り合いみたいにちまちまとベストセラーの奪い合いをしていても、業界全体は尻すぼみになるだけではないか? と感じていたのです。  「いずれ誰かが変えて

    • 他の人の著作物を無断で使用できる方法とは?

      「編集者が身につけておきたい15のスキル」の記事にて、実用書の編集者に求められるスキルとして、調査力、文章力、語彙力、プロモーション力などを、それぞれ大まかにご紹介しました。 前回、その中で「法律力」を紹介しました。 具体的には著作権について解説しました。 今回は、前回の記事で説明しきれなかった著作権の「引用」について、ご紹介します(著作権、著作物、著作権者などの専門用語については、前回の記事にて紹介しています)。 基本的に許諾が必要著作権は、著作物をコントロールする権

      • 後世に残したい出版編集の技術アーカイブ「ラフは原寸で描く!」

        今宵、本の深みへ。 この度、独立してフリーになることになった、編プロのケーハクです。 おそらく、編プロ所属で書くのは今回で最後になるかと思いますが、今後も「ひとり編プロ」として出版編集業務は継続していく所存ですので、「編プロの」はそのまま据え置きということでお願いします(どうでもいいですよね?)。 さて、今回は「後世に残したい出版編集の技術」ということで、「ラフ」をテーマに解説していきたいと思います。 最近は、生成A Iが猛烈なスピードで発達してきて、すでに誌面のデザイ

        • なぜ締め切りを守れないライターには良い文章を書く人が多いのか?

          締め切りがあるから原稿を書く  締め切りを1ヶ月過ぎた原稿がまだ上がってきていません。  何度も催促して、ようやくライターから「書けたも同然です。今日中には」という連絡がきたのは3日前。さすがに催促の文言も言い訳の引き出しもお互い尽きてきた感があります。  締め切りを設定して、原稿を上げてもらうのは編集者の大事な仕事ですが、これがなかなか悩ましい。  締め切りを破るライターには、良い文章を書く人が多いからです。 (あくまで私の経験上ですが)  真っ先に思い出すのは名コラ

        • 固定された記事

        今宵、編(へん)な人たちと、本の深みへ。 『シュッパン前夜』立ち上げのご挨拶

        マガジン

        • 「ネバギブ編集ゴファン」マガジン
          31本
        • 月刊 編プロのケーハク
          33本
        • 編集者アワジマンスリーマガジン
          16本
        • フリー編集者・元塚B
          28本
        • 月刊 高橋ピクト
          30本
        • 月刊 マルチーズ竹下
          29本

        記事

          新刊を待ちわびる小学生――鬼滅からフルバ、わた婚へ――

          こんにちは。 フリー編集の元塚Bです。 先日、雨の降りしきる休日に、間もなく小学5年生になる娘と本屋へ行きました。 娘の目当ては顎木(あぎとぎ)あくみさんによる「わたしの幸せな結婚」シリーズの最新刊。 何か月も前から待ちわびていた新刊を手にする娘の姿を眺めながら、私は子どもの成長の速さを実感しました。 ディズニーアニメから『鬼滅の刃』へ 娘に絵本の読み聞かせをしていたのは、つい先日のことのようです。 あの頃の娘はディズニーアニメが大好きで、自分もプリンセスのドレスをあれ

          新刊を待ちわびる小学生――鬼滅からフルバ、わた婚へ――

          書籍シリーズのフェアを、リニューアルした話

          こんにちは、高橋ピクトと申します。 出版社で、実用書の編集をしています。 私が所属する池田書店には「マンガでわかるシリーズ」という書籍シリーズがあります。 シリーズが始まったのは、2010年。最初に刊行されたのは「マンガでわかる百人一首」で、今では文学から、「日本史」「世界史」などの歴史、「人体のしくみ」や「栄養学」などの科学まで様々なテーマが刊行され、全37点となりました。 14年の間には、書店さんで数多くのフェアをしていただきました。 書店さんによっては、何度もリピー

          書籍シリーズのフェアを、リニューアルした話

          編集者に必要な法律の知識とは?

          「編集者が身につけておきたい15のスキル」の記事にて、実用書の編集者に求められるスキルとして、調査力、文章力、語彙力、プロモーション力などを、それぞれ大まかにご紹介しました。 今回は、その中で「法律力」についてご紹介します。 では、詳しく見ていきましょう。 そもそも著作権とは?書籍の編集者は、本という著作物を扱う仕事ですから、著作権関連の法律について知っていなければなりません。それが編集者に求められる「法律力」です。 著作権は、知的財産権のひとつで、他には特許権や意匠

          編集者に必要な法律の知識とは?

          編集者は本をつくるたびに洗脳されている!?

          今宵、本の深みへ。編プロのケーハクです。 今回は、「編集者は自分がつくった本の影響を受けまくる」というお話をしたいと思います。 皆さんは、一冊の本がどれくらいの制作期間でつくられるのかご存じでしょうか? 書籍の制作期間は、数年かかるものもあれば、場合によっては2〜3ヵ月という非常に短いスパンで完成させるものもありますが、ざっくり平均すると半年くらいかかります。 一冊の本に付き合う期間はけっこう長く、その間、その本で扱うジャンルについてかなり研究することになりますし、著

          編集者は本をつくるたびに洗脳されている!?

          中年編集者はどう生きるか

          「四十不惑」なんて知らない  島田潤一郎さんの書く文章が好きで、寝る前に読むのがほぼ日課になっています。  どうしたらこんなに優しく包み込むような文章を書けるのか。万事に肯定的で本への愛情にあふれていて、読んでいると本をつくる仕事をやっていて良かった、明日も頑張ろうと思えるんです。 『電車のなかで本を読む』(青春出版社)は島田さんが感銘を受けた本、面白かった本、救われた本を紹介していく読書エッセイ。こういう本にありがちな押しつけがましさが全くありません。  それは島田さ

          中年編集者はどう生きるか

          絵本コンクールの講評会に参加してきました。

          こんにちは、元塚Bです。 私は現在、フリーランスの編集者として糊口をしのぎつつ、イラストのお仕事もさせていただいております。 そしてその傍ら、「絵本コンクール」にも挑戦していたことを以前書きましたが、この度友人と共同制作した作品が入選し、その講評会に参加する機会をいただきました。 ピアノを学べる絵本 今回私が応募したのは「ドドとピアノの音あそび」という作品で、「第12回絵本出版賞」の「赤ちゃん・学べる絵本部門」で「煌めきフューチャー賞」をいただきました。 この作品は、ピア

          絵本コンクールの講評会に参加してきました。

          「遅れない」「つらくない」編集者のスケジュールの立て方

          こんにちは、高橋ピクトと申します。 実用書の編集を行っています。 今日は、書籍のスケジュールの立て方について、 「遅れない」「つらくない」調整の方法をご紹介したいと思います。 書籍をつくって、販売するまでにはたくさんの人が関わります。 一度発売日を決めたら、その日に向かって、できる限り遅れないように進行するのが編集者の仕事です。 書籍のスケジュール管理は難しい? 書籍づくりのスケジュール管理で難しいと感じるのは、 原稿執筆やデザイン作成など、0から1を生み出すよう

          「遅れない」「つらくない」編集者のスケジュールの立て方

          編集者にもプロモーション力が求められる

          「編集者が身につけておきたい15のスキル」の記事にて、実用書の編集者に求められるスキルとして、コミュニケーション力、キャッチコピー力、プレゼン力などを、それぞれ大まかにご紹介しました。 今回は、その中で「プロモーション力」についてご紹介します。 では、詳しく見ていきましょう。 書店数が大きく減っている本屋さんの数が少なくなっています。 2003年度に2万店以上あった本屋さんが、2022年度末には1万1500店舗まで減っています。 近年の代表例としては、TSUTAYAさ

          編集者にもプロモーション力が求められる

          原作をリメイクする場合に「改変」はどこまで許されるのか?

          今宵、本の深みへ。編プロのケーハクです。 年明け最初の記事になりますが、年始からいろいろと暗いニュースが多くて、(多くの皆さんがそうだと思いますが)心が少し「しんどい」です。 年度末に向けた忙しさもあるのでしょうが、社会全体のネガティブな雰囲気に晒されつづけると、マインドがそっち方向に引きずられてしまって、なかなかよろしくないような気がします。 スポーツくらいですよ、明るいニュースは(前田穂南選手、本当にありがとう!)。 さて、漫画原作のドラマ化問題で、最悪の結果とな

          原作をリメイクする場合に「改変」はどこまで許されるのか?

          震災の教訓とタンス・イン・ザ・ダーク

          わずか10秒の揺れで世界が変わった 震災のときはマイナンバーカードを持って避難してください、と言った人がいるらしい。 前後関係や真意はよくわからないが、能登半島地震の被災者に向けて、所在確認にも使えるのでタンスに入れておくのではなく財布の中に入れて一緒に避難してください、と。「デジタル時代のパスポートとして平時の便利だけでなく有事の安心にもつながる」ということらしいが、要はもっと普及すれば災害時も役に立つということを言いたいのだろう。 震災時のタンスと聞いて阪神淡路大震

          震災の教訓とタンス・イン・ザ・ダーク

          ぼくは、松本人志さんの問題が気になって仕方ない奴です。

          こんにちは、フリー編集の元塚Bです。 昨年(2023年)末、松本人志さんの「性加害疑惑」が週刊文春で報じられ、今なお大きな話題となっております。 私も一報に触れて以来、ことの進展が気になって仕方なく、雑誌・テレビ・ネットと各種媒体で情報を仕入れては考察する、という生産性のないことを繰り返しています。 何しろ松本さんは、テレビはもちろんのこと、出版業界においても重要な存在なのです。 「週刊文春」完売 そもそも、今回の報道のきっかけは、「週刊文春」。 まさに、出版界から放たれ

          ぼくは、松本人志さんの問題が気になって仕方ない奴です。

          本が売れない。編集者が考える“変化への一歩”

          今、出版業界が窮地に立たされています。 雑誌は一誌また一誌と休刊になり、書籍の売れ行きもどんどん落ちています。 こんにちは。実用書の編集者、高橋ピクトと申します。 私が編集している実用書も危機が迫っていて、書店では実用書がおかれている棚がどんどん縮小されています。 たとえば、スポーツ書の棚。以前は、野球、サッカーと競技ごとにわかれていましたが、「スポーツ」でひとくくりに。囲碁・将棋・麻雀でわかれていた棚も「ゲーム」でひとつになっています。 そんな中、最近会った編集

          本が売れない。編集者が考える“変化への一歩”