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【太陽の塔と縄文♡】

「芸術は爆発だ!」の言葉で有名な芸術家、岡本太郎氏。子どもの頃、彼の出演していたTVのCMを観て「変わったおじちゃんだなぁ。なんだか怖そう!」と思っていた。きっと「芸術家」って人たちは、どこか世間の人たちとは違って、変な人たちなんだなぁと区別していた。サラリーマンの平凡な家庭で育った私の周囲には、そのような「変な人たち」とお目に掛かる機会はなかった。

岡本太郎氏と言えば、1970年の大阪万博の「太陽の塔」を作った人。その位の知識しかなかったが、ある時、大人になってから彼の著書『自分の中に毒を持て』を読んだ時、彼の刺激的で、エネルギッシュな激しい言葉の裏には大いなる愛があることを感じて、一氣にファンになってしまった!すごい!凄すぎる!!

あの位大きな爆発するようなエネルギーがなければ、何かを創作することは無理なのだろうか。常に内側に湧き起こる怒りのようなマグマのエネルギーをぶつけて爆発させては、何かを産み出し続けてゆく…。想像しただけでも、身体や頭がショートして壊れてしまいそうな程クラクラするが、それが日常であったのだから、やっぱり尋常じゃない。変人であり、狂人だ。でも、すごく魅力的である。

大阪万博は、世界各国のパピリオンが並び、どの国も最新技術の成果を展示して、私たち一般の人たちを楽しませてくれた。

この万博の大きな裏の目的は、産業や技術が進むことが人間にとって幸せになる最善の道であり、進歩・進化は正義であり善であることを大衆に分からせることだった言う。
確かに、当時の私たちは、科学技術の輝かしい進歩によって、世界から病気や戦争が無くなり、平和で明るい未来がやって来る!と本当に信じていた。

このような時代の大きな流れに逆らって異を唱えたのが岡本太郎氏だった。彼は万博の価値観とは真逆であった。大きな力に隷従して、互いに妥協して形作る予定調和は真の調和では無い。嫌われてもいい、踏まれてもいい、個がぶつかり合うことで本当の調和が生まれる。美意識や欲望をぶつけなければ人類の進歩はない。本能を呼び覚ませ!とあの「太陽の塔」を作り上げた。

岡本太郎氏は「太陽の塔」を作成するに当たり、日本人のルーツである「縄文時代」が色濃く残る東北やアイヌなど日本中を旅したと言う。

万博のシンボルとなった「太陽の塔」が縄文時代と繋がっていると聞いて、ああ、やっぱり縄文なのだと思った。コロナ騒動以来、これまでの社会の常識や秩序がガラガラと音をたてて崩れてゆく予感のある今、私の周りでよく聞かれるキーワードは、なぜか「縄文時代」であったり、超古代日本語の「カタカムナ」や「ホツマツタエ」だったりする。どれも大陸から人や文化が渡って来た弥生時代以前の古いものばかりだ。

私たちが本能を呼び覚まし本来の進歩を遂げる為には、私たちの生命の根っこに触れ、自分たちがどこからやって来たのかを知る必要があるのだろう。

彼は、50年以上も前からその狂人的な感覚で、こんな時代が来ることを察知していたのだろうか。おそるべし。

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