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【藩校よろしく♡】

音読しまくりおじさん、吉田兼好が鎌倉時代末期に書いた短編随筆集『徒然草』(全243段)。
現代の教科書にも載っているお馴染みの古典だ。音読道場のテキストでも、序段「つれづれなるままに、日暮らし硯に向かいて…」と、第十一段「神奈月のころ、来栖野といふ所を過ぎて…」を扱っている。

鎌倉時代末期に書かれた「徒然草」は、その後、室町時代に見出され、江戸時代の平和な時代でも氣入られて藩校で読まれ、連綿と現代まで読み継がれてきた作品だ。松永暢史先生が「吉田兼好本人も、まさか自分が書いた文章が、こんなに長い間読まれるとは思ってなかったでしょうね。」とおっしゃっていたが…700年もの長い間、たくさんの人たちに影響を与えてきた古典中の古典だ。内容は、下級武士に向けて、どうやって生きていったらいいか、自分の経験を踏まえて伝えているといったもので、その切り口は多岐に渡っている。

今回は、日本語音読養成講座の続編で、松永暢史先生の『藩校よろしく徒然草音読講座』に参加した。対象は、ある程度音読を習得している人で、参加者は養成講座を修了した一期生、二期生が主だった。

音読を習得すると、本当に古典を音読しただけで意味を理解できるようになるのか、自分の力を試してみたいと思ったり、今後、音読道場で指導する上で、作品に対する理解を深めて、実力をつけたい思いもあったし、純粋に古典を楽しみたい氣持ちもあって参加した。

久しぶりに松永先生の音読の音に触れ、自分の中の音を調律して、他のメンバーと一緒に音読して響き合うのがとても氣持ちよく、養成講座を受けていた頃の懐かしい感覚になる。

講座では約2時間を掛けて、松永先生の音読と解説を挟みながら、第十九段まで音読した。すっと意味が通るところと、分かりづらいところとあったが、読み進めていく程に、素晴らしい、音とリズムが氣持ちよく、兼好法師の観察力の面白さに引き込まれる。

今日の一番のフレーズは…

「しな・かたちこそ生まれつきたらめ、心は、
などか、賢きより賢きにも、移さば移らざらん。」

講座はシリーズであと3回続くが、さてどこまで自分なりに深められるかが楽しみだ。

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