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今年初の出張~埼玉県北でインタビューを

10年に一度の寒波襲来と言われ、大変寒い朝。
8時58分、上野発の上越新幹線。本庄早稲田で下車。隣県の埼玉ではあるが群馬県に近い地域で在来線では時間がかかる。
お迎えに来ていただき、20分ほど車で走る。
町内にかつてあった銭洗い淵に関するヒアリング。
これは有力な観光資源になる可能性を秘めている。昨年秋に資料室の文献探索で発見。
ただし、文献にはあるのだが、少し過去のことのようで、その習慣があった当時のことを知る方を見つけるのは難しいかもしれないとは感じていた。
しかし、その話を御存じだという方が見つかり、ヒアリングしに行くことに
理容店経営の70代女性。市議会議員。
午前10時20分頃到着。
非常に丁寧にお話しいただいた。
理容業ということもあり、近隣の方との会話が多かったのだろう。
70代前半とのことだったが、銭洗いの様子を見たことはないとのこと。ただ、現在のキヤノン工場の横の川が銭洗い淵と呼ばれていたことは知っているとのこと。

銭洗い淵でお金を洗うのは、お祭りの期間。お祭りの際、夜店からの帰りにお金を洗ったとのこと。この習慣はお祭りの時期に限られ、普段からこの場所でお札を洗うということはなかったようだ。また、お札を洗うのは、夜店の近くの川場に限られ、川の広い範囲でその風習が見られるということはなかったようだ。これらの話は文献になかったエピソードである。
さらに突っ込んで質問もしたが、ご自身が経験した話ではなく、伝聞の情報なので、わからないことが多いようだった。
午前11時20分頃ヒアリング終了。
昼食はうどん。食事後、打ち合わせを30分ほど。

 

午後1時過ぎ、鎌倉街道沿いの歴史資産を車で巡る。

往年の随筆家として著名な吉田健一が八高線と児玉駅の印象に関して記したエッセイがあり名文なのだが、最近、朝日新聞出身の作家・川本三郎も八高線と児玉駅をテーマにしたエッセイを書かれていた。八高線は首都圏にありながらも昔ながらのローカル線として人気があり、松久駅などと町内の歴史資産を組み合わせることで、町外の人も呼び込める町歩き企画を作れるのではないかと考えている。距離的にはこれから伺う酒造店を合わせて試飲会をしても面白い。この企画ができれば町のPRにもなると考える。

そして酒造店さんを訪問。店の横の古代の遺跡の話をする際に、銭洗い淵の話を店主にすると、すぐ横の理容店の90代の店主の父親(先代のご主人)なら知っているのではないかとの話になる。酒屋店主が聴きに行ってくれた。10分後に戻った店主が言うには、「名所はキヤノン工場横ではなく、神社の横の川のはず」と話していたとのこと。90代であれば、銭洗い淵の当時の様子を御存じなのかもしれないと考え、理容店へ伺う。ただ、先代のご主人は、話を聞きに来た我々3人を警戒されたようで口をつぐまれてしまった。お耳も遠く、無理に力説して話をお聴きするのは難しいと判断。親睦を深めるだけにとどめた方がよいと考え、古代の遺跡の話に話題を変えて15分ほどお話した。

前回、川を見学した際に、キヤノン工場横の川を見て、ここで銭を洗うには地形的に困難ではないかと漠然と思っていた。神社横は川へのアクセスも容易で信憑性がある。神社の宮司であれば、詳しい事情を耳にしている可能性もある。ヒアリング対象候補を見出すことができたのは収穫である。
その後、神社周辺を実地見学。ここから川へはアクセスしやすいと感じた。

16時頃から雪が降ってきたので、交通事情を心配していただいた職員に本庄早稲田駅まで送っていただいた。寒いので、ホットボトルコーヒーを買って強風で2分遅れの上り新幹線に乗り込む。いつもよりわずかに混んでいたように思う。
#上越新幹線 #本庄早稲田 #埼玉 #八高線 #児玉駅 #松久駅 #吉田健一 #川本三郎  

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