記憶にございません。
悩みというほどのことではないが、自分のことで小さい頃から気になっていることがある。
「話の内容は覚えられるが、話していたシーンを覚えることが非常に苦手」
この話、今まで何回か人に話したことはあるが一度も理解が得られた試しはない。
まぁ、それも無理はないと思う。
自分も友達にこんなことを言われたら、早く帰って寝るように説得するし、翌朝起きても治らなかったら速攻でMRI検査に行くことをお勧めする。
自分でもよくわからないのだが、とりあえず順を追って説明してみるとこんな感じだ。
まず、Aさん、Bさんと食事をして、以下のような会話をしたとする。
Aさん「最近ハマってるアーティストがいるんだよね。XXXって言ってさ、ギターがめちゃかっこいいんだ」
Bさん「あ、それ知ってる!今度河口湖でやるフェスにも出るらしいよ!倍率高くてチケットは取れないかもだけど」
自分「へぇー、知らんかった」
この会話から得られる情報はいろいろある。
「AさんはXXXにハマっている」「XXXはギターがかっこいい」「BさんもXXXは知っている」「河口湖のフェスはチケットの倍率が高い」などなど
話している内容に加えて、普通人間はその周りの情報も記憶していく(と思う)。
「Aさんは話しているとき生き生きして見えた」「この店のビールはキンキンに冷えて美味しい」「有楽町はやっぱりサラリーマンが多くて賑やか」などなど
その記憶を後で掘り起こそうとしたとき、自分の中から出てくるのは「会話内容の情報の部分」だけなのだ。
つまり、上の例で言うと「XXXはギターがかっこいい」「自河口湖のフェスはチケットの倍率が高い」みたいな情報だけ。
「賑やかな有楽町のビールの美味しい店で話した」みたいな情報はごっそり抜け落ちている。「AさんとBさんから教えてもらった」ということも全く覚えていない。
(いや、「ごっそり」「全く」は過言すぎた。「抜け落ちがち」「忘れがち」くらいに留めておこう)
「あらら、忘れちゃった」くらいで自己完結する場合は別に問題はない。自分が勝手にもやもやするくらいだ。
大問題になるのは、次にAさん、Bさんと再び話すことになった場合。
「あそこで飲んだビール美味しかったよね」くらいの話なら、「あれ?そうだったっけ?ビールの味まで覚えてないなぁ」くらいでなんとか切り抜けられるのだが、
自分から知ったかぶりドヤ顔でこう言ってしまった場合には目も当てられない。
「ねぇねぇ、知ってる?XXXってアーティストすごくいいよ」
側から見るとアホみたいな話だが、特に気を許した友達相手にはやってしまう。
(事実は小説より奇なりと言ったどこかのお偉いさんとハイタッチしたい)
ちなみに妻にはそれを連発しまくって、毎回呆れ顔で「それ私が言ったやつね」と言われまくっている。せめて笑顔で言ってくれると嬉しいんですけど、、、
ちなみにグーグル大先生にも聞いてみようとしたことはある。この悩みはあるあるなんですか?と。
ただ、ご存知の通り大先生はうまい質問を投げかけないと答えを返してくれない気難しい先生なので、今のところ思うような回答をもらえていない。
検索『話の内容は覚えているがシーンが覚えられない』
大先生『「これだけ覚えていれば大丈夫!オンライン英会話の4つのシーンで使える便利なフレーズ』をどうぞ」
なんで?
検索『ストーリー 記憶』
大先生『「覚えることをお話に見立てて丸ごと記憶するテクニック」をどうぞ』
いや、そういうことでは、、、
こんな具合で、気難しい大先生との会話はうまくいかない。
(余談だが、大学生の時、経済学用語の「IS Curve」が何かグーグル大先生に質問したところ「曲線であります。」と翻訳して返された時にはお腹がちぎれるかと思った。それから約5年、今調べたら「ISカーブ」という普通の回答を返してくるようになっていた。それはそれでなんか寂しい)
だらだら書いてきたが、一番言いたいことは何か。
「もし自分が前教えてあげたことを偉そうに話していても、優しく指摘してあげてね」
優しい世界やっほい。
おわり。
2023.7.4 23:16
木戸泉 古酒10年熟成 を飲みながら
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