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小学生の国語学習について・前編

〇〇であるのは、どうしてですか。
〇〇とは、どういうことですか。

国語の文章題によく見られる問いかけです。
大人にとっては、どうということのない、
さほど難易度の高くない問題だと思います。

しかし、子どもたち、
特に国語が苦手と感じている子どもたちにとっては難しいのです。
どうしてだと思われますか。

こうお尋ねすると
「どうして難しいのだろう」とお考えになったと思います。
そうです。
「どうして」と聞かれたら、
どうしてなのか、その理由を自分で考えて答えます。

しかし、
先ほどの問い「〇〇であるのは、どうしてですか。」は違うのです。
「〇〇であるのは、どうしてなのかを筆者が述べています。
本文中にその理由が書かれていますから、
それを読み解いてつかんで答えましょう。」
このように親切に問いかけてはいませんが、
実際にはこうした意味の問いかけです。

「どうしてですか」と問われていても
「自分でどうしてか考えて答えてはいけない」
この「お約束」を知っている必要があります。

それは、
ここで問われているのは、自分の考えではなく、
「筆者が述べている〇〇である理由」をつかむこと、
因果関係の把握をすることだからです。

その他に
「たとえば」「つまり」を使って述べられる、具体・抽象の関係や、
比べて考えるという対比の関係を把握することも大切です。

それは、文章がこの三つの柱によって書かれているからです。

この三つの柱をつかむためには、
文章中の言葉を拾い読みしてはいけません。
丁寧に正確に読む必要があります。

しかし、丁寧に正確に読もうとすると、
言葉一つ一つを読む・逐字読みになり、
時間がかかります。

だからといって、速く読もうとすると、
読み飛ばし・飛ばし読みになります。

速さと正確さはトレードオフの関係にあるといえます。

速さと正確さをバランスよく高めるために必要な、
このトレードオフの関係をつなぐものとは何でしょうか。

読解の「お約束」や速さと正確さをつなぐものを
どのようにして学習していったらよいのでしょうか。

【後編へ続きます】

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