エルピス 最終回 感想

エルピス最終回痺れたな。あっというまだった。すぐに感想をまとめられず今更ながら、感想を残しておく。

恵那の覚悟がすごかった。序盤の恵那が戻って来て、さらにそれを超える覚悟だった。覚悟を決めた表情と佇まいに圧倒された。
一度は番組を背負う立場として、番組に関わる人がたくさんいて、それぞれに生活があって、番組を終わらせられないから冤罪のことを報道するのは難しい、と岸本に言った。

でも、今回は違った。報道するカードと報道しないカード。報道するカードを切れば番組存続も危うい、政治・経済にも計り知れない影響が出るかもしれない。でも、恵那は人を信じ合えることの素晴らしさを知った。これ以上裏切りたくなかった。これ以上犠牲になる人をだしたくなかった。斉藤に丸め込まれず、最後まで真実を貫いた。

全てをやり尽くし、牛丼を食べるシーンが、ここまでの内容、恵那が食を受け付けなかったこと、岸本とのカレーなら食べれたこと、いつもがつがつと食べていた岸本、挫折以降食べられなくなった岸本、斉藤となら食事を楽しめた恵那、また調子が悪くなってきた恵那、を見て来たからこそ、刺さる。

また、チェリーさんと松本がカレーとケーキを食べるシーンで泣きそうだった。

全て解決したわけじゃないけど、新聞社の笹岡さんもインタビューで大門を詰めていた。村井さんと岸本は新しい会社を立ち上げて、報道を続けている。

不正がすべて明るみになったのかわからないし、大門もまだ政界にいる。全てスッキリするわけではない所が、現実の世界を示唆していて蟠りとなる。ただのフィクションとして終わらず、現実を生きる私たちの方を見つめくるようである。

全て上手く行くわけではない不条理さ、その中で信頼できる人がいること、自分の行動誰かにとっての信頼や希望となっていること。

最後の恵那の言葉

どっちが善玉で、どっちが悪玉とか、本当はないらしいよ。
この世に本当に正しいことなんて、たぶんないんだよ。
だから、正しいことをするのは諦めて、代わりに夢を見ることにしようよ。

誰かにとっての行動の後押しをするような、最後まで権力、圧力、見えないけど大きく作用する力と戦い続けたドラマだった。本当はこんな一言でまとめられないくらい見応えたっぷりのドラマだったのだけど、上手く言葉にできず、じっくり噛み砕いて、心に刻んでおきたい。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?