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Dual Bridge Capital 1号ファンド設立に寄せて

【2023年12月18日追記: 追加ファンドレイズの内容を反映させました】

2023年10月4日、株式会社Dual Bridge Capital(デュアル ブリッジ キャピタル)は1号ファンド設立を発表致しました。ファンド規模は2023年12月時点で約60億円で、ファイナルクローズ時には最大75億円を想定しています。大切な資金をお預けいただいた出資者の皆様をはじめ、多くの支援を賜った関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

Dual Bridge Capitalはミダスキャピタルグループ内で初めてのベンチャーキャピタルファンドとして、主にシード/アーリーステージ企業へのリード投資やIPO直前のレイターステージ企業への投資を行います。私自身も運営会社の株主及びファンドGP(General Partner)として経営にあたります。

そこで本noteでは、これまでマジョリティ投資を原則としてきたミダスキャピタルがVCファンドの運営を本格化する背景やDual Bridge Capitalが我が国スタートアップ産業で担いたい役割といった、プレスリリースでは書ききれなかった考え等を記したいと思います。

なぜミダスがVCファンドを始めるのか?

ミダスキャピタルでは「世界に冠たる企業群を創る」というビジョンと「傑出した才能と技術を集め、世界に新たな価値と景色をもたらす」というミッションを掲げ、バイアウト(買収)や新規設立、現物出資によるオーナーファンド組成といった様々な手法を活用し、自己資本で運営するファンドを通じて13社の企業群の筆頭株主となっています。その多くで、過半株式を保有するマジョリティ株主でもあります。

これまで企業群各社の成長を支援するため、優秀な人材層の開拓、紹介や各社経営陣同士の相互扶助、及びM&Aやファイナンスといった非連続なコーポレートアクションの実行促進に力を入れてきました。詳しい取り組みについては以下のnoteや動画もご参照ください。

例えば、ミダス企業群各社の経営陣からのリファラルでの人材紹介やテクノロジー系人材、若手人材向けの交流会やキャリアセミナー、無償プログラミングスクールの運営等の実施により、約3,000名の独自のネットワークにアクセスが可能となっています。

ミダス企業群には上場企業のトップマネジメントとして時価総額1,000億円以上を自ら達成した経営陣やゼロから時価総額数百億円のグロース企業を創り上げたオーナー経営者が複数名在籍しており、こちらも一般的なファンドや企業にはない独自の価値であると考えています。

一方で、自己資本でのファンド運営や原則としてマジョリティ株式を保有する投資方針から、ミダス企業群の数は現在13社で、今後もある程度漸増的に拡大していく見込みです。VCファンドであるDual Bridge Capitalの設立によって投資対象を拡大し投資先企業数がより増加することで、大規模な人材プールや多様な経営ノウハウといったミダスグループの資産を最大限活用していきたいと考えています。

また、これまでのミダスグループの運営の中で、グループ内での活用度合いが高いほどこれらの無形資産は更に集積が進む実感を得ており(優秀な人材のリファラル採用が増えることで更にリファラル採用プールが拡大する等)、Dual Bridge Capitalでの取り組みがプラットフォーム全体の価値最大化に繋がるとも考えています。

もちろん、上記を通じてこれまでは投資方針の観点からそのほとんどを見送らざるを得なかった純投資機会を適切に捉え、ファンドとしてのリターンも追求してまいります。また、ミダスファンドとは異なりDual Bridge Capitalでは通常のVCと同様に外部投資家にLP(Limited Partner)として参画頂いており、ソーシングや共同投資、バリューアップに関して広範な連携をさせて頂くことで、ミダスグループ全体とステークホルダーの方々との関係性を深めていきたいとも考えています。

なお、Dual Bridge Capitalに係る全体的なスキーム図は以下の通りです。ミダスキャピタルグループからの支援を受けつつ、GPが単独で意思決定を行う独立系VCとしてのガバナンス構造を保てるようにしています。また、マイノリティ出資はDual Bridge Capital、マジョリティ出資はミダスファンドという形で投資対象の棲み分けも恣意性を排除して行います。

Dual Bridge Capitalがスタートアップ産業で担いたい役割

Dual Bridge Capitalは「世代や産業を代表する傑出した経営者の輩出」をミッションに掲げ、「第一線であれ」、「成功の変数であれ」、「最初の相談者であれ」という3つの社内向けバリューを標榜しています。

特に「成功の変数であれ」というバリューには思い入れがあります。米国に比べて投資金額やユニコーン社数が100分の1、または数十分の1程度とまだまだエコシステムが未成熟な我が国において、VCが持つべき視点は「いかに正解の選択肢(起業家やスタートアップ)を選ぶか」ではなく、「いかに選んだ選択肢を正解にするか(企業価値向上にコミットするか)」であると信じています。

これまでミダスキャピタルは経営株主として、事業領域の選定や経営体制の組成、ファイナンスの実行といった企業価値に与える影響が大きい局面で企業群各社と共に汗をかいてきました。Dual Bridge Capitalにおいても、特にシード/アーリーステージにおいては基本的にはリード投資家として、投資先のスタートアップに求められる範囲で一般的なVCよりも企業価値向上に深く貢献したいと考えています。

前述したようなミダスキャピタルグループの無形資産、特に人材プールを活用した支援に加え、拡張性のある事業領域の選定、及び創業期からPost-IPOまでを見据えた戦略的なファイナンスにおける価値貢献を目指します。また、IPO前の段階から積極的にM&Aを展開していく経営戦略にも注目しており、これまでのミダスキャピタルやGPを含むグループ関係者個人としての経験を活かせればと考えています。

経営体制とGPについて

Dual Bridge Capitalの代表パートナー及びGPには、伊東駿と寺田修輔の2名が就いています。伊東さんは新卒でフューチャーベンチャーキャピタル株式会社に入社した後、ニッセイ・キャピタル株式会社で投資部長を務める等、10年超にわたって一貫してベンチャーキャピタリストとしてのキャリアを歩んで来られました。

Dual Bridge Capitalの投資委員会は伊東、寺田の2名のみで構成されており、また、全ての投資候補先に対してGPのいずれかが主担当としてコミュニケーションを取らせて頂きます。このため投資までの意思決定は最短2週間とする等、スピード感を大切にしています。

ちなみに昨年からファンド設立の準備を進める中で、GP2名の関係性についてほぼ全てのLP候補の方々からご質問を頂きました。伊東さんと私は7年来の付き合いで、共通の友人の経営者への壁打ちをしているうちにお互いの仕事についても定期的に情報交換をするようになりました。伊東さんは筋金入りのベンチャーキャピタリスト、私は投資銀行や上場企業のCFOと異なる立場からグロース企業に携わり続けてきたので、それぞれの視点が新鮮だったように思います。

ミダスキャピタルグループ内でVCの旗揚げをしようと決めた時に真っ先に声を掛けたのが、キャピタリストとしての実績や誠実な人格をよく知る伊東さんでした。当時ニッセイ・キャピタルの最年少投資部長に就任したばかりで退職や独立など全く考えていなかったそうですが、上述した取り組みの意義や独自性の議論を重ねる中でご一緒できる運びとなりました。ミダス企業群では直接、間接的な紹介で経営陣に加わって頂くリファラル採用が多く、今回も様々なご縁に感謝しています。

共通の友人と伊東、寺田。この頃は一緒にVCをやるとは微塵も想像していませんでした。

【告知】起業家、未来の仲間の皆様へ

Dual Bridge Capitalでは2024年1月5日(金)18時より、起業家、経営陣の皆様向けに設立説明会を開催し、代表パートナーの伊東、寺田より投資対象やフォローアップへの考え方について詳しくお話させて頂きます。資金調達予定の有無やステージ、業種にこだわらず、スタートアップ関係者の方であればどなたでもご参加可能ですので、お気軽にご登録ください!

また、我々と共にビジョンを追いかけて頂けるベンチャーキャピタリストの募集も開始しています。創業メンバーとしてVC自身のスタートアップ期に挑み、楽しめる希少な機会かと思いますので、関心おありの方は是非以下のからご応募頂ければ幸いです!



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