しゅうて

北海道在住。

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マルクス『資本論』を読んだふりをする方法

マルクスの『資本論』は一部の読書家にとって憧れの本であり、『カラマーゾフの兄弟』や『失われた時を求めて』らに匹敵する「通読しているとカッコいい本」である。 そのせいか、自身の教養を誇るために『資本論』を通読したふりをする人々がネットには溢れかえっている。 しかし、『資本論』は難解な哲学書などに比べると平易に書かれており、素人向けの解説書も数多くあることから、きちんと通読した人も多く、そういった人から見ると上記のような「知ったかぶり」はすぐに見抜かれてしまう。 本稿では、

    • 本を勧める(2/3)

      ↓の記事の続き。 5. 森博嗣『工作少年の日々』筆者の工作に対する喜びをストレートに語ったエッセイ。 内容は筆者がしてきた工作の話がハイテンションに語られるだけなのだが、筆者はとにかく幸せそうである。人間の幸福の根源的なところに「ものをつくること」があるのではないか、と問いかけてくる一冊。 また、読んでいて「ところでお前は何を作ってるんだ?」と問うてくる批判の書でもある。 6. 安達哲『さくらの唄』Amazonの内容紹介を読むと「青春漫画の金字塔!!」とあるのだが、そ

      • 本を勧める(1/3)

        人に本を勧めることは難しい。「勧められた以上は読まねば」というプレッシャーを与えるし、勧めた本がその人の好みに合うとは限らないからだ。 しかし、そういったリスクを冒してでも人に本を勧めなければならない場面は存在し、俺は今まさにその場面に直面している。(求められたから) そこで今回、お勧めの本を10冊選出し、その中から読む本を選んでもらうことにした。選出においては、前提知識が要らないもの、寝っ転がって読めるものを優先して選んだ。 1. 宮崎駿『出発点』『折り返し点』宮崎駿

        • 『ノルウェイの森』を読んでいなかった

          村上春樹の『ノルウェイの森』はとっくの昔に読んだものと思っていたが、実は通読していないことに気が付いた。 それで改めて読んでみると、これがべらぼうに面白い。良いところを挙げていくとキリが無いのだが、好きな点を2点ここで書いてみたい。 1. 客観的な事実が分からない構造読んでいる最中はあまり意識しないのだが、本作は「僕」の手記という体裁を取っている。 そして本作中、この手記の内容を裏付ける客観的な事情はほとんど書かれないため、読者は「僕」の手記の真実性を確かめることができ

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        マルクス『資本論』を読んだふりをする方法

          YouTubeで好まれる学術系の話題

          YouTube戦略の本を読むと、「YouTubeはお勉強の場ではない」という記載があったりして、学術系の話題は避けるべきとの通念があるようなのだが、そういった話題でも登録者数を伸ばしているチャンネル・話題は存在する。 1. 自然科学系 自然科学系で最強はヨビノリで、登録者数は100万人を突破している。 その他、物理学・数学の動画で単発で伸びているものはたまに見かける。 「数学が嫌いな人しかわからないあるある」を見た数学科あるある(237万回再生) 京大生、数学科の休

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