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セコとタツマのウェア選び…悩むよね

狩猟には鳥撃ちや大物猟、セコとタツマの役割につきセコが獲物を追い出してタツマの射手が撃つ巻狩、あるいは山を歩きフィールドサインを見ながら足をつけて獲物を見つける渉猟、忍び猟、単独猟など、さまざな猟の形態があります。
それぞれの猟の詳細については、ネットや専門書等に掲載されているとおりなので調べていただければと思います。
また、猟のスタイルや猟場、環境などの条件によってウェア選びは変わるため、あくまでも狩顚童子の場合…というケースで参考にしていただればと思います。

さて、狩顚童子では大物猟の巻狩がメインですが、若いハンターが多いので必然と集まればやはりオシャレなウェア選びが話題の中心になることがしばしば…。

セコとタツマで異なる圧倒的運動量の差

タツマから離れた一山向こうから追い上げていく「セコ」。
猟場にもよるが、山中のモノ道やブル道などを高度を変え登り上げたり少し下ってみたり、フィールドサインを読み、タツマの方へとモノを押していく。
犬を使わない場合は、とにかく声や物音を出しながら歩くためこれがなかなかの運動量だ。
猟銃、無線機、ナイフ、実包、飲み物などに加えて、身を包むウェア、ブーツや長靴の重さが加わわり、必要最低限の装備品だけでも簡単に5kgは超え、更にウェア類の重さを加えればアスリートのトレーニング並の負荷だろうか。

タツマはそれぞれのタツに付きモノが跳んでくるのをひたすら待つわけだが、とにかく厳冬期のタツマは寒さとの戦いだ。体の冷えもそうだが、何より手足が真っ先に凍えてくる。また、タツマに行くまでがひたすら登りという場合もあれば、わずか歩いて着く場合もある。

セコもタツマもストップ&ゴーなわけだが、特にセコはほとんどゴーばかり、タツマはストップばかりと思ってよいだろう。場所にもよるが、とにかくセコは歩く。楽な尾根筋ばかりではないし、頭まで登り上げるとなれば50m高度を上げるのも一苦労だ。着る物1枚違うだけで荷重的負荷や、関節・可動域への負荷特に足の屈伸や上げ下げにかかる負担が異なる。

セコは運動性・タツマは防寒性

素材の詳しい性質などはお調べいただければと思う。
初冬、厳冬、春先と時期によってもちろん工夫が必要だが、セコ向きのウェアはブッシュ素材のパンツやシャツがオススメだ。
ブッシュ素材のハンティングウェアは、耐久性はウール製品よりも期待でき枝や植物との擦れにも相当有利だ。
ただし、防寒性や防風性はウールに比べるとほぼ期待できない。しかし何よりの強みは安価で耐久性と軽量性に優れており山を歩きやすいという点だ。
また、ウール製品は自宅での洗濯が難しかったりするが、ブッシュ製品は自宅での洗濯が可能ということも大切なポイント。
ブッシュ系ハンティングシャツにハンティングパンツ、更に透湿防水性能のあるハンティングジャケットを羽織れば防寒性も担保でき良いだろう。とは言え、ウール素材のハンティングウェアが適していないと言うことではなく、ハンティングウェアにはやはりウール最強説は変わらず健在だ。

一方、タツマ向きのウェア選びだが場所によってタツマまでの距離がかなりある場合だとセコ寄りのウェアを意識する必要があるだろう。

人セコの場合、結果がはっきりするまでかなり待たされる。
じっと寒さに耐えなければならず、とにかく防寒性のみを重視して差し支えないだろう。
タツマ向きのウェアはウール素材のハンティングウェアが防寒性に関しては有利だ。
しかし、高価で厚くてデザイン性も少々…。国内の有名ハンティングメーカーから販売されているジャケット類を上に羽織れば見てくれは最強だが、重ね着が増えれば可動域への負担や荷重の負荷で疲れる。
時期に合わせて、雪が積もり日中も氷点下を下回る厳冬期なら見てくれを気にせず迷わずウールをチョイスしたい。

ここで、セコでもタツマでもウェア選びで大切なポイントをお伝えしたい。

重視すべきは「インナー」
ウェア選びは見えないところにお金をかける!

セコとタツマの運動量や置かれる環境下の違いから、適した素材や機能のウェアを選ぶことをオススメするわけだが、共通して押さえていただきたいのは「インナー」だ。

重ね着による負荷、疲労感については先述したが、防寒性を求めるあまり、国内有名ハンティングメーカーのジャケットスーツの下にソフトシェルジャケットスーツを重ね着していた時期があった。
確かに暖かかったが、とにかく膝を曲げにくい、歩くともなれば重いウェアに余計な体力が必要となった。

セコでもタツマでも重要なのは、いかに軽く、いかに防寒できかつ汗冷えを防げるか…である。
そこで、とにかくインナーは高くてもスポーツブランドの高機能インナーを購入し、必要なら2枚重ね着すれば十分その効果を実感できるはずだ。

ハンティングウェア選びは、どうしても見えてる部分、外側にしか目がいかないことがある。それでは高いウェアをいくつも買う失敗の繰り返しになりかねない。
見た目にもこだわることで気持ち良く狩猟ができるが、ファッショナブルに山へかっこいいウェアを着ていくことが目的ではない。
何のためにウェアを選ぶのか、山に何をしに行くのか、これから狩猟を始める方は、とにかく先輩の失敗談をたくさん聴き、参考にしていただきたい。

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