会沢修也

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記事一覧

エントロピーを最大にする分布

確率分布に対して、エントロピーという量が定まります。 $${H(p(x)):=\sum_x -p(x)\log p(x)}$$ これは「情報量」を表す量であり、熱力学(物理)的なエントロピーとも対応す…

会沢修也
5か月前
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ラプラシアンの座標変換の公式

1.概要極座標などの座標変換を考えるとき、ラプラシアン$${\Delta :=\frac{\partial^2}{\partial x_1^2}+\cdots+\frac{\partial^2}{\partial x_n^2}}$$がどのように変換さ…

会沢修也
5か月前
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すうがくぶんかアドベントカレンダー2023 12/8 「2項定理のq-変形」

すうがくぶんか講師の会沢です。すうがくぶんかアドベントカレンダーの一環として、最近研究で使った「2項定理のq-変形」に関する解説記事を書きました。 冒頭では高校数学…

会沢修也
5か月前
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エントロピーを最大にする分布

確率分布に対して、エントロピーという量が定まります。
$${H(p(x)):=\sum_x -p(x)\log p(x)}$$
これは「情報量」を表す量であり、熱力学(物理)的なエントロピーとも対応する興味深い対象です。この記事では、「情報量」であることの直感的なモチベーションを回収し、どんな確率分布だとエントロピーが大きくなるか、について考察します。

1.エントロピーの意味エントロピーの表式$

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ラプラシアンの座標変換の公式


1.概要極座標などの座標変換を考えるとき、ラプラシアン$${\Delta :=\frac{\partial^2}{\partial x_1^2}+\cdots+\frac{\partial^2}{\partial x_n^2}}$$がどのように変換されるかは重要なテーマです。最も顕著な例は、(水素原子のシュレーディンガー方程式のように)ラプラシアンが現れるPDEでなおかつ球対称性を課したい場合が

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すうがくぶんかアドベントカレンダー2023 12/8 「2項定理のq-変形」

すうがくぶんか講師の会沢です。すうがくぶんかアドベントカレンダーの一環として、最近研究で使った「2項定理のq-変形」に関する解説記事を書きました。
冒頭では高校数学レベルで楽しめる、2項定理の味わい方も載せています。

1.通常の2項定理とその拡張まず高校数学でも扱うような、通常の2項定理とは次のようなものでした。
数$${a,b}$$に対して、

$$
(a+b)^n = \sum_{k=0}

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