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地形がうみだすもの 名護の海岸と読谷のシムクガマ

沖縄本島の北部に位置する名護には、美しい海岸線が広がっている。海岸沿いに目を向けると、背の高い島々が点々と浮かんでいる。その一つ一つの島が特異な形状をしており、それぞれ異なる風景を提供している。

泥質片岩が一部が剥き出しになっている。これらの岩石は、太平洋のプレート移動と衝突により隆起したものだ。沖縄本島の北半分は火山やサンゴ礁の島ではないことを物語っている。

名護。海岸沿いにはこうした背の高い島がいくつか目にする
泥質片岩。岩がプレート移動により圧縮されて出来る地質
浅瀬で役立つ舟
透明度の高い海



名護を南に位置する読谷には、シムクガマという、「下向く洞窟」と名付けれた洞窟がある。これは石灰岩が溶けて空間ができた鍾乳洞で、沖縄にはこうしたガマやガーと呼ばれる洞窟が多く存在する。これらの洞窟は自然の造形美を見せており、また歴史的な出来事の舞台となった場所でもある。

1945年3月、米軍が読谷の地に上陸した際に、約1,000人がこのガマに逃げ込んだ。しかし、彼らは集団自決に陥ることはなかった。その理由は、ハワイ移民から帰国した2人が「アメリカーガー、チュォクルサンドー(アメリカ人は人を殺さないよ)」と語り、ここに隠れた人々を説得し、集団自決を避け降伏させたからだという。

森のなかへ通じる道
小さな森の底に、石灰岩が溶けて空洞になったガマがある。読谷はサンゴの上にできた島だったか。
救命洞窟の碑。
ハワイ移民からの帰国者2人が「アメリカーガー、チュォクルサンドー(アメリカ人は人を殺さないよ)」と、ここに隠れた人々を説得し集団自決を避け降伏させたという。
小さな川の水がこのガマへ流れて、暗闇の方へ消えて行っていた

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