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既存ユーザのコンテンツが新規ユーザを連れてきてくれる

技術広報なのでマーケや購買意思決定について学んだことを書く。

既存ユーザのコンテンツが新規ユーザを連れてきてくれることを学んだ。ユーザ体験を元にした「ユーザの声」こそが、新たなユーザを集める土壌になる。

本日はこの本を参照し、記事に登場する引用や図はこちらから引く。そのため各図では引用元を表記しない。

ユーザの評価は4回。それぞれ名前がある


Moment-Of-Truth(MOT)とは、決定的瞬間、最後の審判の瞬間など「判断」を意味する。

ここでは初対面から4回のチャンスを与えられるとしている。

  • Zero-MOT: 第一印象、初対面、認識時点

  • First-MOT: 購入時点(もしくはトライアル)

  • Second-MOT: 使用とレビュー

  • Third-MOT: リピート

自分の体験に翻ってみると

  • 見たときの印象

  • 購入時点での印象

  • 使ってみた感想と、それを現に使うか

  • それを継続利用するか

と段階を経ることに一致する。

わたしたちが今使っているものは、この4枚のフィルタを通過した者たちが残っていると見なせる。

実は第一印象(ZMOT)が購入(FMOT)するかどうかを決定しているそうだ。つまり買う前に勝負は決まっているそうだ。

買う前に「第一印象(ZMOT)」は決まっている

第一印象、つまりZMOTはなんと「リピート客の声(TMOT)」で決まるそうだ。

口コミで物を買ったりレストランに行ったことはあるだろうか?
それは他ならぬリピート客の声(TMOT)である。

時系列ごとのパフォーマンス遷移。買われても印象やパフォーマンスが悪ければ後に伸びない。
象限の中では横軸:時間、縦軸:Peformance

買った時点の声(SMOT)が良くても、リピーターの声(TMOT)が悪ければ「悪い」評価になっていく。

いくら印象が良くて買ってもらえたとしても、その後のパフォーマンスが悪ければ使い続けてもらえない。

継続利用している人の声(TMOT)が良い = 4枚のフィルタを通ってもなお好評

リピーターの声が良いことは、その価値が継続的に愛されており、実力が伴っていることを証明しているわけだ。

この声を聞きつけて、新規顧客(ZMOTの対象者)がやってくる。
つまり、リピータの声が新規顧客獲得の土壌を作ってくれる。

「口コミ」はフェーズごとに伝わる意味が変わる


ユーザ体験のフェーズごとに生み出されるユーザコンテンツがZMOTを形成する

実は、前述の4段階それぞれに「口コミ」の種類がある。

  • 期待や意向(ZMOT): 購入前や見たときの印象

  • 報告(SMOT): 購入時点での印象

  • レビュー(SMOT): 使ってみた感想と、それを現に使うか

  • レコメンド(TMOT): それを継続利用するか

フェーズが深まるに連れて、どんどんと「誰が」発信しているかよりも「何を」発信しているかに重きが置かれるようになる。

レコメンドレベル(TMOT)になると「何をもってして推しているのか」その中身が大切になる。その積み重ねに信用が置けるならば、「選ぶ理由」になっていく。

もちろん「誰が」も重要だが、量の積み重ねによって「選ぶ理由」になるケースも有る。amazonのレビュー数などがその一例だろう。

ユーザがファネル通過の「どのフェーズ」にいるかを考える

広報の仕事は、なんだろうか。おそらく以下だろう。

その会社に所属することに価値を感じている人たちの気持ちや会社の良さを「外が理解できる形」で言語化する

特に技術広報として働くならば「現場のエンジニア」の声を言語化し、外へ表出していくことがもっぱらの仕事だ。

表現の幅はあれど、所属社員を「会社での出来事を体験するユーザ」と見なすことが出来るだろう。

しかし、専任広報として働く限り、「ユーザコンテンツ」そのものを自らの手で書くことは出来ない。何故なら自分が現場のエンジニアではないからだ。

つまり、広報とは「ユーザコンテンツを生む役割を代替」する役割である。では、どのような意識でそういったコンテンツを届けると良いのだろうか。

誰のためにコンテンツを作るのか

第一印象(ZMOT)〜リピータの声(TMOT)に至るまでには、ファネルの通過を経る。

購入前後でPre, Postと呼ばれる。
一般に購入までをファネル呼ぶ。
この記事では"推奨"までを「ユーザ体験」と呼んでいた。

ここでいう満足・熱狂および推奨レイヤの声、つまり「社員の気持ちの言語化」がまさにリピータの声(TMOT)となる。

その声が新規・潜在顧客を呼び込む土壌を作ってくれる。

ユーザは情報発見のフェーズごとに問そのものを変えている

しかし、それだけでは理解が浅い。

おそらくファネル通過のフェーズごとに、「ユーザが必要とする情報の性質」も変わる。それは「ユーザの理解度」が変わるためである。

口コミの4段階にもあったとおり、そのフェーズごとに生成されるコンテンツの性質が変わる。それは対象物に対するユーザの理解度そのものが変化していることにほかならない。

ファネル通過フェーズによって、問が変わり必要となるコンテンツが変わる

以下の図は、ユーザが必要な情報を発見するまでに問と思考を重ね、その都度で問を解決する情報やドキュメントに当たることで、最終的なゴールに到達する過程を描いている。

ベリー摘みモデル 引用:『情報アーキテクチャ』

ユーザは情報要求(クエリー)を公式化し複雑かもしれない道筋に沿って情報システムの中を繰り返し動き回ります。その中で情報のかけら、「ベリー」をつまみ出していくのです。このプロセスでユーザは「自分が本当に必要なのはなにか」と「そのシステムからそのような情報が得られるのか」をより詳しく知るに連れて、情報のニーズを変更していきます。

『情報アーキテクチャ』

この情報発見の旅路を一回のファネル通過とみなしたとき、個々で必要となる情報の特性は異なることが推測できる。

何故なら「ユーザが持っている問そのものが変化しているから」である。

問そのものが変化しているならば、それに答えるコンテンツの性質も個々別のものになるはずだ。

ゆえに、コンテンツ作成をする場合、そのコンテンツを消費するユーザがファネルのどこに居るのか、どのようなニーズを持っているのかを想像し、そのニーズに答えるように書く必要がある。


ニーズは、想像だけではなく実際に聞く必要がある。

リピータの声(TMOT)を単に外に表出するのではなく、そのユーザニーズ、もっといえば、フェーズ理解を含めた狙いのある切り出しが必要となる。

この切り出し方の精度を決めるのがユーザニーズの調査であるし、それは文化人類学のような泥臭い現場での観察と分析なのだろう。

来週からインターンへ参加する。
現地調査やっていき。



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