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「君たちはどう生きるか」を君たちはどう観るかってこと?

先輩におすすめされて、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」を一緒に観てきた。僕は初めて、先輩は2回目。先輩曰く、クライマックスらへんで、ちょっと違和感のある面白いシーンがあるらしく、それを共有したいらしい。

この映画の一つの特徴でもある、ポスタービジュアル以外の宣伝を一切しないという戦略にまんまと引っかかり、映画館に入る前から僕もこの映画が気になって仕方がなかった。ネームバリューのある宮崎駿だからこそ可能になる大胆な賭けなのかもしれない。

20:00上映開始のレイトショーだったが、会場は前の方の席を除いてほぼ満席だったから驚いた。この中に絶対1人は知り合いがいるだろうと思っていたら、隣に座っていた先輩も同じことを言ってきた。みんな考えていることは同じなのかもしれない。ディズニーランドに行った日がたまたま晴れだった場合に、絶対メンバーのうちの誰かしらが「私、晴れ女だから」「俺、晴れ男だから」というのと同じだと思った。でも、これから観る映画はディズニー作品ではなく、スタジオジブリ作品だ。紛らわしいことを思ってしまって申し訳ないと思った。思っただけ。

いつも思うけど、映画が始まる前の、別の映画の予告映像の時間って意外と長い。10分くらいあるから、別に急いで時間通りに入らなくてもいいはずなのに、今回も20:00前には席に着いている僕たち。今日はいつもより予告の時間長いな〜って思い始める頃に、本編が始まるから、その点においても、僕は映画業界の裏の人の手のひらに転がされている感じがする。別にいいけど。

まあ、そんなこんなが映画が始まり、無事にエンドロールが始まる。ヨネちゃんか〜と思いながら余韻に浸る。木村拓哉は分かった。木村佳乃もわかりやすかった。でも正直、菅田将暉とあいみょんはマジでわからんかった。あいみょん!あんた声優もできるんかいな!すごいな!(全オレが絶賛)

ネタバレは含めないつもりですが、まだ観てない人は本当にまっさらな状態で観たほうが面白いと思うから、観てから読むのをおすすめします。(ヨネちゃんとかキムタクとか言っちゃったけど)自分もまっさらな状態で観る映画というのは、よく考えてみたら初めてかそれに近いかもしれないから、新しい経験が出来たと思う。

真っ直ぐに、観た直後の感想を述べますと、








分からん!!分からんよ!!ハヤオ!!

です。あらすじもよく分からんし、結局どうなったかも分からんし。こちとらネタバレのしようもないんだわ!おい!ってなりました。あのシーンや、そのシーンを思い出すたびにどんどん分からなくなっていくこの感じ。僕はそういうの大好きだ。(好きなんかい)

この映画の見方はたくさんあると思う。そして、ストーリー自体、正直そんな面白くない。(おい)
そんな映画を君たちはどう観るか?っていうハヤオからのメッセージなのか。

駄作だ!金返せ!って言いたくなる人の気持ちも分かる。

この作品は実に奥深い、何度も観て、隠された真実をこの頭で解き明かしてやるぞ。待ってろ、ハヤオ!ってなる人の気持ちも分かる。

でも、本当に嘘無しで言うと、僕はどっちかと言えば前者の気持ちに近い。金返せ!とまでは思わないけど、ハヤオやってんな〜とは思う。わかる、思考を放棄してひたすら否定することは分かりやすくて攻撃力もあって気持ちいいからこそ、浅はかな人間だと責められても反論できないというのはわかる。でも、ストーリー展開と、随所の意味付けに関して、さすがに観る人を乱暴に振り回しすぎでは?と。かっこつけてんのか、頭悪いのか知らんけど、観客に理解させる気ないよね?って言いたくなる。謎ばっかり散りばめて、観客の考察意欲をそそり、何度も劇場に足を運ばせることでがっぽり儲けようとしているのか、というゲスい考えもよぎる。でも、たぶんそうだよね。

主人公の名前、「マヒト」か「マキト」か最初分からなかったの、僕だけじゃないはず。どうでもいいけど。

先輩の言ってた、クライマックスらへんの面白いシーンは確かによく考えてみたら、面白かった。あいつなにがしたかってん。

夏子、あんま好きになれないかな。

アオサギちゃんも、ごめん、あんま好きじゃない。

おばあちゃんたち、愛おしい。長生きしてな。

ほら、ネタバレしようとしてもこれくらいしかできない。

「あらすじだけ教えて」ってまだ観てない人に言われても、「まあ、アオサギがキモくて、カエルがキモくて、ペリカンがキモくて、でもインコがいっちばんキモくて、異世界に行って帰ってくるお話だよ。」としか言えない。こんな訳の分からないストーリーだからこそ、宣伝をしない戦略が刺さったのかもしれない。確かに、公式からの情報は最低限だし、観た人から聞いても何も分からないし、自分が観るしかねえってなるのかもしれない。

ここまで、散々ディスったような言い方をしてきましたが、僕はこの映画、意外と大好きです。(好きなんかい)宮崎駿感満載の絵のタッチと、映像の美しさ、儚さ、壮大さ、勢い、迫力、そして音響もとても良かった。脳みそは疲れるけど、目で見ているものはひたすらに美しかった。ただ、ハヤオの策略に乗るのは悔しいので、映画館で観て考察するのはあと2回までとします。(しっかり観るやん)

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