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【夏休み26日目】自分宛の寄せ書きが欲しい

承認欲求は無駄とはあるインターネットで有名な人の言葉であるが、とはいえ愛されたいし肯定されたいし存在していることを認められたい。

寄せ書きをもらうのがとても好きだ。自分宛の言葉が詰まった紙面ほど嬉しい贈り物はない。同人、オタク界隈のスケブという文化も同じ理由ですごく好きで、誰かが自分のために1ページ埋めてくれる、しかもそれが神絵師であったりするのだから尊いことこの上ない。Twitterのマシュマロも好きなサービスである。

とても好きといっても寄せ書きは昔16歳の誕生日に家族からひとつもらったきりなのだが、たまに引っ張り出しては眺めてにこにこしている。高校生の時や留学前に友達から書いてもらったスケブも大事にとってある。

小学校の時、みんなが毎日ひとりのクラスメイト宛に手紙を書いて、自分へのクラス全員からの手紙を冊子にしてもらえるというクラスに属していたことがあったが、あれも嬉しかった。当時好きだった子のメッセージばかり読み返していたが。

自分がもらってうれしいものなので、機会があれば人に寄せ書きを贈ることを企画しがちな人生だった。しかし実は私本人が寄せ書きを贈られたい。わがままを言えば、好きな人たちからの本気めの愛のメッセージが欲しい。尊敬できるところとかこれが嬉しかったとか、人生のフィードバックとしても読んでみたい。できれば文庫本サイズの小冊子で欲しい。それを電車でオムニバス小説を読むようにぱらぱらめくってにこにこしたい。

これだけフォトブックやデジタル入稿が一般化している昨今、メッセージを集めて文庫本にすること自体はそんなに難しくないはずだ。でも他人から本音の気持ちを引き出すのは簡単ではないし、自分宛に好意的なメッセージを書いてくれなどと言い出すのは照れくさい。書く側としての私は数行で相手に愛を伝えられるほどの文章力もなく、今まで表層的なメッセージばかり送ってきた。

心理テスト的な要領で、質問に答えていくと相手との思い出がまとまって、書き手がエピソードを思い出しやすくメッセージを書きやすくなるシステムが作れないものだろうか。文章は素材がすべてで、書き手と送り手のエピソードがユニークであれば文章が凡庸だっていいはずなのだ。

あと自分で頼む気恥ずかしさもクリアしたいので、アマゾンの欲しいものリストくらい気軽に頼めるものにしたい。私はアマゾンの欲しいものリストも自意識が邪魔して公開できないけど他にいい例がなかった。モノがあふれる現代、友達の誕生日に当たり障りのないプレゼントを買いに行く労力やアプリを開いておめでとうのメッセージを数行書くエネルギーを、心からのメッセージに変換するシステムがこの世には必要だ。

できるだけ書き手の負担を減らしつつ、上手に感情を引き出して、自分へのガチのメッセージを集めちいさな本にする。そんなアプリが欲しい。装丁もおしゃれな和柄とか選べたらうれしい。最終的には「こんなアプリ作ったから使ってみて~」とまんまと自分宛の寄せ書き小冊子を手に入れたい。
と欲望をだらだら述べて本日の日記とします。

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