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少女は白く儚き花のように――鬼方カヨコについて【ブルーアーカイブ】

 凍ったポッポ。魚マラカス。まぐろみかん。ということで、「"単刀直入に"推しを教えてください」「最推しの魅力を"限界まで"語ってください」という相反する2つのマシュマロが届きました。ありがとうございます――どうすりゃええんや❗❗

最終編2章感想記事より

 まずは単刀直入に。ブルアカの最推しは鬼方おにかたカヨコです。これまでの感想記事では「この子の夢女子になれそう」「この子に看病される妄想で高熱に耐えた」「結婚後の生活を真剣に考えた」「求婚した」という道程を辿っています。相変わらず好き放題やってんなあ……と、Howは語っていたのですが、そういえばWhyは語ったことがありませんでしたね。

 なぜ推しなのか。これも単刀直入に申し上げますと、まずはやはりこの落ち着いたクールな雰囲気声がいい。ビジュがよすぎる。一緒にいて疲れないほどよい距離感。一緒にのんびりとだらだらと映画見たい。Pink Floyd『The Dark Side of the Moon』を聞きながら夜の街をドライブしたい。

 そして、底に秘めたる思いでしょうか。カヨコは「顔が怖い」という理由で何かと周囲に誤解されがちです。おやおや、こんな路地裏にいかにも不良っぽいやつがいるぞ、何か悪いことを企んでいるに違いない、と。しかし本当は優しい子で――

 便利屋68の仲間たちを心から大切に思っており、

「雨が降ってたから、見に来ただけ。」
「……多分、大丈夫。一人でも平気な子だから。」
絆ストーリー4話

 雨の日は、猫缶を持って子猫の様子を見に来ます。

 本当に優しい子なんですよね。実は最近この子と初デートをしたんですけど、さりげなく車道側を歩こうとするし、「大丈夫? 歩き疲れてない? 喫茶店入ろうか」って気にかけてくれるし、その日の夜はモモトークで「今日は楽しかったよ ありがとう」とメッセージを送ってくれました。アフターケアまでばっちり。あたしのことを恋人として大切に思ってくれてるんだなって、すごく嬉しくなっちゃいましたね。えへへっ(存在しないのろけ話)

 でも優しいだけじゃなくて――

「にゃんにゃん~にゃんにゃん~。ふふっ、にゃんにゃん~♪」
絆ストーリー3話

 猫を見ると猫語で話しかけちゃいます。かわいいね😊

 あっそういえば私の名前は灰"猫"っていうんだ! 私とも猫語でお話しようよ!! にゃ~ん!! にゃんにゃ~ん!!😻(すりすり)

「ふ、ふざけないでよ!この変態教師!!」

 と、客観的に見れば、カヨコはいわゆる「ヤンキー捨て猫理論」をそのまま体現したような生徒です。しかし。しかし、ですよ。この子の魅力は「ギャップ萌え」という言葉だけで片づけることができません。

「さっきはあんなこと言ったけど……今は縛られるのも、そんなに嫌いじゃないから。」

 こちらは絆ストーリー4話の発言。「"今は"縛られるのも、そんなに嫌いじゃないから」――つまり、過去に縛られた経験があり、それが嫌だったと。

 たとえば、メインシナリオ(特に最終編)では、ゲヘナ風紀委員・天雨アコと繋がりがあったことを思わせる描写がありました。ゲヘナ風紀委員といえば、厳しい規律によって統制されています。自治区の治安が最悪なので風紀委員長・空崎ヒナは連日連夜のハードワーク。そんな組織にカヨコはかつて所属していたのかもしれない。もしそうであれば、アコが一目置くほどの活躍ぶりを見せ、なおかつ怖い顔を持つ彼女は、委員会内でとても怖がられていたことでしょう。

 続いてはこちら。正月カヨコのモモトーク。「便利屋に入る前は、訪問着を着て改まった場所に行くことがあった」――良家のお嬢様であることがうかがえます。当然、礼儀作法について厳しくしつけられたことでしょう。

・良家のお嬢様として厳しくしつけられた。
・「怖い顔」だからと不良のレッテルを貼られる。
厳しい規律で統制されたゲヘナ風紀委員との繋がりがある。

 これらは全て「縛られること」です。さながら、旧約聖書においてエデンの東に追放され、罪の証として額に印を刻まれたカインのように。カヨコは生まれながらにして、そして、行く先々で、誰かの所有物として烙印を押され続けてきた。彼女が自由きままな猫や、破壊的なヘビーメタルを愛するのは、そうした「縛られること」に対する反動なのかもしれません。

「縛られることも、傷つけられることもないのはいいけど……」
「でも、一人は寂しいから……」

 しかし、そんな彼女は、今は縛られることはそんなに嫌じゃない、と語っています。むしろ、「縛られることも、傷つけられることもないのはいいけど、そうしてひとりぼっちになってしまうのは寂しいことだ(だから子猫の面倒を見てあげたい)」と、子猫に思いを馳せています。「縛られること」から逃れたとしても、そこに待ち受けているのは「誰にも見てもらえない」という孤独であることを、カヨコはよく知っているのです。

 どこへ行っても同じ帰属意識の欠如、相も変らぬ徒労感だ。面白くもないことに興味があるような振りをし、ただ機械的な反応として、あるいはまた思いやりから、あれこれと奔走する。だが、何ごとかに参加しているという意識は少しもなく、具体的な、しかじかの場所にいるという感じもない。私の心を惹くものはどこか他の場所にある。しかも、その他の場所とはいったい何なのか、私には分らないのだ。

『生誕の災厄』p39-40 E.M.シオラン
出口裕弘訳

 訪問着を着ていたことを過去として語り、ゲヘナ風紀委員との繋がりは切れている。カヨコは「縛られること」から逃れた後、孤独を味わったのかもしれません。しかし、彼女は便利屋68という仲間たちに出会った。孤独ではなくなった。何かに所属することは結局のところ「縛られること」だ。けれど、そそっかしい仲間達に振り回されながら、共に楽しく過ごすこの日々は悪くない。先生と過ごすことも。そんな「縛られること」の別の形があることを知ったからこそ、今はそんなに嫌じゃないと語る。

 少し唐突ですが、カヨコといえば白と黒の髪色、肌も色白です。ということで、白色のアザレアの花言葉を紹介します――


「あなたに愛されて幸せ」



「他人が絡むことには足を踏み入れないけど、人から絡んできた時には避けない主義だから。」
「ここ、便利屋の仕事と同じでね、ふふ。」
絆ストーリー2話

 縛られること。愛されること。その二つは時に見分けがつかない。けれど、カヨコがふと見せる優しさにはやはり、生まれながらの孤独や苦しさの中で、愛される幸せを知ったその歩みを感じられます。でもまだそれに慣れていなくて、優しさやかわいい趣味を見られてしまうと(=他者のまなざしによって縛られると)、照れ臭くなってごまかしてしまう。不器用ながらも。白く儚き花のように慎ましく、仲間と、先生といられて幸せだと言外に告げている――


こんなんさあ……全力で愛してあげたくなるじゃんか……❗❗
うわあああああんカヨコおおおおおおお❗❗😭


ああもう何度でも言うよ❗❗
カヨコはかわいい❗❗
かわいいかわいいカヨコはかわいい最高かわいい愛してる❗❗


(なでなで)

 以上、鬼方カヨコについて語りました。あたしも今後は恋人として、優しくエスコートされてばかりじゃなくて、グイグイいかなきゃ。「カヨコならかわいい服も似合うよ! ほら着てみて!」って甘ロリ系の服を試着させてさ、照れながらもまんざらじゃないカヨコを見たいね。うふふっ😊

 それに、やはり最推しのことになると、限界まで語れたという気は中々しないものです。いずれ二次小説という別の形でまたお届けしたいと思います――と、宣言したからにはやり遂げないとですね。まずは資料をかき集めてきます。それではまたどこかで。

産まれてきたその瞬間にあたし
「消えてしまいたい」って泣き喚いたんだ
それからずっと探していたんだ
いつか出会える あなたのことを

消えない悲しみも綻びもあなたといれば
それでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか
目の前の全てがぼやけては溶けてゆくような
奇跡であふれて足りないや
あたしの名前を呼んでくれた

あなたの名前を呼んでいいかな

『アイネクライネ』米津玄師

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