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THE IDOLM@STER SHINY COLORS "CANVAS" 06にまつわる雑記

こんにちは。蜷川です。

気付いたら下半期突入。本当に?

CANVAS 06 といえばなぜか配信販売の開始が 2 週間遅れるアクシデントがありましたが、今回はそれ合わせでちょっと遅めにこの記事を書いています(あまり時間が取れなかった……)。

なお、本 CD においても、作詞は秋浦智裕氏が全曲担当しているので、以下のクレジット情報では作詞担当については省略します。

ちょっとだけ余談

少し脱線をすると、秋浦智裕さんといえば今シャニマス楽曲界で一番アツい人ですね。というのもシャニソンのテーマ曲『星の声』の作詞・作曲・編曲を担当されています。

作詞のユニット固定編成をしているシャニマス楽曲において、作詞担当と作曲(と編曲)担当が兼任になることは数少ないなのですが、実はこの例は『星の声』が最初ではありません。作詞作曲が同じ人なのは、シャニマスでは一番最初の曲はこの曲でした。






『いつだって僕らは』の頃のノクチルからどのように変化をしたのか、そういう観点からも CANVAS 06 を見てみると面白くなりそうです。

M1. Reflection

作曲:YUU for YOU、Ryosuke Matsuzaki 編曲:YUU for YOU、Guitar:
佐々木"コジロー"貴之、Bass:目黒郁也、Drums:SHiN、Pf:白井アキト、All Other Instrumnets:YUU for YOU

YUU for YOU さんはもうおなじみの方なので説明略でいきます。シャニマスの楽曲試聴でシャー―――ッと流しているだけでも結構な確率で出てくるでしょう。

もう一人の作曲参加での  Ryousuke Matsuzaki さんはちょうど 1 つ前の CANVAS 05 の 『BURN BURN』 から連続の登板です。

いやそれにしても音が良すぎて……。一度でいいので Off Vocal も聴いてみてください。じめっとした空気の中あたり一面降りしきる雨のようなギターと、薄暗く形を変えながらうねる雨雲のようなベース、歩みとともに傘を鳴らす粒だったドラムス、そして足元で跳ねる雨粒のピアノ。

エフェクト的に入っているシンセの音以外は生音のこの曲ですが、やはり最高のプレイヤーたちが集結した結果完成している部分は大いにあるでしょう。

中でも一番引き込まれるのが、イントロのピアノとギターのユニゾン。ここで完全に世界観が構築されます。ジャケットになっている【クリアベルトサーフェス】の映像がそのまま浮かんで見えるような、一種の疑似的な視覚体験をこのイントロがぶつけてきてくれます。

でも、1 サビ後の間奏でも同じパートになるんですが、間奏ではギターとピアノが別のフレーズを弾くことになるんですよね……。そしてアウトロの同じパートではまたユニゾンに帰ってくるという。

ずっと 離れないように手と手 繋いだままで

『Reflection』1 サビより

という歌詞のあとにユニゾンだったところが別れて、

ずっと 変わらないように手と手 繋いだままで

『Reflection』ラスサビより

の後にユニゾンに戻るのって……。最近のノクチルは「離れない」と「変わらない」に明確な違いがあることを特に「天檻」以降よく提示してくる傾向があると思っているので、まさにここが……、ね……。

……あとピアノで結構これまでのノクチル楽曲のフレーズ引用してくれるの嬉しいよね(感想)。

(おまけ)

初めて聴いたときこの曲のことを思い出していた。なんでだろ(キーが同じぐらいしか共通点がない)

M2. 夢が夢じゃなくなるその日まで

作曲・編曲:原田 篤(Arte Refact)、Bass:さと、All Other Instruments & Programming:原田 篤(Arte Refact)

作編曲の原田篤さんはCAシリーズだと『Unsung Heroes』、そのほかでは『純白トロイメライ』や『abyss of conflict』と、シャニマスではアンティーカのトリッキーな楽曲担当みたいな方です。そんな原田さんがシャニマスではアンティーカ以外で初めて作編曲で参加した楽曲ですが、なんというかそれこそ『いつだって僕らは』を彷彿とさせるようなまっすぐなガールズバンドの曲のような感じが出ています。

確かに概ねそうなんですが、やっぱりなんかちょっとだけ引っかかるところありませんでしたか……?

それは A メロの前半のコード進行です。2 番の方がよくわかりやすいと思います。

簡単に作った動画にはなりますが、↑のものを聴いてみていただくとそんな感じだな~と思えると思います。コード進行を書けば

| G     | /     | C     | /    | Am7     |  A7     |  A7sus4    | D   D  C#  |  C     |

といった感じ。あるあるな感じなんですが、実は本家はちょっと違ったんですね。

明確に何か違うところがあると感じると思いますが、それは動画での 5・6小節目になります。コード進行を書いてみると

| G     | ./.     | C     | ./.    | A7     |  A7     |  Am7    Am7-5  | D   D  C#  |  C     |

という感じ(雑に書いています)。

二つの違いを見ると前半の良くある風のものは「Am7 → A7 → A7sus4」という動きの中で和音の中にある音のうち「ド → ド# → レ」という風に半音ずつ上がっていきます。この動きで真っ直ぐ上がっていくようなわかりやすい展開を感じられます。

一方で、本来のものについては該当の部分の音の動きが「ド# → ド (→レ)」という形になっています。最初から「ド#」スタートで「レ」に繋がるケースはよくあると思うのですが、このケースはいったん前の「ド」に戻って別ルートで「レ」に行きます。感覚的な例えをすると、跳び箱のジャンプ台の上で「行きます」と宣言したのに、そこから降りて隣の跳び箱を跳びに行った、みたいな感じでしょうか。

ここ最初に聴いたとき、そういった意味での裏切られの面白さがあり、コロコロコミックの漫画みたいなズッコケをしながらめちゃくちゃ楽しくなっていました。(感想)

それはそれとして歌詞に注目してみると、今思えば「未来」に対して「呼ぶ」などのどちらかというと自らはそこまで動かない様子を描く歌詞に対して、この曲では「追う/追いかける」や「駆け出して、転んで、立って、一息」などかなり「動」な様子が描かれています。

是非歌詞を照らし合わせて読みたい 2 曲です。

M3. 青とオレンジ

作曲・編曲:涼木シンジ(KEYTONE)、Guitar:涼木シンジ(KEYTONE)、Bass:pino

シャニマス初参戦の涼木シンジさんの楽曲ですが、実はフルに限らなければ楽曲公開順としてはコメティックの『無自覚アプリオリ』が先になるというなんとも奇妙な時間軸が展開されています。『無自覚アプリオリ』との関連でいえばこの曲でベースで参加されている pino さんも同楽曲でのベース演奏も担当されているので、ぜひ聴き比べてみてください。(なんか CANVAS シリーズいつにも増してシリーズ内複数参加の作家さん多くない?(単に曲数が増えたから?))

さて、曲に話を移すと、まあ 1A 入ったところからようやりますね~~~~~~~と初聴きの時に横転。ご存じの通り BPM を一気に落としてそれが 1B まで続くというやつです。

まさか 1B まで行くとは思いませんでしたよねぇ。こういった BPM 落としで慣性で空中に放り出されるような感覚が出てくるのですが、なんだかこれまでの走馬灯を見せられているような錯覚すら覚えました。(走馬灯自体はコミュでやっている(?)のでアリなんですが)

この曲の特徴は上記の BPM 問題(問題?)が目立つのですが、曲の構造として目立つのはやはり織り重ねられた転調でしょう。

『いつだって僕らは』では転調のないまっさらでまっすぐなガールズバンド楽曲だったのに対し、この曲に限らず CANVAS 06 では意図的に転調をするようにしているのではとすら思わせてきます。

特に『青とオレンジ』についてはサビでの転調だけではなく、A→Bでの転調と 2B 内での半音転調など、動き方としてはよくあるものではありますが、うねうねと変わっていきます。

A→B→C(サビ)に対して D→F(→F#)→Gと変わっていくのですが、青(D)とオレンジ(G)があって、それを繋ぐ過程としての F の印象の残り方が清くていいね~~~。ちょっと好きすぎるな……。

あと、一つだけ声を大にして感謝を述べたいのが、Dメロの『そしていつ日かきっと』のところのコーラスを「uh」にしてくれてありがとうございます……。小糸は「uh」のアイドルで、雛菜は「ah」のアイドルなので。

(おまけ)

なんか全体的に構成としてこの曲思い出したな~。リファレンスとしてはそこそこ入っていそうね。

おわりに

CANVAS シリーズ自体全体的に「終わり」や「到達点」、「完成」を感じさせる出来上がりになっているよう感じるのですが、特にノクチルはその趣が強いように感じました。コミュもそんな感じだし仕方ないのかもしれませんね。

今回に限って言えば、『青とオレンジ』D メロの

未来は何色にでも 染めて変えていける
そしていつの日かきっと 気づくんだ自分の色に 同じ色がないことに
それでも 同じ空の下を

『青とオレンジ』Dメロより

がすべてかもしれません。

次回は SHHis 盤。気づいたらこの記事公開日から 10 日後のリリースで本当にもうすぐですね。ライブもある。時の流れ怖すぎ~~~~。

それでは~。

🐚

前:"CANVAS" 05 についての記事はこちら↓

後:"CANVAS" 07 についての記事はこちら↓


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