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Day27,「Music」Inktober2020

 初めてipodを買ったのは、確か高一だった。黄緑色のipod nanoで、自分の手の中に収まる小さな機械に、入れたばかりの音楽があるってだけで、めちゃくちゃにわくわくしたのを覚えている。
その後、深緑色のnanoに買い替えたり、インドでインド音楽が大量に入ったclassicをインド人から買ったりした。確か2000円くらいだったが、何曲か聴いたらぶっ壊れた。携帯を買ったのは高三の終盤で、その頃レディ・ガガが広告をやっていた、auのIS03だった。その後ipod touchを買って携帯を解約して携帯代わりに使ったり、就職活動のためにiphoneにしたり、ipadを買ったりしている。
思えば、その間ずっと、僕は手の中の小さなデバイスに音楽を何曲も何曲も、聴ききれないほど入れて、持ち歩いてきた。ポケットの中の音楽は、いわばお守りの様なものだったかもしれない。

 そもそも私が暮らした学生寮なんてやつは、妙に局所的な多様性が生まれる場所だった。最たる例は性癖で、便所にはありとあらゆるエロ本が揃い、時折こんな異常性癖者が、同じ建造物内に住んでいることにゾッとすることもあった。
それと同じくらい、音楽も多様化していた。思えばネットもない世界で、何故あそこまで妙なアングラ音楽が浸透していたのか分からない。あの頃はポッド野郎なんていうWindowsソフトで、ipodから音楽データを抜くことが出来、音楽は半ばウイルスの様に蔓延した。強いウイルスだけが生き残る様に、良い音楽だけ、ジャンルを横断して感染され続けたのだろうか。
そんな場所に住んでいたから、最初に黄緑色のipodに入っていたのは、友人や先輩が勝手にぶち込んだmaroon5とダニエルパウターとクラムボンとブルハとくるりとtimersと村八分とゆらゆら帝国とあふりらんぽだった。後半に行く毎に違和感が増して、最後なんてもう凶器みたいなものだ。生意気うさぎが食べちゃうってなんだ。その後サラブライトマンとかエンヤとかモンチーとかナンバガとかやくしまるえつことかbrahmanとかエアロスミスとか、もう取り留めない程色々な音楽が出たり入ったりした。
思えば、ずっと長いこと、音楽を流して生きてきた。テレビを見る習慣がないから、家に帰るといつもスピーカーに電源を入れて、何か流す。家の中の音楽は、いわば空気みたいなものだったかもしれない。

 音楽はいい。時には涙を流したり、元気に飛び跳ねたり、もうひと頑張りする気になったり、殴られた様に落ち込んだり出来る。音楽が好きだ。いつも、好きな音楽に行きあたると、めちゃくちゃにわくわくする。これからもそうだろう。そう、初めてあの、黄緑色のnanoを手に入れた時の様に。

MUSIC

1 (学問・芸術としての)音楽
the music industry [lesson]
音楽業界[音楽の授業]
1a 音楽作品,楽曲
compose [perform] music
作曲する[演奏する]
instrumental [salon] music
器楽[サロン音楽]
put ... to music
…に曲をつける
1b 快い響き,妙音(◇鳥の声・川のせせらぎ・快い言葉など)
the music of the spheres
天球の音楽(◇天球の運行で生ずると考えられていた音)
2 楽譜;〔集合的に〕楽曲集
read music
楽譜を読む
3 音楽の鑑賞力,音感

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