なんでWebサービスなら自分でも作れると思えるんだろうか

 最近疑問に思っていることがあります。人は家を自分で建てられるとはまず思わないのに、Webサービスなら自分でも作れると思ってしまいます。これは何故でしょうか。どちらも高度な知識を持つその道のプロが作っているものです。

 これには様々な理由が考えられます。まず実験機材が非常に安価です。例えば建物の破壊実験をするよりも、オープンソースのサービスを実際動かして攻撃したり負荷試験をしたりする方が遥かに安く済みます。30万もあればその道のプロが揃えている機材を揃えることが出来ますし、形から入る敷居は非常に低いと考えられます。

 次に、生活における重要度の差が考えられます。建物が無いと生活が成り立たないので、生活における重要度は非常に高いです。「新築で買った家の屋根が壊れた」など建物に関する不具合は生活に重大な影響を与えます。一方、Twitterに不具合がありログイン出来ない状態になっていたとしても、一部のヘビーユーザーを除けばほとんど生活に影響は無いでしょう。

 また、どのように作られているかイメージが出来ないということも関係しているかもしれません。家の場合は基礎があって柱があって梁があって構造用の壁があってといったことが見た目からイメージ出来ますし、木材を製材するとはどういうことかなどがイメージしやすいですが、Webサービスはそのあたりが直感的では無いと言えます。

 言い換えれば、どれくらいの労力がかかるか正確に見積もることが困難であるということです。そのためか、既存のサービスと似たサービスをあり得ない額で依頼されたという話をTwitterなどでもよく聞きます。

 学ぶ人が増えるということは良いことなのですが、どうも簡単に出来ると思われているような気がしてならないというnoteでした。

Web制作やライターをやっているフリーランス。豊田高専を二度中退し、放送大学生兼フリーランスを始める。Pythonが好き。Vue.js、Nuxt.jsを使う。