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ローズライクな精油でバラの香りを再現してみよ〜う!というチャレンジ。

ローズと名の付く精油全部混ぜたらバラそっくりの香りになるんじゃね⁉︎
(各精油のローズ香に似た部分が集まって中心像ができる事で)

という小学生ばりのひょんな思いつきを即試してみよう!
というプチ企画になります!

はい!
以上の通り、今回全くラベンダー要素はありません!笑
ラベンダー農家としてあるまじきタイトルですね。

ま、香り・化学の理解を深める!という目標のもとやっていってみましょ〜う!


ウチにはローズと名のつくこれら3本の精油がある

今回の登場精油たち。
それぞれ購入意図・目的はバラバラですが、かれこれローズライクなアロマとされる精油たちが3種類集合していました。

これらを使って香り(とりあえずミニ香水)を作ってみます。

1.ゼラニウム精油

通称「ローズゼラニウム」と呼ばれるニオイテンジクアオイ精油

今年7月の初めに、単体ではクセの強いヤロウ精油の香りをマシな香りに調香する目的で買っていた花系精油のゼラニウム精油があります。
ローズゼラニウムとか言われるやつですね。

アフリカが原産地のニオイテンジクアオイ(和:フウロソウ科/英:ゼラニウム科)という植物から得られ、バラ精油の代替として生産されています。
この植物精油から発見され命名された成分がゲラニオールだったりします。

「ローズの代用」とされるほどローズLikeな香りだとも言われるローズゼラニウムなんですが、初めて匂いを嗅いだ時の感想というのが、シトラス強すぎ!!!だったんですよ。。。

おそらく個人的な柑橘・シトラスアロマ嫌いのためにゼラニウム精油に含まれるシトラールorシトロネラールなんかに引っかかってるんじゃないかと思ってます。

この精油の商品ページを見てみると生産地はエジプトで、種名はPelargonium graveolensとなっていました。(品種名ではない)
採油ゼラニウムには多種多彩な品種が存在しているのでこの学名を覚えておきましょう。

2.パルマローザ精油

◀︎とにかく香りが強い 紅茶様の甘い香り強い▶︎

名前にしっかりローズの語が含まれているパルマローザ精油です。
パルマローザはベチバーやレモングラスなどと同じイネ科植物から抽出される精油になります。

これら実は最近買い揃えました!
というのも、バラ精油の特徴的な芳香成分であるゲラニオールがなんと80%を占めているので、パルマローザ精油はいわばゲラニオールの塊といえるんです。
①純度の高いゲラニオールの香りを確かめてやろう〜という魂胆
②メーカー毎に香り違うんじゃね?という疑念ありき

という理由でそれぞれ2本買っています。
ちなみに双方しっかり香りが違いました。(どういう事やねん…)
ホンモノのパルマローザの香りがわからなくなってしまった以上、鼻が喜ぶ良い香りを目指してそれぞれを調香していきます。

3.ローズウッド精油

構成成分の8割がリナロールでできているローズウッド精油
しかし単体ではさほど癒されるアロマではない

最後に香りのベースノートを担当してもらうローズウッド精油になります。
この精油もローズLikeな香りと称されて多く市場に出回っている、南米産Aniba rosaeodora葉っぱからの抽出精油になるんですが、主体成分的にはなんとリナロールがメイン。
ローズウッドから得られる精油成分の約90%がリナロールでできているそうなのです…!!
なのにバラの香りっぽい!と評価されてきた歴史を持ってるんですよ。
(だからローズウッドの由来だったんだっけか…)

実際のところ、香りはホーリーフ精油にかなり似ていて、加えてフローラルな甘みが付加しているような感じです。

そうして香水が組み上がり…

それぞれ香り個性の異なるRose likeな香りの精油3種を上手いこと調香?した企画系香水がここに爆誕!

名付けて、「ローズローズローズ」です。笑

もう雪が降ってしまったので実際のバラの香りと比較することは叶いませんが、さらに冷蔵庫での1weeks冷却熟成で香りの完成を待つことにしましょう…!

先に嗅いだいくつかの品種の実物バラ香の香りが再現されていればいいな〜〜と期待を胸に寄せて追熟を待つこととします。

組み上がったときの香り(各精油アロマの強さ)をボトルの距離などで表すとこんな感じになりました(笑)
かつてラベンダーとブレンドしたら、ほんの2滴だけでラベンダー10滴を駆逐してしまったゼラニウム精油が意外にもこの場ではそのツヨツヨな個性を覆い隠す結果になったんですよ。これは驚きポイントでした!

(現時点でリナロールの塊であるローズウッドがゼラニウムを差し置いて主張強めであるのを察知していたりもしますが…)

雪が降る直前時期にバラ実物の香りを試していたエフゲニーマエダ氏。

近くで咲き残っていたラベンダー生花との嗅ぎ比べをやってみた。
フローラルアロマ同士ながら香りベクトルはぜんぜん違うので嗅覚疲労を起こしてもどちらかは必ず香る固有アロマっぷりだった。
意外にもこの黄花ローズが個人的には癒されるレベルの良い香りだと感じた。
不快要素が少ない香りという意味。
いちばんイメージに近いバラ。
なのだけれど香りは女性モノのコンディショナーのような洗剤っぽさがあって残念アロマだった。

実は雪が降る直前にバラ(実物)の生花の香りを確かめる機会があったエフゲニーマエダ氏。
あくまで専門外なんですけどね!そりゃあ目の前にあれば、とりあえず香り味わっておくくらいの手合わせはしといたワケです。

やっぱりラベンダーと同じく、品種それぞれでしっかり香りの個性が異なっていることに気付かされるのであった。。。

5日間の冷蔵熟成後の香り…

えーと、熟成の結果から述べると残念なお知らせとなります。。。
むせ返るほどの強烈なシトラスアロマの香水へと変貌を遂げていました…。

調合当時ではゼラニウムの持つシトラス香(シトロネラール由来)は
①アルコールのツンツン臭
②他精油の香り
に見事なまでに覆い隠されていて、ぱっと見アコードが取れていると感じてました。

ゼラニウムのシトラスアロマは只者ではなかった…

が、冷蔵熟成によりアルコールのツンツン臭をいざ飛ばしてみると、今まで隠れていたゼラニウム精油のシトラス香がこれでもかと言わんばかりにステージセンターにズカズカと躍り出てきたではありませんか、、!!!

↑つまるところ、こんな香りの大きな変化が起きていました。

ゼラニウム精油を導入した当初からラベンダー精油などと調香を繰り返していてゼラニウムのシトラスアロマはかなり強いということにはやんわりと気付いていたんですが…。

今回もやっぱりやってしまった感じでした。あーらら…

ゼラニウムの香りに関する比較論文有り。

https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010811559.pdf

実は日本国内で行われた、市場に出回るニオイテンジクアオイ(Pelargonium属)の香りの比較論文があったりします。
上記の論文の中で、Pelargonium graveolensに当たる品種は写真a,bでデータシートのRoseLady PlymouthがP. graveolens直系の品種のようです。
なのでこちら2品種のデータを当てにすると、柑橘臭を生み出しているシトロネロール品種Rose→13.5%および品種Lady Plymouth→20.7%と、それなりの割合で含まれていることが示されています。

以下、ほかゼラニウムの採油品種に関する資料ページ。


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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。