見出し画像

古典、故事成語015(荘子)

有機械者、必有機事。
有機事者、必有機心。
機心存於胸中、則純白不備。


機械有る者、必ず機事有り。
機事有る者、必ず機心有り。
機心胸中に存すれば、即ち純白備わらず。


絡繰り仕掛けを持つ者は、必ず小細工を弄するものだ。
小細工を弄する者は、必ず小細工を好む心を持つものだ。
小細工を好む心が胸中にあれば、純真さが備わることはない。


※注釈※
文明の毒について警告されています。

長短は表裏一体になっており、文明が進歩して便利になるほど不便さが増し、文明によって福が起こるほど禍を招いてしまう。

文明の進歩により、知恵や身体は衰え、道具を使った犯罪は多発し、乗り物による事故死は未だ多く、文明の進歩に比例して被害も増すばかり。

その文明を維持する為に昔以上に忙しい日々を強いられ、生活を豊かにする為の文明が日々の不自由さを生み出し、物の奴隷となり続ける事を幸福と錯覚する。

機械は常に効率を求め続け、儲ける為に詐欺や偽装が横行し、人間が担っていた事も機械が代用していき、効率の為に人間すらも不要にしていく。

人々は幸せの為に文明を追い求め、いつしか文明に仕え支配される日々になりました。


荘子の時代では瓶と釣瓶の話で例えています。

畑に水を遣るのに瓶で水をすくうより、撥ね釣瓶を使った方が便利で効率が良いですが、そのような道具を使う事は禍を招くと説かれています。

今より2300年も昔に文明の毒を荘子は洞察していたのでした。

お金や道具に支配されて振り回されず、お金や道具をしっかりとコントロールする事が肝要でしょうか?

お金や道具に頼れば頼るほど、それ無しでは生きられないようになってしまいます。


旧ブログにて2016年04月29日に記載していたもの

サポートよろしくにゃ(=^・▽・^)人(^・▽・^=)