見出し画像

いじめ問題を考える演劇ワークショップ

(2007年にブログにアップした記事。こちらに再録する)
思うところあって、「いじめ問題を考える演劇ワークショップ」に参加した。講師の方はフィリピンの演劇学校の先生(アーニー クロマさん)で、いじめ問題の専門家ではないが、アジアの貧しい国々で性暴力など様々な問題を抱える子どもたちの救済のためのワークショップを開いている人だ。会話は英語で、通訳の女性がついた。

理屈よりは体でという講座だったので、面白いゲーム(他でも使えそう!)をたくさんやったり、グループで即興劇を演じたり、すごく楽しかった。

「喜び」を表現するコーナーでは、今まで自分が嬉しかった体験をグループ内で話し合ってくださいと言うので、一昨年千葉ロッテマリーンズがパ・リーグで優勝した時のことを熱く語ったら、それをグループの人達と組んで寸劇で「上演」するハメになった。
他のグループもそれぞれ発表した後に、「喜び」はGIVE(与える)、GIVEN(与えられる)、RECOGNIZED(自分を認めてもらえる)などの要素を源にしているという説明があった。これらの要素が奪われると、人は喜びを失い、孤立を感じ、暴力の方向に向かうという。

「対立」のコーナーでは、全員が二人一組になって自分たちでいろいろな対立を想定して演じる。私は「自分の誕生日を恋人が忘れていたので、すごく怒ってる彼女」にして、なぜか演技に熱が入ってしまった。
それから、7人ぐらいのグループで、教室内や家庭やレストランで起こったトラブルを演じてから、みんなで解決策を考えたりした。とにかくみんなノリがよくて楽しかった!

全体を通して思ったことは、「いじめ」って学校内部だけの問題だと考えがちだけど、実は、家庭や地域も深いところですごく関わりがあるんだよね・・・ということだった。家庭は子どもにそれぞれの価値観を植えつけて送り出しているし、いじめに取り組むなら地域全体でやらないと、あまり効果がないのかもしれない。

最後の質問コーナーで、「最近のいじめは標的がころころ変わるので、子どもたちは自分がいついじめられるか不安で、他人をかばうことができないらしいが、どうしたらよいか」という問いに対しての講師の方の答え・・・
保護者と先生と子どもたち全員とで話し合いを持つといい。その際に注意すべきことは、問題を直接責めないこと。楽しい雰囲気の中で会話を進めていくうちに、ふつふつと分ってくることがあり、それが解決の道を開いてくれる、とのこと。

実際に問題があって集まる時に「楽しい雰囲気」で話し合いなんてできるかなあ?と思ったけど、言いたいことは分る気がした。もっと普段から教師も親も子どももコミュニケーションを密にするといいんだろうな。でもそうしていくには、今の世の中忙しすぎるよね・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?