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出来る事からコツコツと…


はじめに

今回も引き続きPNFフィロソフィーをベースに、私が患者様とのセッション中に気にかけていることを書いてみたいと思います。
PNFの世界に深く突っ込んでいきたい方は、IPNFA公認インストラクターの実施している研修コースに参加することをお勧めします。

いま出来る事を活用する

患者様を治療する際に、治療家としてはどうしても「できない事」に注目してしまいがちです。なぜなら「できない事」「できる事」にして患者様に感謝されるのがセラピストとしての仕事の醍醐味だからです。当然、患者様も多かれ少なかれ、自分が「できない事」「できる事」に変えたいという気持ちをもって治療に臨んでいると思います。
そんな中、患者様の問題点を整理して効果的な治療を検討する上で使うツールとして、我々セラピストは養成校でICFの考え方を教えてもらっているはずです。「対象者のマイナス面だけでなくプラス面に着目しましょう」っていうアレです。このICFってツールですが、なんか面倒くさいって思ったことありませんか?だって、患者様も治療者側も「できない事」=「マイナス面」を変えたいワケで、いま「できる事」=「プラス面」を変えたいワケじゃないのに何で?と思っちゃうかもしれませんよね…。
そんな中PNFって面白い考え方を持ってまして、「できる事」をすることで、「できない事」必要な要素を強化して、いま「できない事」「できる事」に変えちゃおうって考えうワケです。たとえば、下肢の問題を抱えた患者様で、上肢には全く問題がないとしたら、臥位や坐位で上肢を使った活動をすることで、問題となっている下肢に対して刺激を与えて下肢の活動を引き起こす準備をしていく…、なんてことを考えます。
コレって、患者様にとっては、「できない事」=「失敗する」を繰り返す、「負の運動学習」をすることなく、しかも失敗を繰り返すことによる精神的ストレスを感じる事もなく、気持ちよく、そして安全に練習に取り組むことができるっていうメリットがあります。
デメリットとしては、患者様にとって簡単すぎる課題をくり返すと「すぐに飽きてしまう」ことがあげられます。なので、課題はちょっとだけチャレンジングなものが良いと思います。課題の難易度調節に関してはいつでもどこでも誰とでも重要ですよね。
となると、ICFで言われる「できる事」「プラス面」に着目するってのもつながってくると思いませんか?

おわりに

学生時代に「機能構造レベル」から「活動レベル」を改善する事しか考えられなかった私に、ある先生が「活動レベル」から「機能構造レベル」の治療を考える事も大事だって指導されたのを思い出しました。
いろいろな活動がもっている運動としての特徴を知ることで、治療のバリエーションがどんどん広がっていくと思われます。なので、目の前で動いている人間の活動がどんな要素で成り立っている動きなのかを考えながら観察する修行の日々が今後も続いていく事になりますね。

まとめ

人間の動きを観察して要素を考えるって「激ムズ」なので、コツをつかむ上で基本的な動作分析の経験や知識がメッチャ大事です。
日々勉強が必要!ってこと。

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