シリケンイモリ、夏の間はどこに行く。

シリケンイモリ。
沖縄にしかいない、固有種のイモリです。水の中でも、陸の上でも生きることができる両生類で、やんばるに行けば、割とすぐに見る事ができました。

中南部でも、綺麗な水、そして流れの遅い渓流や水たまりなどを探せば見つかります。英名は、Sward tail newt とwikipediaの日本語版には出ています。
シリケンイモリ(wikipedia)

なぜか、ドイツ語版wikiの方が、記載が多い。
ドイツ語版シリケンイモリwiki

しばらく離れていた沖縄に最近戻ってきて、なぜかこのシリケンイモリにとても興味が出てきました。きっかけは、近くの散歩道にある小さな渓流で彼らを見つけた事でした。(近年、沖縄の固有種の密猟、売買が多いので場所は絶対に書きません。ご理解ください。ちなみに、野生でいると人手による環境の変化で数を減らしてしまうので、愛好家の手で育てられ繁殖された方がいい、という意見もあるようです。)
➡ヤフオク(沖縄シリケンイモリの売買を確認済み) 
*リンク貼ってません。

おととしの2020年、一度そこを通り、かなりの数のシリケンイモリが、ゆったりとその渓流の水のながれがゆっくりとしたところに集まっているのを発見し、やんばるにしかいないと思っていたので、まさか、こんな身近に彼らが住んでいたなんて、と感激しました。
同時に、ちかくの道路上には、ぺったんこになった彼らの姿も数匹あり、ひかれるほど結構な数が生息している事、そして、少し離れた水場に行くためには道路を渡らないといけない為に、車にひかれてしまう、という事を確認しました。

その後は、戻ってきてみる機会がなかったのですが、今年2022年中旬、再び訪れてみると、ゼロ。一匹だけ、近くの落葉のたまった斜面をゆっくりと這っているのがいましたが、水の中、その周辺にもゼロ匹でした。この時、もしかすると、すべて密猟されてしまったのかもしれない、と疑念が浮かびましたが、活動時期、時間帯などもあるので、今回はたまたまタイミングが合わず一匹も確認できなかったのだとも思います。

それから数日後にまた戻り、そして梅雨が来て、梅雨が明けてまた訪問してみましたが、ゼロ。昨日9月15日に再度行ってみましたが、確認できず。さらに近くには若いマングースがちょろちょろ。シリケンイモリを含めて、イモリ類の多くの皮膚にはフグの毒とおなじテトロドトキシンが微量ながら含まれるということなので、まさかマングースは食べないと思いますが。梅雨入り以降、全くシリケンイモリの姿が見えません。
➡上記のシリケンイモリ(wikipedia)に、毒を保有することについて記載があります。

沖縄県が、シリケンイモリについて北部にある沖縄科学技術大学院大学の建設に関連して行った調査によると、4月から9月の間はやはり成体の確認数が激減しています。例えば、この調査の事例から極端な比較をすると、最も多く観察された平成23年1月に270匹、そして、最も少ない平成22年4月の0匹、というような大きな差があります。この集計結果は、近くの渓流の様子と傾向がとても似ているようです。夏の間はいったいどこにいってしまうのでしょうか。
沖縄県調査シリケンイモリ

沖縄地域にしかいない、よく見ると結構かわいい、このシリケンイモリについて、夏はどこにいくのかも含めて、少しづつ理解していきたいと思っています。彼らを理解できれば、沖縄の自然環境の一面を広く理解できるような気がします。

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